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ライブ配信!異世界転移!?  作者: 黒羽冥
第三章ヨーロディア世界編
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ヨーロディア世界編シーン65

弟ロッジの喪失により兄キグナスは。

俺はロッジを仕留めた。

それは奴の兄であるキグナスにとって、衝撃的な光景だったハズだ。


「ロッジ………………………………………。」


キグナスは、唖然として立ち尽くす。

人間の心理としては、確かにそうなるのかもしれない…弟であるロッジの喪失はこの男…キグナスの怒りを買うには十分だっただろう。

キグナス視点

弟ロッジが今…俺の目の前でタダの肉片へと、変わってしまった。

ロッジは年は俺の二つ下だ…だが幼少の頃から俺達は親に捨てられ…たった二人で生きてきたのだ。

故に…弟は常に俺の後をついてきた。

そして、この俺を慕っていたと思う。

一度は孤児院での生活をしていた俺達だったがある時…問題が発生する。

それは…昔から弟の手癖が悪い事は、どこかで薄々勘づいてはいた。

そして…その癖が遂に、この時…暴走したんだ。

それは同じ様に孤児院に住んでいた女の子を…犯したのだ。

女の子が泣いているのを…俺はその現場を目にしてしまった…施設内の大人が怒り弟を責め立てる。

激しい怒りを、向けられていた弟。

次第に大人達は俺にも、怒りの声を浴びせてくる。

そして俺が声をかけると。


「ロッジ大丈夫か?」

「クックック……兄貴もしたかったか?」


そう言うとロッジは、笑っていたんだ。

俺はその狂気の顔に恐ろしさを感じた…そしてコイツには逆らえない…俺は当然奴の兄だが…俺はいつしか、弟に恐れという感情を、抱いてしまっていたのだ。

「俺は…それから決めたんだ…弟を怒らせないようにと…だがそんな奴は…もう死んだ。」


ロッジはいつしかその目から、涙を流していたのだ。


「弟は頭が確かに悪くてな…だが、その代わり有り余るくらいの力と暴力的な戦闘センスは俺もかなわなかったのだ…そんな俺達は、この力と暴力でフィガーロ様から信頼と力を得ていたんだ!!!決して貴様らに等…負ける訳がないのだ……。」


兄キグナスはその手に魔神具を取り出す。


「我が魔神具『ケンタウロスアロー』」


するとキグナスは弓矢を真上に構える。


次の瞬間。


鋭い矢が、放たれる。

次第に矢から光が溢れだす。

そして光はキグナスの身体後方…降り落ちる。


そして。


ガシャーーーーンという激しい音ともに、巨大な何かがキグナスの真後ろに姿を現す。


それは…奴の魔神の姿…だったんだ。

俺たちの目の前に現れた、魔神ケンタウロス。

だがその姿は、やはりサイボーグ化した機械魔神ケンタウロス。

機械化した事により、以前登場した時よりも遥かにパワーアップした魔神ケンタウロスだった。

するとその姿を見ている俺に声をかけてきたのは、妹サキノだったんだ。


「お……おにい……ちゃん………。」

「お……サキノ……大丈夫か?…」

「うん…サキノ……あのね…やっぱり私…お兄ちゃんが好き。」

「サキノ??」

「だから…サキノがついてるから…がんばっ…て。」


するとサキノは、またその瞳を閉じ…眠ったのだ。


「サキノ……さんきゅ。」


俺はサキノの声を聞き…そして再び視線をキグナスへと向ける。


すると…それを見ていたキグナスは、口を開く。


「なんだぁ??お前達も…兄妹なのか?」

「ああ……あいつは大事な…俺のこの世界でたった一人の……大切な妹だ。」

「おにい…ちゃん……嬉しい。」


すると…俺の言葉に寝ていたサキノは、優しい寝顔でそう呟いた気がした。


「ぐっ!!!があああーーーーーーーっ!!」


突然の怒りの叫び声をあげた、キグナス。

狂いだし、発狂する奴の姿。


「貴様らも……兄妹……か………ならば。」


キグナスの魔神ケンタウロスは、ギリギリと音を立て…矢を引いていく。

ガチャリガチャリとマシーンの音も聞こえてくるのは、奴がマシーン化してる事により、聞こえてきている機械の可動音だ。


「この俺も…貴様に弟を消されちまったのでな……。」

「なにっ??」

「次はお前がこの気持ちを知れーーーっ!!」

『魔神ケンタウロス…ホースドライブ!!!!!』


ケンタウロスの放った弓矢!それは高速で空へと放たれる!!そして矢はいつしか分裂し数十本かの矢へと変わる。


「なにっ!!???矢が分裂した!!!」


エンポリオの叫び声が響き渡る。


そして…。


宙でそれは…俺達全員目掛けて、数え切れない程の矢の雨に変わる!!!


「はぁぁ…喰らえ!貴様ら全員矢に貫かれるがいいーーーーーーー!!!!!」


激しく降り注ぐ矢!!


その時、立ち上がるアンナの姿。


「麒麟ちゃん!お願い!!」


ボンっと飛び出した麒麟は、構える。


「風のいきーーーっ!!!ふぅーーーーっ!」


麒麟の風により次々と降り注ぐ矢は、失速し音を立て地面に転がっていく。


「やった!」

「凄いな麒麟。」


すると聞こえてきたのは…醜悪な奴の声だった。


「ぐへへへへ…………。」

「きゃーーーーーーーーっ!!??」


その時、俺達が目にしたのは……。

音もなく静かにキグナスの魔神…ケンタウロスに捉えられた俺の大切な妹………サキノの姿だったんだ。


「サキノーーーーーーーーーーーっ!!??」

お読み下さりありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 目には目を歯には歯を、ということですね。ミスターキグナスの思考は正しいですね。素晴らしい感性だと思います。か弱い女児を狙う悪役としての正統派ぶりにしびれました。今回もとても面白かったです。…
[一言] キグナス、ロッジのことをそれだけ愛していたのですね…一方で目の上のたんこぶだったようにも読めます。そんな人間を殺されてしまっては、気持ちの面でも怒りが先にきますよね…でも、サキノちゃんを…ど…
2024/02/11 18:16 退会済み
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