ライブ配信シーン26
クロノ達に着いてくると言い出すサキノ…どうするクロノ!?
俺達についてくるというサキノの一件…。
これからの事を考えると、とてつもなく危険な気がする。
サキノは確かにトルネルの蛮行で両親を失ってしまった…。
俺としても…いや…カルマもヤシュアにとってもサキノの同行は危険な事と認識は出来るはずだ。
「なぁ…サキノ……?」
「クロノ…なぁに?」
「あ…いやな……。」
俺が続きを話そうとするとリスナー達からコメントが聞こえてくる。
『クロノ!良かったじゃんか!?サキノちゃん可愛いし連れていこうぜ!』
『そそ!クロノの妹みたいだしカルマちゃんも可愛いけどサキノちゃんもキュートだぜ?』
また、こいつらは好き勝手な事を言いやがる。
俺はそんな事を考えているとカルマがサキノに声をかける。
「サキノちゃん!これからはもう私達がいるし大丈夫!安心してね!」
いや…おい!安心出来なくないか?俺達が向かうのは戦場だぜ!?
俺はそう考えていたがサキノはニコニコ嬉しそうだ。
するとヤシュアが口を開く。
「まあ…ワシも危険な事だとは思うのじゃが…彼女もワシらと同じマジェストじゃ…彼女の魔神の様子もワシは一度見ておかなければならぬ…だから分かってくれ。」
「なるほど…な…ヤシュアの責務も絡んでくる事か。」
俺は仕方なく了承する事になったのだ。
◇
こうして俺達はサキノをパーティーに加えまずは魔王ゼルドリスが封印されていた遺跡へと向かう事になったんだ。
◇
◇
◇
俺達四人は城へと戻り王に挨拶をすると数人の兵に連れられ遺跡へと向かったのだった。
◇
◇
◇
『キャニオン』遺跡。
ここはかつての魔王ゼルドリスが勇者に倒され封印された場所。
そして魔神に関しての何かを見つける事ができる可能性があるかも知れない場所でもある。
魔王ゼルドリスのその力は世界をも破壊し尽くす程の力。
数多の魔神を従え世界中を破壊と混沌の世界に変えようとしていたのだ。
そしてどこからともなく現れし勇者の手によりこの地で倒され封じられたのだ。
しかし、長い年月封じられてきたが…勇者の力は徐々に弱まりつつあった…そして何らかの者の手により、その封印は解かれ魔王ゼルドリスは復活し、この地から飛び立ってしまったのだ。
その状況を魔王ゼルドリス復活の際に、『グランドバズ』王が身をもって知る事になったのだ。
その際、かつてより魔神具の研究をしていたヤシュアの耳に入る事になり王は彼を同行させたのだ。
そして今俺達はヤシュアと共にこの遺跡を目の前に立っている。
「よし…とうとうここまできたの…じゃがここから何があるか分からない…もしかしたらカルマちゃんの両親を探すヒントが見つかるかも知れない…クロノ…サキノちゃん…そしてカルマちゃん…心の準備は…よいか?」
俺達は頷くとヤシュアは遺跡への扉を開くのだった。
ギギギッと巨大で重厚な扉がゆっくりと開いていく。
「おおっ!!」
「ここが…魔王ゼルドリスが封印されて眠り続けていた遺跡『キャニオン遺跡』なのね。」
俺達が見た光景。
部屋の中は全てが結晶で覆われキラキラと煌めく。
その真ん中には台座があり台座は無惨にも破壊された後があったんだ。
「ここが…魔王ゼルドリスが封じられていた場所…か?」
「ああ…そうじゃ……ここは数百年という時を勇者様によりゼルドリスを封じ込められていた部屋…勇者はゼルドリスをとある武器に封じるとその台座に突き立てられ長い時を静かに眠り続けていたはずなのじゃ…ところが……。」
ヤシュアはそこまで話すと言葉を止める。
「ヤシュア?」
「ヤシュア…様?」
その時…俺達も感じた危険な空気。
するといつの間にか台座に座りこちらを見ている一人の男の姿があったんだ。
「お前は…誰だ??」
俺の言葉に不敵な笑みを浮かべこちらを見ている男。
「俺か……?」
「ああ…お前は誰だ!?」
俺はそう言い放つもその男から感じる力は禍々しくそして…ブルーノの時とは遥かに違う力を感じる。
明らかにブルーノよりもこいつの方がヤバい力を感じていたんだ。
するとヤシュアが男に問いかける。
「お前はもしや…ゼルドリスの側近…なのか?」
「いや…俺はゼルドリス王には金で雇われている…名を…飛脚の魔神『サーヴァス』という。」
「飛脚の…魔神!?」
「マジか!?お前が飛脚の魔神?」
いち早く反応したカルマに続いて俺が問いかける。
「ああ…俺はね……大昔から金でゼルドリス様に雇われている魔神…そして今回もゼルドリス様救出の手助けをしたって訳だ…。」
「何っ!?そんな事許される訳ないだろ!?」
「ふん…ガキ共が何を言ってるのかわからん…。」
『サーヴァス』は鼻で笑うと指に何かを引っ掛けクルクルと回し始める。
「なんだそれは!?」
「んー、ゼルドリス様がな…ここを飛び去る時に忘れもんをしたって言うんでな…こうして俺が取りに来たって訳だ。」
するとカルマは前に出て口を開く。
「私…貴方に聞きたい事があるの。」
「ん?なんだ?言ってみろ。」
「貴方の力は世界中どこにでもあっという間にいけるって本当なの!?」
「んー?なんだよ女…何が言いたいんだ?」
「この世界の反対側までもあっという間に…行けるの?」
カルマの質問に『サーヴァス』は答える。
「ああ…行けるぜ……。」
◇
◇
◇
遂にカルマの目的である飛脚の魔神との対面!
そしてこの後どうなるのか!?
お読み下さりありがとうございました!