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ライブ配信!異世界転移!?  作者: 黒羽冥
第三章ヨーロディア世界編
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ヨーロディア世界編シーン87

遂にフィガーロは消え去り、ヨーロディアの大地は。

そしてユーロは。

俺は、フィガーロの身体を…一刀両断していた。

血しぶきを上げ、そして…フィガーロの断末魔の声は…奴自身と……魔神ドラキュラの身体をを斬った事を意味していたんだ。

斬られた事により身体の維持ができす…更に燃え上がる事で存在自体が困難になる、フィガーロと魔神ドラキュラ。

やがて…灰となり…サラサラと消えていったんだ。

「くっ!!??」

「クロノ様っ!!??」


俺の元にフラフラと駆け寄ってきたのは、リオだ。

俺を、抱き抱えるリオ…彼女の目からは涙が零れる。


「皆…無事か。」

「はい!皆…なんとか……大丈夫です!」


すると、マリアはフラフラと立ち上がる。


「皆…フィガーロは…勇者クロノが倒してくれました…ですが…傷の深い皆を本来なら治療できたハズの私…なのに…ごめんなさい…私に今…魔神が…。」


俺はその時、ふと…頭に思い浮かんだのだ。


(あの時…確か魔神は声をかけてくれてた…よな。)


「マリア…もう一度折れた剣の柄を手にしてみてくれないか?」

「えっ!?わ…分かりました!!」


そう言うと、マリアは折れ残った剣の柄を握る。


すると。


スーッとマリアの頭上から光が差し込んでくる…そして、そこから舞い降りてきたのは。


「セ…セイレス…ペガサス……。」


まるで、天使が舞い降りてきたかのように…マリアの魔神は降りてきたんだ。

すると…マリアはセイレスペガサスの顔を撫でる。


「ありがとう…本当にごめんね……。」


マリアのその一言に、セイレスペガサスは背中の翼を広げると。


翼をふるい飛び上がるセイレスペガサス!


『癒しのホーリーライト


ぱぁぁぁーーーーっと光出すセイレスペガサス…すると辺り一体に光は届く…やがて俺達の身体の傷を癒していったんだ。


そして。

「ぐっ!!?くうっっ!!」

「ユーロ様!!???」


俺達はユーロの元に集まっていた。

そして…未だ目を覚まさない妹サキノ。

ユーロのその力も…もう既に風前の灯火といった状態だったんだ。


「はぁ…はぁ…マリア…。」

「はい!ユーロ様!!?」


マリアのセイレスペガサスの力ですら…回復しないユーロの身体。


「よいか…マリアよ…これからはこの俺の代わりに…このヨーロディア…マジェスト本部を頼む。」

「ユーロ様!?そんな事仰らないでください!?」


すると…ユーロは俺に目を向ける。


「クロノ……よ…そして皆……このヨーロディアの為に…その血を流し…戦ってくれた事…本当にありがとう……。」

「ユーロ様っ!!??」


エンポリオは、その巨漢を震わせ…ユーロ様の元で只々…涙を流していた。


「エンポリオ…お前も…本当に強くなった…。」

「はい!僕…ちゃんと!マジェストになれました!」

「ああ…これからのエンポリオにも期待してるぞ。」

「はい!」


そこへ、立ち尽くしていた…アンナの姿。


「アンナも…我がマジェスト協会の為に…ずっとありがとう……。」

「………う………ううっ………はい。」


すると…サキノに目を向けていた、俺とリオ…そしてカルマに声をかけてくるユーロ。


「その娘…フィガーロも言っていたが…聖獣と呼んでいたな…。」

「ああ…でも…傷は回復してるけど…目を…覚まさないんだ…。」


そう言った俺は…腹の底から…悔しく上手く話せていなかった。


「も…もしかしたら…我が同胞…最後の古代魔神『フェニックス』を従える獣人…『アキニー』の元へ行けば…目を覚まさせる何かが…分かるかも知れぬ…アフリエイト…ケニージアを…訪ねるといい…きっと力になってくれる。」

「そう…か……ありがとな!おっさん!」

「ああ…俺こそ…このヨーロディアを救ってくれた事…ありがとう…だが。」


そう言うと…起き上がろうとするユーロ。


「ユーロ様!!???」


よろけるユーロを支えるマリア。

するとユーロは…それを拒む。


「マリア…この地…ヨーロディアは俺が最も愛した国だ…俺は、この地の為に…最後に…何かを残す。」


ユーロは立ち上がると…天を見つめる。

そこには、俺達の乗ってきた機械魔神の残骸が突っ込んだ大穴が空き…天高く青い空が見えていた。


「いつの間にか…魔神の姿も消え…青い空が見えてるの。」

「ユーロ様??」

「あの大空を見ていると…癒しだ…俺はこのヨーロディアが好きなのだ…やはり俺はこの地の民の為に…最後に。」


ユーロは…そう呟く。

震えていたユーロの身体は次第に震えが止まっていた。

すると…すーーーっと両手を広げ上げていく。

天へと…その思いを願うかのように。

すーーーっとユーロの頭上に姿を現す魔神タイガ。

透き通る姿の彼女。

その時…魔神タイガは俺に微笑んだかの様に見えた。


そして。


「魔神タイガよ……今こそ…この俺の残りの生命を使い…このヨーロディア全域の『病』を消す力となってくれ!!!」

「えっ!!??ユーロ様っ!!??」

「「ユーロ様!!??」」

「おっさん!?…いや!ユーロ!!!???」


すると…すーっとユーロの身体も次第に透けていく。

やがて、ユーロとタイガの透き通った身体は重なっていく。


「俺の生命で…この地の民の苦しみが…癒えるのならば…この生命に意味が…ある。」

そして。

「ヨーロディア…に『平和』を。」


キラキラと消えていくユーロと魔神タイガ。

そして二人は…その力をヨーロディア全域に降らせていき……消えていったんだ。


まるで…病を消し去っていく…かのように。


「「ユーロ様ーーーーーーーーー!!??」」

光と共に消えたユーロと魔神タイガ。

お読みくださりありがとうございました!


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― 新着の感想 ―
[良い点] ボッコボコにされていたので、ユーロ様は生きていただけでもすごいですよね。最初に登場したときから瀕死状態で。そこから何話ご存命だったかと思うと、とても面白いです。自分だったら敵に回すのは怖い…
[一言] ユーロ…お疲れ様でした…。 サキノちゃんは目を覚まさないんですね…。 結構心配です…。
2024/03/05 01:03 退会済み
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