チェンウォン世界編シーン21
マジェストの武闘大会に参加する事になったクロノ達。
果たして。
俺達は、ここ『燐光』という場所で開催されるというマジェスト武闘大会に参加する事になった。
この大会には世界各国からも腕に自信のあるマジェスト達がその腕だめしに来るという。
もちろん優勝者には破格の賞金も出るらしい。
俺達は以外にも活気のある大会に驚いていた。
リーファは事務的な事は得意なようで大会参加の俺達三組の出場手続きを済ませてくれていたようだ。
「さあ!これで三組の申請が終了しました、まもなく大会本部からのルール説明などがあるようです。」
「ありがとうリーファ!」
辺りには確かに屈強な男達が多いようだ。
すると俺の手を握っていたサキノの手に力が入る。
「ん?サキノ…どうした?」
「んん……お兄ちゃん……。」
俺はサキノの視線を辿ると、そこにはサキノをニタニタとヨダレを垂らし見ている男二人が立っていたんだ。
「なんだよお前ら………」
するとそこに同じチームの男達であろう二人の男達が加わってくる。
一人の男が口を開く。
「いや……一回戦の相手がどんな奴らなのか見に来てみれば…お前達四人のガキ共だったとはな。」
「何が言いたい!?」
俺は大男に声をあらげてしまう。
すると後ろから元気な声が聞こえる。
「何なに??あんた達もうはじめちゃうの!?」
そう言ってきたのはテンテンだった。
「ん!?お前は……ふん…………てめぇもいずれ…その可愛らしい顔を泣き顔に変えてやるぜ。」
「そんな口は私達の力を見てからにしてよね。」
「ふん……まあいい……俺達と運良く俺達と当たったら…お前達の泣きづらを拝むとしよう。」
男達の一人がそう言うとニヤニヤしながら奴らは立ち去ったんだ。
「べーーーーーだ!!」
「はあ……テンテン…もう少し大人しくしててくれよ。」
ジオウもテンテンが心配で着いてきていたようだ。
すると俺は会場入り口から何者かの視線を感じる。
俺達はそちらに目を向けるとその四人はどうやら先程の俺達のやり取りを見ていたようだ。
四人は黒づくめの衣装を頭から被りどんな人物達なのかも分からない。
そんな怪しい奴らは俺達を見ていたがすーっと向こうへ踵を返すと立ち去っていったんだ。
「あいつらも出場者なのか?」
「そうみたいだねえ…うーんでも何か匂うのよねえ。」
「ん!?どういう事だサキノ!?」
「うーん…あの四人の匂い嗅いだ事ある匂いが微かにするんだあ。」
「どういう事なんだろうな。」
「何か変な匂いに邪魔されてる感じなのー…」
俺達にはモヤモヤが残ったのだが。
その時、会場内にアナウンスが流れてくる。
『さあ!!そろそろ開会式を執り行います…選手の皆さんは会場へとお集まりいただき係の者の指示でチームごとにご整列くださいませ。』
アナウンスの軽快な声。
こうして俺達は会場に並ぶ事になったんだ。
◇
◇
◇
『さあ選手の皆さんに並んでいただきました!そして…遂にやってきました!!マジェストのマジェストによるマジェストの為のこの大会は何と今回で第十回目!!今回も世界のマジェスト達の熱い戦いを楽しみたいと思っております!!』
会場内に熱い歓声が響き渡る。
そしてアナウンスは続けられる。
『ここでチームの説明をさせていただきます!今大会はなんと八チームの参戦となります、まずは初参加のチーム『イケメンズ』!!この地の選りすぐりの元アイドル達が集まった集団で一人一人が名を知られているチームです!!リーダーの『春樹』はメンバー、ナンバーワンの美青年でこの大会でも既に女性ファンを獲得してる模様……尚…他のメンバー達もどうやら根強いファンを獲得しつつある模様です。』
「「きゃーーーーー『春樹』様ーーー!!!」」
会場内に黄色い声援が飛び交う。
「なんだありゃ…奴らもマジェストなんだな。」
「そうですね…この大会にはマジェストの参加以外認められていませんからね。」
すると俺達の会話を遮るように次のチームが紹介される。
『そして対するチームもまた今回初参加チーム『『邪教団、悪翔』』
これは先程俺達を見ていたチームだ。
黒づくめの風貌はそれだけで怪しさは軍を抜いていたんだ。
そして、他のチームも数々紹介されていく。
すると。
先程俺達に声をかけてきたチームが紹介される。
男達はニヤニヤと俺達を見ながら余裕の風格をみせていたんだ。
そして男達、チーム『暴露』は不気味な笑みを残し俺達を残し去っていく。
そしていよいよ俺達の番だ。
『残るはチーム『クロノ』!!前大会準優勝者『テンテン』を加えたダークホース的なチームです!!』
「「うおおおおおおおーーーーーー!!」」
会場内に歓声が響き渡る。
俺はチームを俺の名前にした事で顔を真っ赤にしてリーファに視線で訴える。
するとフッと微笑むリーファ。
サキノとヘキサは喜んでる様子だ。
まあ…いいか。
半ば半分で諦めた俺は視線を会場内に移す。
『では皆さん…この大会は世界には非公開の大会です…最後に大会主催者としてここチェンウォン王より一言。』
そして。
会場内はシンっと鎮まる。
すると…会場内に声だけが聞こえてくる。
表だって動く訳にはいかないこの大会はこの国の王であるチェンウォン王も認めているのだろう。
『この地に集まりし強者どもよ…この世は平定が常である…だが力ありし者はその力を今大会で振るい鍛える事を我は望む…力こそが全てという訳では決してないが…力なき者でいる訳にもいかぬこの世界…個人の強さを証明する為…戦え。』
チェンウォン王のその言葉が大会の合図になったんだ。
こうして第一回戦目がはじまろうとしていた。
一回戦目はチーム『イケメンズ』VSチーム『邪教団、悪翔』だ。
選手達は闘技台へと進む。
この戦いは二対二のマジェストバトル。
アイドル達への黄色い声援。
『さあ!ではまずは第一回戦バトルはチーム『イケメンズ』『春樹』選手and『夏生』選手!!』
二人の色男への黄色い声援。
そして『邪教、悪翔』の二人は立ち尽くしていた。
バサーーーっと黒いマントと共に黒ずくめの羽織っていたものを脱ぎ捨てると。
「「なにーーーーーーーーーーっ!!??」」
俺達は会場内いっぱいに驚きの声をあげたんだ。
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