ヨーロディア世界編シーン83
ヒロイン達の連携技が決まる!!
そしてフィガーロは!?
皆の連携技でフィガーロに攻撃を加える。
そして。
フィガーロは、サキノのカラーウルフの技により顔を燃やされ、その身をヨタヨタとふらつかせる。
そして…その手からはカルマとアンナの身体は解放される。
顔を焼かれ続け…悶えるフィガーロ。
「な…何だこの炎は!!??消えん!!??」
フィガーロの顔を燃やしているその炎とは。
「凄いぞ!?サキノ!?」
「うん!お兄ちゃん!サキノやったよ!」
「しかし凄いなあの炎!まだ消えてねーぞ!?」
「あれは…カラーウルフと仲良くなって使えた燃やすまで消えない炎なんだぁ!」
「そっか!強くなったな…サキノ!」
「うんっ!お兄ちゃん!ありがと。」
「あっ!?クロノ君!?あれみて!!」
その時…エンポリオが叫ぶ…そこには。
顔からはプスプスと炎が消え…煙を上げたフィガーロ。
フィガーロの顔面の表面は剥がれ落ち…それはとても醜い醜悪な顔へと変わっていた。
それは奴が顔面の皮を剥いだ事によるもの。
そう…消えない炎への抵抗だったのだ。
そしてフィガーロはぷるぷると震えていたのだ。
「おい…貴様!!それは……なんだぁ??」
「は?何言ってんだ??」
「その娘は、なんだと聞いてるんだ!!??」
「なんだ…だって?サキノはサキノだ!?」
すると…フィガーロの声に反応しサキノの耳はピクピクと動く。
「その耳…娘…しかも…聖獣の血か。」
「聖獣?なんだそりゃ??」
「フン!貴様らが知る話ではない…まあいい…どの道ここで貴様を全滅させる事には変わりは無い。」
俺の問いにそう返すフィガーロは構えると。
魔神ドラキュラは、さぁーっとフィガーロの前に姿を現す。
ロボット化してるのに……そのスムーズな動きは、まるで人と変わらない…そして本格的に魔神の攻撃で俺達に襲いかかろうとしている事を思わせる行動だった。
「本来ならもっといたぶって心まで弱らせてから殺そうと思ってたのだがな…貴様ら全員…もう…死ね。」
魔神ドラキュラは動く!!
そして…その動きは意外にも素早すぎた。
瞬時にエンポリオの腹をエグるように殴ると彼の身体はくの字に曲がる。
「うぐっ!!??がはっ!!」
「エンポリオ!?」
エンポリオの身体は吹き飛びドガーーーッと壁へと衝突する!
「まだまだ!貴様もだ!!」
そう聞こえた、次の瞬間…俺の後頭部に衝撃が走る!!
倒れていく俺の目にはドラキュラの身体が霞んで見える。
身体に衝撃を受け俺の身体は地に沈む。
そして瞬時に奴はカルマとアンナの前に姿を現すと二人は攻撃を繰り出す。
「よくも二人を!!!」
「私達が相手よ!!!」
カルマとアンナはそう叫び構える。
すると。
「ううぅっ!!」
「がはっ!!」
突然二人は吐血し…倒れていく。
「ええっ!!??何がおこった……の」
「どうした??」
リオがそう呟いた瞬間。
「くっぐうぅっ!!くはっ!!」
彼女も突然胃から込み上げてくる何かによって口を塞ぐ。
すると…抑えた手の隙間から…赤い血が滴り落ちる…そしてリオの身体も…倒れていったんだ。
「ぐっ…リオ……リオ………。」
「皆!!??皆ーーーーーーっ!!??」
そして俺の声に続き…マリアの叫び声がこの空間に響いたんだ。
「ふぅーーっ、ふぅーーっ…。」
すると…フィガーロが姿を露わにしサキノの前に立ちはだかる。
「小娘…これで残すはお前だけになったなぁ。」
「ううぅ……。」
「この僕の能力は『血』だ…どんな生物にも等しく流れる生命を司る血液…僕はそれを自由自在に操る事ができる…それは僕がその血をこの体内に取り込む事で可能になるのだよ。」
サキノにそう話をするフィガーロは更に言葉を続ける。
「ここにいる全員がこの僕と戦い…多少ならずとも、この僕は貴様らに気付かれる事なくその血をこの体内に取り込む事が出来たのでなぁ…僕はそれによりその者の体内にいつでも魔神を送り込ませる事が可能だ…それで体内からそいつを破壊できる……これでこの僕の敵はここにはいなくなった…そういう事だ。」
するとサキノは震えながら言葉を放った。
「そんなの嘘!!私がもう一回貴方を燃やすから!!燃やされたくなかったら皆を解放して!!!」
「ほぉ??なんだ…それは…この僕に対する脅しかい?」
サキノの身体は震えている。
こんな凶悪な能力と恐ろしい程の相手を目の前にしているのだ。
加えて仲間達も倒れている。
こんな状況はサキノにとっては恐怖でしかないのだ。
そして…俺は震える足にカツを入れて立ち上がろうとする。
「ぐっ!?くっ!サキ…ノ…。」
「お兄ちゃん!!??」
「はぁはぁ…サキノ…ま、待ってろよ。」
「お兄ちゃん!?」
「んん?なんだ?死に損ないか??」
俺はプルプルと震える足を抑え…なんとか立ち上がろうとする。
「ほぉ?立ち上がった…か。」
俺は何とか立ち上がりフィガーロを眼前に構える。
「お兄…ちゃん……。」
その時…サキノが俺の名を呼んだ瞬間。
俺の目には…悪魔が映ったんだ。
思わず目を見開く俺は……。
その瞬間…サキノの叫び声を聴いたんだ。
「いやあああーーーーーーーーーーっ!!?」
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました!