ライブ配信シーン20
クロノ達の前に立ち塞がる凶悪な敵!
一体どうなる!?
クロノ達はトルネルの屋敷の玄関前に何とか辿り着く。
すると玄関にはもはや誰の姿もなかったのだ。
「ん?庭にいたヤツらが全部だったのか?」
「どうかな?サキノちゃん?大丈夫?」
コクリと頷くサキノ。
「クロノもカルマもお友達いるみたい…。」
サキノはそう言うと自分のポケットから何かを取り出す。
それは一本の筆だった。
「ん?これは…。」
「もしかして…魔神具??」
俺もカルマもこれには驚いてしまった。
すると急に玄関の扉が開く!!
「離れろ!!」
俺達は一旦玄関より跳び、離れて着地する。
「くっ!?来たか!?」
「トルネルなの…かな?」
すると玄関から出てきたのは金持ちと言わんばかりの肥えた男とその後ろから凶悪そうな一人の男が姿を現したのだ。
「ほほぉ…虫が三匹侵入したようだが…どうだ?三匹とも殺れるか?」
「ああ…当然だ…俺は人を殺す事に快感を覚える快楽主義者…ブルーノ様だぜ!」
声の主はトルネルであろう男と護衛なのか…傭兵であろうブルーノという男。
だけど俺達はマジェストでもある!
魔神を従える以上犯罪者だろうがそう易々と負ける事はないのだ。
するとトルネルの前に出てくるブルーノ。
「では…任せたぞブルーノ!」
「ははっ!おまかせを!」
そして屋敷の中に消えていくトルネル。
すると残ったブルーノが声をあげる。
「お前達が何の酔狂でこの場所まできたのかは知らねぇが…どうせ死ぬかトルネル様の奴隷として生き地獄を味わうかどちらかだ…。」
「そんな事させないわ!!貴方が最近この街周辺で犯罪者として名前が上がっていた凶悪犯罪者ブルーノね…。」
「ほぉ?そこのお嬢さんはどうやら俺様の事を多少知ってたらしいな…。」
「そうね…犯罪者ブルーノ…これまでの犯罪の種類…強盗殺人…そして数々の女性を鬼畜の様に扱ってきた所業はあまりにも有名ね。」
「そこまで知ってるなら話は早い…その坊やをとっとと帰してお前と小娘だけはここで可愛がって貰うがいい…。」
「ふざけないで!!私達は貴方を倒してそこの馬鹿な金持ちの楽しみを潰す予定なの。」
カルマの話にニヤリと笑みを浮かべるブルーノ…すると一本のナイフを取り出したのだ。
「ナイフ?」
「俺様のナイフはな…これまでも沢山の人間の血を吸ってきたナイフ…名付けるならば『殺戮のナイフ』だがそれだけじゃねぇ…いでよ!魔神!!」
ブルーノがナイフを頭上に掲げるとナイフから黒い影がズブズブと湧き出てくる。
そして影はその姿を現していく。
すると影から形どられたその姿は犯罪者ブルーノと瓜二つの姿だったのだ。
「ドッペルゲンガーか!?」
俺は頭に浮かんできた言葉を口にするとカルマは口を開く。
「ドッペルゲンガー?」
「ああ…きっとナイフに宿る魔神なんだろうけどな…実体を持たない魔神なんだろうな。」
「ほぉ…よく分かったな…そうだ…俺の魔神は姿を持たぬ種の魔神だ…その名は『キラーステルス』……お前達を血祭りに上げる魔神の名前だ!!」
ブルーノは大声を上げナイフを投げつけてくる!!
ナイフは高速で飛び、こちらに向かってくる!!
そして一直線に俺に向かってくるナイフ!
「それだけなら簡単にかわせるぜ!」
俺が身をよじりナイフをかわす。
すると軌道修正してナイフは俺に向かってくる!!
「なにっ!!??うわっ!!」
何とか俺は脇に飛びナイフを交わす!
そしてナイフを見ていると……。
更に空中でナイフは軌道を変えこちらに向かい飛んでくる!!
「こいつは!!??」
俺は更に飛びかわすとナイフも空中で停止する。
その光景をよく見ているとキラーステルスがナイフを操り刃の方向を変えている!!
そして、次の瞬間…ナイフの本数が増えていきキラーステルスは多数のナイフを俺に放つ!!
ズババババッッ!!!
「なにっ!!くそおおおっ!!!」
俺はナイフを躱す事でいっぱいだった。
◇
◇
◇
俺がブルーノとの戦闘中カルマとサキノは俺の戦いを見ていたのだが…。
カルマ視点。
「サキノちゃん…ブルーノをクロノが抑えてるうちに私達は村の人達を救いに行きましょ!」
「えっ?でも…お兄ちゃんが…。」
「クロノなら大丈夫よ…強いから。」
「う…うん……。」
私のその声に頷くサキノちゃん。
クロノと戦ってるあの男以外にきっとここにはマジェストはいないと思う。
私はそう確信しサキノちゃんを連れ屋敷の中へと入っていく。
◇
◇
◇
中に入ると大きなホールがあり…まるでそこはさながらパーティー会場程の広さがあった。
辺りを見回すとそこには誰もいなかった…のだが私達はホールを進むと上から私達に向け誰かの声が聞こえる。
それはあの忌々しいトルネルの声だったの。
「フフ…あーっはっはっはー!!お前達二人は我が屋敷のメイドにでもしてほしくて二人だけで中に入っきたのかあ?」
「ふざけないで!村の人達はどこ?」
「はぁ?何の事を言ってるのか俺様にはさっぱり分からないがね。」
「とぼけないで!」
「とぼける?何の事か全く分からないぞ!」
不敵に笑うトルネルに私にも我慢の限界がくる。
「しかしお前達二人は幸運だのぉ…一人はとびきり美しい美貌の持ち主…そしてそこのお前は…我が屋敷から逃亡を計った獣人…だな。」
トルネルはそう言うと壁にあった何かのスイッチを入れる。
ウイイイーーーーーン、ガシャガシャ…ズガン。
すると…どこからともなく何かが動く音が聞こえてくきたのです。
「何??なんなの!?」
「フフ…楽しみにしておれ。」
◇
◇
◇
トルネルの押したボタンでどんな事が起こるのか!?
そしてクロノVSブルーノの戦いは!?
お読み下さりありがとうございました!