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ライブ配信!異世界転移!?  作者: 黒羽冥
第三章ヨーロディア世界編
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ヨーロディア世界編シーン56

ゾンビ達を倒したエンポリオ達。

そしてそこへきたのは!?

エンポリオ君の超攻撃で、破壊され尽くしたゲルハルトのゾンビの肉体は、ドロドロと溶け…そして光に浄化され…消えていったの。


「うぎゃぁぁぁぁああああーーーーー!??」


ゲルハルトのゾンビ体…それは武器による攻撃ではダメージすら与えられない…。

ゾンビに効く唯一の手段と言えば。


そう…そんなヤツの最大の弱点である『聖なる力』によりゲルハルトはその身体を灰へと変えられていったの。


「やっ…………た。」

「エンポリオ君!!???」


私は彼の元へと駆け寄ると、エンポリオ君の身体に目がいってしまう……。

その身体に深く傷つき出血している箇所。

どれだけの苦痛に耐えたのかな…想像するだけで、私の目からは自然に涙が溢れてくる。


「エン…ポリオ…君…本当に…無事で…良かった…。」

「あ…ありが…とう…カルマ…さん…。」


彼の我慢気な表情からはどう見ても重症に見える。

すると…後ろから私の名を呼ぶ声が聞こえる。


「カルマお姉ちゃん…!!」

「サキノちゃん!!?」

「うふふ…サキノちゃんも無事だったし…カルマさんもそして…エンポリオも…よかった。」


ニコりと笑顔を見せるアンナさん。


「ありがとう。」


私がそう返すと可愛く元気な声が聞こえる。


「パパーッ!ママーッ!」

「ソフィアちゃん。」


私達に寄り添ってくる彼女の姿。

そして彼女を抱きしめる私達。

するとエンポリオ君も口を開く。


「ソフィアちゃん…そして……レオン君!」


レオン君はソフィアちゃんの後ろに立ち…背を向けている…だがその背中は細かく震え、何か言いたげにしているように見える。

すると声をかけたのは…ソフィアちゃんだ。


「レオン…お兄ちゃん?」

「お、おう…ソフィア…無事でよかったな…えっと…アンナさん、サキノ、カルマさんに…エンポリオさん…僕達の家…守ってくれてありがとう。」


レオン君はその目に涙を浮かべ…堪えながら言ってくれたんだ。

彼らの家である孤児院は『ハンナ』さんにずっと支えられていた。

この未だ戦地の様な街では大人でも生きていくには厳しすぎる所。

そして身寄りのない子達の為に孤児院をやってくれていた『ハンナ』さんに心からの感謝を。

だけど。


この地は、まだ戦地のままだ。

私達は、この先にも進まなければならないのに…この時、私達は既にボロボロになりすぎてしまっていたの。


「こんな時に…ここまで来たって言うのに……。」


私は唇を噛み締める。

すると…アンナさんはその口を開く。


「皆さん…私も含め先の戦いで私達は…今苦境に立たされています。」

「アンナさん…うん…確かにそうね………。」

「そこで私からの提案なのですが…一度本部に戻り怪我の手当てをしてから再度…ここへ赴くというのはどうでしょう………?」

「えっ!?それは。」


私もその考えはなかった訳ではなかった。

すると…エンポリオ君が口を開く。


「確かに…僕達は……ここに来るまで怪我を負いすぎたかもしれない…そして今ここには…この子達もいる…今はその選択もありかもしれませんね。」

「エンポリオ…君。」


私は二人を見やる。

レオン君もそしてソフィアちゃんもこのまま私達の戦いに巻き込んではいけない事も分かる。

しかもここから先の敵はやっと倒したゲルハルトよりも…もっと危険なのかもしれない。 そう考えると一度撤退する選択肢もありだとは思う。

だけど…この国に来て私達が目にしてきた光景は…何者かによってもたらされた『病』という災厄。

この病の元凶を探し出す事…そしてそれに仇なす存在からこの地を守らなければならない。

私達はその為にここへ来ているの。

私は考える…もし…ここにクロノがいたらどう考えるんだろう。


すると。


「カルマさん…。」

「エンポリオ……君?」

「カルマさん…アンナさん…サキノちゃん…ここからは二人を連れて…一度…本部に行ってくれないかな??」

「えっ!!?」

「エンポリオ??」

「エンポリオお兄ちゃん??」


私達は彼の名を呼んでいたの。

するとそこには笑顔の彼が立ち尽くしていたの。


「大丈夫!僕はタフだからさ!一先ず皆には休んでいてほしい。」

「ダメ!ダメよそんなの!!」

「そうよ!エンポリオ!何を考えてるの?」


私に続きアンナさんも反論する。


「大丈夫…僕はその為に、ここに居るん…えっ!!??」


そう言うと彼は突然叫んだの!!!


「くっ!遅かった!!!皆!!伏せろ!!!」


ドーーーーーーーーーーンっと私達の後方から爆風が舞ってくる。

私達がそちらを振り返ると。

爆風から…凄まじいエネルギーを秘めた何かがこちらにゆっくりと歩いてくる。


そして次第に爆風は止んでいく。


するとそこから姿を現したのは。


「クックック…………久しぶりに会ったなぁ。」

「本当にな…あにきぃ……じゅるっ。」


その禍々しい闘気は、かつて私達がマジェスト本部で見た二人の男達……『ディーノ兄弟』の姿だったの。


「あれは…………。」

「「ディーノ……兄弟!!???」」

私達の前にまた現れたディーノ兄弟の姿。

どうなってしまうのか??






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― 新着の感想 ―
[良い点] ゲルハルトさんは残念でした。とても強力で素敵な敵役でした。ただ『聖なる力』というパワーワードにとろけてしまったゲルハルトさんのやられっぷりがあっさりしていたのもまた、とても良かったです。し…
[一言] こんな時にディーノ兄弟…!あまりにタイミングが残酷すぎます…!こんな傷ついた状態じゃ、誰かが覚醒しない限りたぶん負けてしまいそうで…本当に心配です…。
2024/02/02 11:47 退会済み
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