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ライブ配信!異世界転移!?  作者: 黒羽冥
第三章ヨーロディア世界編
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ヨーロディア世界編シーン66

サキノを人質にとる敵相手にクロノは。

俺はロッジを倒した。


そして、俺の力に何かを感じたのだろう…この男キグナスは大切な妹…サキノの身体を捕らえたんだ。


「サキノーーーーーーーーーーーっ!!??」


俺は叫ぶ。


「お兄ちゃん!!!!????」

「くっ!?」


あっという間の出来事に…俺もアンナも…手が出せなかったのだ。

しかも、サキノを捕らえたキグナスは、同時に彼女の大切な魔神具をも奪っている。


「ククク…これがなければ…手も足も出まい…そして…これを咥えておけ!」

「うーーーっ!?カラーウルフ…」


いつしかサキノの口にも、何かを噛まされ声を出す事もできなくなってしまったサキノ。


「ううっ!!んんんーーーーっ!!」

「テメェ………。」


俺は静かに立ち上がる。


「クックック…これでお前達は、また何も出来ないぜぇ。」

「お前……そんな事は、この僕が許さない!!」


エンポリオも立ち上がり、その怒りを露わにして叫ぶ。

するとキグナスは更に続ける。


「くくく………我々は、実はお前達と、あのゲルハルトの戦いを見ていてなぁ…。」

「なにっ!?」

「こうして人質をとれば、お前は木偶の坊になってたもんな…さぁ…どこまで持つのかなぁ…」

「な!!!」

「うぐっ!!??ああっ!!??」


ドシュッと音を立てると、放たれたのは奴の武器である矢だ!!

それはエンポリオの肩と左足に突き刺さる。


「エンポリオ!!!??」

「エンポリオ君!!?」


俺に続き…カルマの叫び声も聞こえる。

苦しむエンポリオの元に、カルマが走り出そうとすると。


「来ちゃダメだ…カルマさん!!」


そう叫ぶエンポリオ。

するとエンポリオは、フラフラと立ち上がる。


「はぁ…はぁ…僕は…皆のようにまだ…強くなれてない…僕は…これからだ。」


そしてエンポリオは魔神具『バトルメイス』を構える。

俺はエンポリオの肩に手をそえる。


「クロノ…君?」

「大丈夫なのか?身体?」

「もちろん!僕は奴らを絶対許さない。」

「ああ…やってやろうぜ…俺達で…奴を倒す。手を貸してくれ…エンポリオ。」

「クロノ君……うん!!」


そしてエンポリオは、痛みを堪えながら走りだす!!!

明らかに痛みがこちらまで伝わる程に、時折傷口から血が吹き出す。

それでも、必死に突進するエンポリオ。


「くっ…ああーーーーーーっ!!!??」

「馬鹿め!!自ら標的になりに来るとは!?」

「くっ…どうかな……フェローズ…僕の身体を『硬化こうか』させろーーーっ!!!」

『ラジャー!!エンポリオ!!』


するとガチガチっとエンポリオの身体が硬く鋼と化す!!!


「なにっ!!??貴様ーーーっ!!ならば…奴の方だ!!」


そう叫ぶと…構えるキグナス!!!

キグナスの矢は、再びエンポリオを狙う。


「クロノ君!!!??今だ!!!!」


すると…キグナスはニヤリと笑う。


「何をするかと思えば…くだらん!!ふん!」


俺は奴の、真横から回り込んでいた。

すると魔神の腕がボコボコっと突然生えてくる。


「はぁぁっ!はっはっは!!それがお前らの浅知恵か!!!くだらん!!二人揃って死ぬがいい。」


キグナスの両腕…いわゆる生やした魔神の腕にも弓矢が構えられる。


「クックック…マシーン化した事によりこの身体は自由自在だ!よって…はぁぁっ!!」


ボコボコっと更なる手を増やし更なる武器を増やすキグナス。


その時。


「お兄ちゃん達……!私…何回も足引っ張って…ごめんなさい…。」


囚われのサキノが何とか咥えてたものを吐き捨てると…涙を流しながら口にした言葉。


「私はだい…じょぶ……だから。」

「サキノ……。」


すると徐々に近づく俺に。

サキノは…にこりと微笑む。


「お兄……ちゃん………わたし。」

「グヘヘ……このあまぁ…余計な事をベラベラと。」


サキノの額にピタリと突きつけられた弓矢。


「お前………………。」


サキノは俺の目を見て…なにかを呟いた。


「だ……い……す………き」


妹…サキノの口は、そう動いたように見えた。


「サキノちゃん!!!??うぉぉぉー!!」


ドゴンっと、キグナスの身体にもヒットしただろうエンポリオの重量感のあるバトルメイスの攻撃。


「んぐっ!!くそっ!!邪魔な…ならば引き金ひいて、この娘だけでも殺して一矢報いてやるわーーーーーっ!!!!!」

「サキノ!!!!」

「お兄ちゃん!!!??」


サキノは…今……絶体絶命だ。


俺は…サキノを守れないのか!?


いや…サキノは、このヨーロディアまで、ずっと俺についてきてくれて…いつもちょっとだけ…生意気で…そして元気で…いつしか俺の中で大切な存在に、なっていたんだ…ここに来るまで、この事件がヨーロディア全域という広い場所で起こった事で、俺達は離れた…でもあの時サキノは俺が居なくても頑張っていた…サキノのピンチの時も俺は何も出来なくて悔しくて仕方なかった。


そんなサキノは…俺に心配かけないようにって大丈夫だって言ってくれた。


俺は。


俺は。


目の前にいるサキノを。


「サキノを…今度こそ……守るんだーーーーーーーーっ!!!!!」


ドクンッと…俺の中の何かが弾ける。

すると…俺の腕輪から突然放出される、恐ろしい程のエネルギー。

そして……それは俺の力を現す。

俺の目の前に現れる巨大なドラゴン。

チビドラゴンから成長したコイツは。


「魔神…雷武!!!双竜そうりゅう


俺が鞘を構えると…雷武は柄に吸い込まれていく。

そして、俺の刀の刀身は二又の刀へと変わる。

見るからに邪悪めいた俺の刀。

それは正に双頭の竜…そのものだった。


『武神流……「双竜そうりゅう乱怒竜らどる」。』


俺の身体は奴の身体を斬り裂く!!


「うおおおーーーーーーーっ!!!???」


その凄まじさは…正に乱斬りと言える程激しく。


そして…息もつかせぬその攻撃は止むと、俺の鞘に刀は収まる。


次の瞬間。


ガシャリ!!!ッという音がこの空間に響く。


そして…地面に転がった…キグナスの腕の全て。


「えっ!?クロノ君??」


エンポリオの声が聞こえる。


すると…ケンタウロスの腕から落ちてくるサキノの身体……。

俺は彼女の身体を受け止める。

俺達は見つめ合う…。

大切なサキノを俺は…この腕に。


「お兄………ちゃん。」

「サキノ…もう…大丈夫だ。」


サキノの目から…涙が溢れてくる。

そして…彼女は俺にしがみついてくる。

俺は、そっとサキノを……抱きしめた。

お読み下さりありがとうございました!





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― 新着の感想 ―
[良い点] そういえばエンポリオはシンプルに硬くなれたのですね。柔らかくもなれるし。物理的にはダメージを受けようもない存在だったかもしれませんね。でも、それをすると、キグナスさんがきっと怒るから最初は…
[一言] やはりサキノちゃんはクロノにとって特に大切な存在だったようですね。そんなサキノちゃんを、とりあえず取り戻せはしましたが…果たして元に戻れるのでしょうか…心配です…。
2024/02/13 00:23 退会済み
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