ヨーロディア世界編シーン58
4人は苦境に立たされつつも頑張っていたのだが。
二人の前に庇うようにして立つサキノ…果たしてどうなる!??
◇
私はレオン君とソフィアちゃんを庇うように立っていたの。
目の前の敵は一度遭遇した事のあるディーノ兄弟の弟ロッジ。そしてロッジの魔神…『ミノタウロス』…だがそのボディは以前の風貌とは違い、なんとその身体は、機械…化していたの。
ギシギシと音を立て…二人に迫っていた魔神。
そして私は、その間に割って入り…手を広げて立ち尽くす…二人を守る為に。
「お姉……ちゃん………。」
「な…なに…何やってんだよ!お前!!!」
レオン君は、強気な声をかけてきたけど…その言葉は私に逃げろって言ってるよう聞こえる。
「だ…だいじょぶだよ…わたし……強いんだから!!!」
そう言っては見たものの…手足も震えていた。
すると…フッと力が抜けフラつき片膝をつく私。
これはやっぱり…さっきの戦いの影響かな。力が入らない…かも。
「サキノちゃん!!??」
「サキノ!!???」
私に届くアンナお姉ちゃんとレオン君の声。
するとロッジは苦々しく笑い出す。
「あーあ〜〜〜…これはつまらねぇなぁ……こんな弱々しいガキが相手なんて…やった所で自慢にも何にもならんだろー??」
「くっ!私達だってあの二人の兄弟と戦って倒してきたんだもん…きっと…何とかなる…と思う。」
私がそう言い返すとロッジはニヤリと笑う。
「ほぉ~もしかしてそいつらは犬兄弟の事か??」
「えっ!!?どうしてその事。」
「あー!兄貴!あの犬兄弟ってやつら覚えてっかー??」
すると…兄キグナスは口を開く。
「あー!あの兄弟か…犬兄弟…まあアイツらは俺達のように本当の兄弟ではないけどな…でもそんな『弱っちぃ』奴ら…確かにいたっけな。」
「えっ?…よわっ……ちぃ??」
「弱いって…あいつらが……?」
アンナお姉ちゃんも声を上げたのには理由がある。
私もお姉ちゃんもあのケルバーノとオルジョルノ二人の犬兄弟っていう暴漢と戦ってきたの。
私達はボロボロになりながらも必死に戦って倒したのに……。
そんな二人を相手が弱っちぃだなんて。
そう考えると恐ろしさからなのか…私の足からもふっと力が抜けていく感覚に襲われる。
「あっ……」
「サキノちゃん。」
すると…ふらつく私をアンナお姉ちゃんが支えてくれたの。
「くくく…そんなボロボロの身体で何か出来るっていうんだ??」
ロッジはそう言いながら再び凶刃を手に取る。
「アイツら…犬兄弟…そーいやアイツら自分達で『暴犬』なんて名前つけてたけど…俺達からしてみればキャンキャン吠えるだけの弱い…『タダの犬っころ二匹』って所だけどな。」
「くっ…そんなデタラメな話……。」
アンナお姉ちゃんは、そう呟くと私を抱きしめながら震えていたの。
「クックック…ああ…アイツら二人は…俺達のタダの兵隊だぜぇ…」
「なんて……事。」
すると…そこへ来てくれたのは…カルマお姉ちゃんとエンポリオさんだったの。
「アンナさん!大丈夫!今は…私達もいるんです!!!」
「そうだよ…サキノさん!!僕達だって…」
カルマお姉ちゃんとエンポリオさんは私を守るように立っていてくれたの。
そう…私達には仲間がいるの!!
私達四人は敵の前に立ちはだかる。
するとロッジは更にニヤつく。
「へぇ………そいつは…是非…絶望を見てもらわないとなぁーーーーー!!!」
ロッジは大斧を振り上げる。
「出てこい!!!ミノタウロスマシーン!!」
ガゴゴゴっ!!と機械音を立て再度現れた機械魔神ミノタウロス。
ヤツは機械化し鉄の鎧を身にまとい巨大な機械化した大斧を構える。
そして、その大斧は私達に向け振り下ろされる。
「ウォォォーーーーーーっ!!!!!」
エンポリオさんが吠える。
振り上げた大斧に対抗する為…彼の手に握られている巨大なメイス。
「バトルメイス!!!!!!!!」
ガキィィィーーーーーーーンっと大斧をバトルメイスで受け止めるエンポリオさん。
その衝撃は恐ろしく大きく風圧で私達の髪は靡く。
「サキノちゃん!!今は皆いるんだ!!君はもう…一人じゃないから!!!!!」
「エンポリオさん!!!」
エンポリオさんの力強い言葉で私の身体の震えも徐々に和らいで来たのを感じる。
そしていつしか私達の前に立っていたカルマお姉ちゃん。
お姉ちゃんはこちらに振り返るとニコりと微笑む。
「サキノちゃん…私達…皆で戦えば…きっと勝てるわ!!」
「お姉ちゃん……うん。」
カルマお姉ちゃんはペンを取り出す。
「フェリス…お願い。」
『にゃっはーーー!カルマ!いくよ!』
フェリスが飛び出すと光だし…そしてカルマお姉ちゃんはその手にレイピアを握る。
『フェリスinレイピア……さぁ…いくわ!!』
カルマお姉ちゃんは飛び出す。
その相手は大斧を振るい暴れるミノタウロスマシーン!!
私も二人の戦いに勇気がわいてくる。
すると…声をかけてきたレオン君とソフィアちゃん。
「大丈夫……なの?」
「……………………………。」
二人のその目は怯えている。
私はニコりと笑顔を向ける。
「大丈夫!任せて!!」
◇
◇
◇
四人のマジェストは強敵ディーノ兄弟に果たして勝てるのか!?
お読み下さりありがとうございました!