ヨーロディア世界編シーン48
4人の前に起きた異変とは!?
カルマ視点。
私達四人はこの地『ドイツェルン』で合流できたの。
◇
「さぁ…じゃあ…最後の祈りを。」
エンポリオ君は全ての遺体を並べるとそこに布をかける。
そして…エンポリオ君は…祈りを捧げる。
それに合わせ私達も祈りを捧げる。
レオン君…そしてようやくここで…ソフィアちゃんにも一緒に暮らしてきたお友達…そして母親代わりの『ハンナ』さんも亡くなった事を伝えたの。
呆然と皆の姿を見て目に涙を浮かべる二人。
そんな二人を見ていると…とても簡単な言葉をかけれずにいた私。
身体を震わせる二人の小さな肩。
すると…エンポリオ君はそんな二人を後ろから抱きしめる。
「さぁ…これからはレオンもソフィアも僕達と一緒にいこう…いいね?」
二人は振り返るとその目には大粒の涙が。
そして二人は…涙が枯れるまで……泣いた。
◇
◇
◇
「でも…このまま二人を連れていくのも危ないわね…。」
「うん…私達はここでまだやる事があるし。
アンナさんとサキノちゃんはそう話していた。
「そうね…ここに来て更に強い敵が現れてしまったら…二人をこのまま連れていくのは…危険よね。」
するとエンポリオ君は誰かと通信をしていた。
「ん!?エンポリオ君??」
私が気がつくと彼は通信を続けていたのだがそれを終える。
「あ!ごめんね!皆…ここへきて更に通信障害で皆の通信も途絶えてたと思うんだけど…僕は小型のスマホを作っていたからちょっと直して今マリア様と話せたんだ。」
「そうだったの??」
「さすがエンポリオ…その能力は相変わらずだわ。」
私に続きアンナさんも彼の能力を認めているみたい。
「それほどでもないよ…あ!そんな話ではなく、アンナさんとサキノちゃんにはこの子達をヨーロディア本部へ連れ帰ってほしいってユーロ様の指示みたいなんだ。」
「えっ!?ユーロ様の考えなのですね。」
「そっかぁ…でも確かに二人を連れたままこのまま進むっていうのは厳しいもんね…」
二人もこの話には頷けてはいるみたい。
私もその意見は正しい気がしていた。
するとアンナさんは二人の元へ。
「ねぇ…これからあなた達を私達の本部があるマジェスト本部へ連れていくわね?いいかな?」
「うんうん!そんなに心配しなくてもいいよ!私もアンナお姉ちゃんもいるし、エンポリオお兄ちゃんも他にもお兄ちゃん達もいるしね!」
二人は驚きの表情をしている…突然の話にこうなってしまうのは仕方ないだろう。
「二人とも安心してていい…僕達もこの街での戦いを終えたら必ず本部に戻るからさ。」
「そうそう…必ず行くからそこにいる同じく力を持ってる人達の元で待ってて!」
私もエンポリオ君に続きそう伝える。
するとレオン君はその表情を笑顔へと変える。
「お兄ちゃん!お姉さん!僕達…そこへ行って…待ってるよ!!!」
力強くそう言いいエンポリオ君に拳を見せるレオン君。
エンポリオ君は彼の小さな拳に自分の拳を合わせる。
「ああ!待っててくれ!必ず戻る!!約束だ。」
「うん!!!」
笑顔のレオン君に私達も安心できた。
すると…私の首に腕を回し抱きついてきたのは。
「ソフィアちゃん??」
「ママ…私……皆……死んじゃって…ずっと……一人でどうしていいいか分からなくて……声をかけてくれて……ありがとう…………。」
泣きながらそう話してくれるソフィアちゃん。
私にしがみつきながら震え…そして今…自分の思いをぶつけてくれている…彼女の気持ちが痛いほど伝わる。
そして私にもこの子達を守りたい…そんな希望と力が湧いてくる。
「うん…大丈夫よ…ママはやる事を終えたら…ソフィアちゃんと一緒だからね。」
私は彼女に応えるようにそう呟くと…彼女を抱きしめたの。
私達のやるべき事は決まった。
エンポリオ君は立ち上がる。
「さぁ…じゃあこの子達をマジェスト本部までよろしくお願いしますアンナさん?」
「もちろんよ!任せて!エンポリオ!」
「エンポリオお兄ちゃんもカルマお姉ちゃんも二人の事は任せてよ!」
サキノちゃんも力強くそう言ってくれる。
彼女もここへくるまで本当に強く成長を感じる。
まあ私はまだまだなんだけどね。
こうして私達は動き出す。
まずはここを出てサキノちゃん達は本部へ。
そして、私達はこの先へと向かおうとした。
その時。
建物内にどこからともなく聞こえてくる声。
「ククク………あははっ………………。」
「誰なの!!???」
私はその声に対し声を上げる。
部屋中に私の声がこだまする。
「僕が誰だって??うーん。じゃあ自己紹介がてらに……………。」
すると、私達の後方の大きな布が宙へ舞う。 それは先程エンポリオ君が『ハンナ』さん達の遺体に、掛けた布。
そこへ立ち尽くしていたのは。
身体中が緑色に変色した…なんと。
ゾンビ化した『ハンナ』さん達の姿だったの。
「「ゾンビ!!!???」」
◇
◇
◇
私達の前に突然声を轟かせた一人の男の声。
それは何かの力をもつ者だった。
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