アフリエイト世界編シーン1
サキノを救う為、新天地を目指すクロノ達。
果たして、何が待ち受けるのか!?
「よーし!これならいけるぜ!?」
俺は、大声をあげた。
俺達はエンポリオの操縦するマシン『機械魔神ケンタウロス改め…機動魔神イヴレーア』でアフリエイト、ケニージアへと向かう!!
そして…このイヴレーアとはエンポリオの苗字だ…そこから皆で名前を考え…こうなったのだ。
皆…超興奮しているけど俺は大人だ…ゆっくりと飛空艇気分を味わっていた。
すると、珍しく…その身体を小さくして雷武も飛空艇の窓から外を眺めていたんだ。
「あ!雷武!?そう言えば…ずっとお前の事、兄って慕ってた麒麟は連れてこなくて良かったのか?」
『おう!それなら話はついたのだ!』
◇
◇
◇
雷武の回想
『あにぃ!?せっかく会えたのにいっちまうのかぁ?』
『おう!俺は行く!まぁなんだ…俺達はまた出会えたんだ…それにお前なら、いつでも飛んでこれんだろ?』
『ううっ…ぐすっ……』
『馬鹿者!泣くのではない!』
『だってぇ…あにぃ……。』
『お前…アンナとかいう奴…気に入ったんだろ?』
『うぅ…そ…そうだけどぉ…。』
『お!そうだ!お前が仮に俺に着いてきてあのアンナとかいう女が誰かに殺られたらどうするんだ??』
『う!そ…それわぁ…』
『だろ?なら傍に居てやれ…人間のあの…何とかってやつで話くらいはいつでも出来るだろーが?』
そう言った雷武の話に、麒麟の表情は明るくなる。
『うん!離れても、あにぃと話す!』
『おお!いつでも声をかけてこい!話し相手になってやる!』
◇
◇
◇
『っとまぁ…こんな感じで別れてきたからな!』
「なるほどな…まあ…確かに俺がいる限り…俺達の動きも声も配信されてるからな!見る気になれはいつでも見れるしな!」
『そうだろそうだろ…!』
そして…話は変わり、改めて言うが…今現在も俺の配信は続いているようで…。
こうしてる今もライブ配信は続いていて今や皆それぞれリスナー達と話を共有していたのだ。
『カルマちゃん!エンポリオ君といい雰囲気だねぇ!どうなのよ?そこんとこ?』
「ええっ?どぉって言われても…ねぇ?」
「う…うん…そうだね…あはは……。」
カルマにはエンポリオとの仲の良さから女性リスナーにからかわれている。
すると向こうでは。
『リオちゃん!クロノとは、もう付き合ってるの?クロノはかなり鈍感だからね?』
「ええっ!?わ、私はクロノ様の…ファンで…。」
『えーっ!?そんな事ないんじゃない?前に配信で言ってたクロノの好きなタイプ、教えてあげよっか?』
『うわぁ!!是非是非聞きたいです!教えてください!』
『それはね……。』
『ふむふむ…それは……。』
『ポワンっ!ボヨンボヨン……よ。』
『ポワンっ!ボヨンボヨン?』
『そうそう!つまり胸とお尻が大きくて大人の女性って感じよ?』
『お、大人の女性…ですか。はぁ。』
リスナーと話してたリオは…自分の胸に触れガッカリ溜息をつく。
「アホか?リスナー!?勝手な事言ってんじゃねーよ!?」
『きゃー!クロノが怒ったーー!笑』
俺は溜息をつく。
「ふぅ…やれやれ…どうして女ってこう色恋話が好きなんだろうな…なぁ?サキノ?」
俺は安心しきったその空気に、つい…サキノに声をかけてしまう。
◇
「ああ…そっか…寝てるんだっけ…。」
俺は、すーすー眠るサキノの桃色の髪にそっと触れる。
「サキノ…待ってろ…必ず眠り姫になったお前を……俺が起こしてみせるから。」
俺は再びサキノに誓ったのだった。
◇
◇
◇
ところ変わり…ここは獣人国家アフリエイト…そして首都であるケニージア。
実は、この国の人口のほとんどが獣人である。そして人口もそこそこではあるが、ここは緑豊かな大地…動植物も揃い踏みである。
ここはそんなケニージアの国を取り仕切る女王『アキニー』の住む城『ケニージア』城。
ここの女王アキニーはなんと、この地では類まれなる絶世の美女である。
そんな彼女は美しさもあるが優しく…国民の立場に立って物事を親身に聞き、そして…それを政治へと繋げている…彼女は文武両道で、強さも兼ね備えている素晴らしい女王なのだ。
彼女は、その人柄から人々の圧倒的な推薦で若くして、この王の座に着く事になった女性なのだ。
そんなアキニーの元へ誰かが訪ねてくる。
「女王様!!」
「どうした?騒がしい…。」
「ええ…それが…魔導協会からの使者が見えておりますが。」
「なにっ!?魔導協会だと?」
「はいっ!是非とも女王様にお目通りしたいとの話ですが。」
「通すが良い。」
(今頃になり…魔導協会だと…ヤシュア様からの伝令と…そしてユーロも天へ召されたと聞いたが…。)
すると、一人の男が謁見の間へと通される…。
コツコツと女王の元へと歩いてくるこの男。
魔王軍も派手な動きはまだしていない。
あのヨーロディアを襲ったのは魔王軍の息のかかった組織だったはず。
この男の招待もまだ分からぬ…魔王軍の関係ではないとは思うが、果たして。
女王アキニーは唇を噛む。
まずはこの男の情報を得ようではないか。
すると男はアキニーの玉座の前に辿り着くと膝まづく。
「女王…アキニー様…僕はこの国…アフリエイト魔導協会本部よりこのケニージアへの伝令できたのだ。」
「なんと…魔導協会…では…それはどんな話か…聞かせてもらえるか?」
「はい…。」
彼の話はこうだ…魔導協会としては元々…魔族からなる魔神を従える者等…世を破壊する存在である…よって存在すら……言語道断だと。
つまりマジェストを批判する魔導協会は、我々がマジェストだった場合…その動きを許さない…そう告げにきたという事である。
そして女王アキニーもまた…その三大魔神を従えているという噂を耳にした…と。
よって…近いうちにアフリエイト魔道協会本部より報せがくると。。
彼は一通り話すと立ち上がる。
「では…女王アキニー様…僕はこれにて…。」
「ああ…わざわざ御足労いたした…。」
「いえ…あ!まぁ…今のうちに逃げる事も…ありかもしれませんけどねぇ…。」
「………………………。」
「僕は動物も好きでしてね…ここは獣人国家…ここに来るまで沢山の可愛らしい獣人達に出会いましたよ。」
「何が……言いたい??」
「いえ…なんでも……では。」
男は一度お辞儀をすると…立ち去ったのだ。
アキニーは男のその眼に…恐怖を感じたのだ。
そして、この時…一抹の不安を感じたのだった。
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました!
アフリエイトのケニージア。
この地を統治するアキニーの元へやってきた男は何とマジェスト協会を敵対する魔導協会。
果たしてどうなって行くのか!?