アフリエイト世界編シーン8
リオとイシメールの前に現れた男たち。
果たして。
突然、私達の目の前に現れた野盗達。
その数は、五人。
私達をニヤニヤと取り囲む五人。
「あんた達!誰よ??」
私は、そう叫ぶ。
「くくく…俺達はこの街の宿屋を探しに来たのだがなぁ…その前に飲んでていい気分で出てきたらそこのデカい木の下でいちゃいちゃとしてるお前らをみつけてな…俺達も混ぜてもらおうと思ってな……。」
「私達は話してただけじゃない??それに貴方達には関係ない話よ?」
私は、そう返す。
「フン!」
「じゃ!そういう事だから…さぁ!イシメール君いこっ!!」
私は彼の手を取り、その場から離れようとした…その時。
一人の男が私達の、ゆく手を阻む。
「ふふ…いいだろ?俺のタイプだ!胸なんてなくたって俺はいいぜぇ、」
「なっ!!??うるさい!!」
私は、そう言い放ちカードをとりだす。
すると。
「女の子は…大事にしなきゃ…ダメなんだ!」
「ああん?なんだこいつ??」
すると…男はイシメール君に襲いかかろうと拳を振り上げる!!!
その時。
イシメール君は、拳を握りしめ震えている。
「んだぁ??震えてるなら…大人しく………」
大男はイシメール君にめがけ拳を振りおろす。
「寝てなぁァーーーーー!!!」
すると。
イシメール君は槍を振り回す。
「はぁぁぁっ!!!???」
パンッパンッばぁーーーーんっと音を立て彼はその手の槍をおさめる。
そして……。
拳を振り下ろした男の身体は一瞬止まると。
そのままバタリと倒れてしまったの。
「えっ!!??」
私の驚きの声に続き…男達は驚きの表情へと変わる。
「貴様!何をした!!???」
「僕はマサイアの戦士…イシメール…戦士の誇りにかけて!!!か弱き女性は僕が守る!!」
彼は、あっという間に一人の男を倒すと槍を再び構える。
「つ…強い……マジェスト…でもないのにこんなに強いなんて。」
私は驚き…そう口にしていたの。
「さぁ!次は誰が相手だ!!!??僕は狩人でもある!ライオンにだって負けないんだ!!」
確かに私も聞いた事はあった。
それはマサイア族の戦士はそれくらいの心構えじゃなければ…この猛獣の沢山いる大自然ケニージアでは生きてはいけないと。
そして…生まれ持っての彼の筋肉は現代の私達からすれば激しく鍛えられているのだ。
だから…。
彼はこんなに…。
強いんだ。
私は彼の戦う姿を、見とれてしまっていたの。
彼が動く度、男達は驚きその動きにあっという間に彼の槍に倒されてしまっていた。
「凄い…魔神がいなくてもこんなに強いだなんて。」
すると、残った男は服の中から銃を取り出したの。
そして男は発砲する。
ダーーーーーーーーンッ!!!という銃声が周辺に響き渡る。
「イシメール君!!!???」
私が叫ぶと…彼はこちらを振り返る。
すると…その頬からは血が流れていたの。
「えっ!?イシメール君??」
「はは!大丈夫だよ!リオさん!これはかすっただけさ!」
そして…彼は、また敵に振り返る。
「くく…今更命乞いでもするか??」
「…………………………。」
「流石の化け物の様なお前でも銃にはビビるらしいな。」
男は、にやけながらそう話す。
「卑怯よ!!貴方それでも男なの??」
「うるせぇよ。かちゃあいいんだ、かちゃあよ?」
男のその醜悪な言葉に、私も怒りを感じる。
すると。
「大丈夫!リオさんはそこで見ててよ。」
「イシメール……君。」
イシメール君は槍を構え直す。
「ふん!その槍でどうやって銃弾を躱すんだ??」
「……やってみなきゃ分からないだろ?」
「女の前だからって威勢だけはいいみたいだな…なら……死ねーーーー!!!」
その時。
まるで…時が止まった様に感じる。
そしてイシメール君は呟く。
「獣人化」
すると。
ムクムクと彼の身体は筋肉が盛り上がり、一回りも二回りも大きくなる…そして身体中から黒い剛毛が生え揃っていた。
「なにっ!?貴様も獣人か!?」
男は焦りそう叫ぶ…そしてイシメール君は。
「リオさん…僕はゴリラの獣人……獣化した僕は…最強だ。」
そう、そこには今では私のパパ代わりの『ベルーガ』そしてサキノちゃんとも同じく…獣人のイシメール君が立っていたの。
パーーーーーーンッ!!!!!
銃声と共に放たれた銃弾は彼に、当たったかに見えた。
すると…彼は槍を一振り…スパンっ!!!という音の後…ポロリと地面に落ちた銃弾。
そして。
「コング…」
イシメール君の身体は、素早く…いつの間にか男の頭上から現れ…降りてくる。
「クラッシュ!!!!!」
ドガーーーーーーンっという音。
それは他の男達をも巻き込み…一掃した音だったの。
私は思わず彼の元に駆け寄る。
「イシメール君!?大丈夫?」
するとゴリラの姿の彼。
「あ!?」
「ん?」
私は、いつの間にか彼の頭に乗ってたスクエルを見つける。
「スクエル!おいで!」
すると…するすると戻ってくるスクエル。
「お!そいつがリオさんの魔神なんだね?」
「そうそう…って魔神が、見えるんだ?」
「あーうん!僕には魔神はいないけど獣人だからかな?見えるんだ。」
私達が話してると…気を失っていた男が、ぷるぷると立ち上がろうとしている…どうやら気がついたみたい。
「くっ!貴様ら….平和な時間は…今だけだと思えよ…」
「どういう事だ??」
「ふん…俺達は魔導協会からの頼みでこの街で暴れろと頼まれただけだ。」
「な!どういう事だ!?」
「言えるかよ……」
「よし!リオさん!僕はコイツをこれから城へと連行していきます!明日…皆さんを連れお城に立ち寄ってください。」
「イシメール君……」
「大丈夫…でも何か…嫌な予感がするんです。」
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