アフリエイト世界編シーン2
アキニーの元から立ち去った魔導協会からの男。
彼の言葉を聞いたアキニー。
すると。
アキニーの前に現れた魔導協会からきた男は、彼女に不安だけを残し立ち去っていったのだ。
これは。
少し前はユーロのいたヨーロディアに事件が起き…そして次は私のいる…この地…なのか。
先だって、アステリオのBOSSだった『レギオン』が倒され…そしてヨーロディアの『ユーロ』…もちろん敵が我々マジェスト協会を潰そうとするのならば…次は…『私』か。
アキニー女王は、そう考えると、古代三大魔神を潰すと言うのであれば…暗躍するのは魔王軍…それに加え…魔導協会も敵となってしまう。
最悪…奴らが手を結ばなくても両方からの何かがあってもおかしくないと考えられる事だ。
まずは魔導協会なのか。
そんな事を考えていると、一人の兵士が現れ私を呼ぶ。
「アキニー様!今…イシメールが来たという話なのですが…如何なさいますか??」
「ほぉ?イシメールか?通すが良い。」
「はっ!!」
兵士のその声の後…一人の青年がこの王の間…そして私の座る玉座まで歩いてくる。
スラリとした高身長、肌は黒く痩せてはいるがムキムキの身体は一切の無駄がない筋肉、いかにもこの地の戦士といった風貌である。
男の名は『イシメール』…古より存在する、この地の部族である『マサイア族』の若き戦士なのである。
いつもニコニコと穏やかな男だが…戦い、そして狩りともなれば誰もが一目置く男なのだ。
すると…玉座前までやってきたイシメールは肩に袋を抱えてきたようで…私の目の前に袋を下ろすと中身を取り出そうとする。
そして彼が袋の中から取り出したのは。
なんと。
大きなイノブタ…だったのだ。
その大きさから察するに、軽く100キロは超えるであろう…それを私に見せてくる。
「ア、アキニー様…これ取ったから食べてください。」
「あ、いつもありがとうなイシメール!」
私の声に彼の表情は笑顔になる…そして、ニコニコしながらイシメールは口を開く。
「ア、アキニー様!いつ、時間ありますか?」
「えっ!?な、突然何の事だ?イシメール?」
私が、そう答えると彼はガッカリ項垂れる。
「そう落ち込むな?どんな話しか、よく覚えてないが今こうして時間はとれておるが?」
「いや…確かに今現在こうして話せてはいるのですが…僕はアキニー様とデートがしたいです!!!」
私は、その声に一瞬間が空いてしまったのだ。
すると…辺りにいた兵士達は、いつもの様に笑い出す。
「あーーーっ!はっはっはー!イシメール!これでアキニー様にデートを申し出たのは何度目だ??」
「確か今回は五度目か?先月は十回は誘っていたな!?」
兵士達は口々にそういい笑っている。
私はそれを止めると、イシメールに語りかける。
「えっと…だなイシメール?話を聞いては、くれるか?」
「はい。」
「イシメールの部族では確か…女性とは父親が連れてくるのであろう?」
「う…はい。」
「なんだその顔は…それは不服なのか!?というよりもこの国の医療にも携わるお前だ…私達国民もイシメールの力には、本当に凄く助けられてはいるが、それほどのお前なら嫁の貰い手くらい、いくらでも来るであろう?」
「僕は…そう、僕は自分で本当に好きになった人と恋愛というものをしてみたいんです!!」
イシメールの突然のその告白に、私も少々焦ってしまったのだが。
「うーん…それはやはりイシメールの父親もそれを認めてくれないだろう?」
確かにイシメールの父親は仮にも村を守る戦士長をしている。
そんな村の代表ともあろう父親は、村の部族のその風習を破るなど…簡単には許せぬだろうな。
すると、私達がそんな話をしていた時、突然兵士が足早に入ってくる!!
「アキニー様!!大変です!上空を飛ぶ謎の機体を発見しました!!」
「なにっ!?それはどこだ??」
「はっ!!遠くの上空に見えたので、間もなくこの城の上空を通過する模様です!!ご指示を!!!」
緊急の知らせが舞い込んだ。
そして私は準備をすると。
「アキニー様!!この僕も行きます!!」
「イシメール!?……わかった!共にこい!」
「はいっ!!!???」
こうして私は戦士イシメールを連れ、城の屋上へと向かう!!
そして…空見上げると。
そこには小型機くらいの謎の機体が通過しようとしていたのだ。
「あれは……何かの魔神なのか!?いや…魔神の力は僅かに感じるくらいだが………。」
すると、横には何かのマークが見える。
ゴゴゴという音を立て飛んでいく飛空挺。
「そうか!?これは飛空挺とかいう乗り物か!?だが一体。」
すると徐々に見えてきたのは。
噂話には聞いていた魔神兵器『ケンタウロス』
奴は確か…あのユーロのいたヨーロディアで暴れていたと聞いた。
(このまま…これを野放しにして…もしもの事を考えたら。どうする!?どうしたらいい??)
すると隣にいたイシメールはいつしか獣化していたのだ。
「えっ!?イシメール???」
「アキニー様を……困らせるな……化け物…。」
そして彼はその手に鋭い槍を構えていた。
助走をつけるように、そして手に持つ槍を投げる為に徐々に槍を後方へと、ひいていく。
そして。
ダンッとゴリラ獣人となったイシメールは走る!!
そして勢いをつけて槍を放ったのだ。
「はぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!?」
「コング!!!!クラッシュ!!!!!」
ゴォーーーーっという轟音立て、槍は軌道に乗り飛空挺へと向かっていく!!
そしてなんと!
見事、飛空挺のボディに突き刺さる!!!
そして降下していくその機体。
「ふぅ…撃ち落としたか…イシメールのランスは流石だな…しかし…あの方向は!!??」
「うわぁぁぁーーーーーーっ!?僕の村だーーーーーーー!!!!!」
◇
◇
◇
マサイアの戦士イシメールの槍はなんと!!
クロノ達の乗る飛空挺を攻撃したのだ!??
果たして乗っているクロノ達は???