ライブ配信シーン15
ゴブリンロードを打ち破ったクロノ達!
この後はどうなる!?
ゴブリンロードを討伐した俺達。
その瞬間…ゴブリンロードというリーダーを失った手下のゴブリン達は村から慌てて逃げ去っていったようだ。
「ふぅ…よくやったぞ…二人とも、村の代表としても礼を言うぞ。」
ヤシュアは髭を触りながら笑顔を見せている。
「ヤシュア様…本当にご無事で良かったです…それに私達もこれからどうしていくかを改めて考えようと思いました!」
「いいのじゃよ、この戦いでワシらの事、力の事…そしてカルマちゃんの両親を救うという目的の為にやる事が見えてきたはずじゃ…。」
ヤシュアは、そう言うとローブのフードを上げその顔を露わにする。
ヤシュアを改めてよく見ると初老の口髭を携えた渋い男。
「改めて…ワシはヤシュア…この村を治めていた長でありながら魔神具と歴史を知るマジェスト。そして…これからはお主達と共に往く戦友とでも、呼んでくれ。」
ヤシュアはニコリと微笑み、そう言ってくれたのだ。
「でも…どうして急に私達についてきてくれようと思ったんですか?ヤシュア様にまでご迷惑をかける訳には…。」
「そう…だよな…ヤシュアにはこの村の事もあるし無理はさせることは出来ねぇもんな!」
俺もカルマの意見には賛成だった。
力はあるだろうがこれからの旅はもっと過酷なものになる気が俺もしたのだ。
「ああ…だからこそじゃ…危険だからこそお主達の力になろうと思ったのじゃ…それに…クロノの力は間違った使い方をしてしまえば、この世界を滅ぼす事など簡単に出来てしまうほどの恐るべきものを持っている…ワシはそれを見張ってもいかなければならん。」
「俺の…力……。」
「ああ…じゃがその力をお主が手にした事も逆に幸運であったと今は思っておる…そのお主を観察していく事がこのワシの勤めじゃ…」
ヤシュアは最後に一言そう言うと旅支度を始めようとしている。
「ヤシュア様!?村は大丈夫なのですか?」
カルマが再び声にすると村人の一人が声をかけてくれる。
「カルマちゃん!貴女が両親にきっとあえますように!」
それに続くようにカルマに次々と励ましの言葉をくれる村人達。
どうやらこれまでカルマはこの村で持ち前の優しさで村人達と仲良くなりすっかり仲間と認められてきたようだ。
カルマはその目に涙を浮かべている。
「皆…ありがとう!ヤシュア様をお借りします。」
カルマのその言葉に村人は歓声を上げてカルマを励ましている。
「カルマ…良かったな、すっかり村の仲間じゃん。」
俺は温かな気持ちになる。
すると後ろからザワザワという声が聞こえると村人が道を開けていく。
先からは準備を整えたヤシュアの姿だ。
ヤシュアの首にはあの魔神具に反応するアイテム『魔神サーチャー』があった。
◇
◇
◇
さぁ…準備は整ったか?
「よし!食料に装備は確保したぜ!」
「ええ…私は薬類をちゃんと持ったし。」
「さぁ行こう!目的地は『グランドバズ王国』だ!!」
こうして俺達は次なる目的地『グランドバズ王国』へと向かうのだった。
◇
◇
◇
俺達が救った馬車業者さんの好意でグランドバズ王国への道のりは快適なものになる。
俺達三人は馬車に揺られているが多少のガタガタは現代の車でもあるまいし仕方ない。
「クロノ!馬車移動ってマジ凄いよな!」
「馬車移動ってこんな感じになるのね?」
「なんか想像でしかないけどいい感じ!」
とのコメントが届く。
確かに見た目などはオシャレ感があるが俺はやたら揺れるとか腰にくるな、とか思ってしまう。
すると隣に座っていたカルマは隣で震えていたんだ。
「カルマ?どした?」
俺がカルマにそう声をかけると彼女は真っ青な顔をしている。
カルマの顔をのぞき込むと彼女は俺をつき飛ばし馬車の外へかけていったのだ。
「うわっ!!??どした!カルマ!?」
俺が叫ぶと冷静に口を開くヤシュア。
「ふぅ…この揺れじゃきっと…乗り物酔いじゃろうて、一先ず落ち着いて乗っ取れ。」
「ああ…そういう事か…。」
さすがヤシュアは冷静に見ていたようで俺も座り直し数分するとカルマは帰ってきた。
「大丈夫かカルマ?」
「ええ…なんとか…でも私はやっぱり『あれ』で移動するね。」
「あれ?」
俺が尋ねるとカルマは本を取り出すと本は宙にフワフワ浮いていく。
「おいで、フェリス!」
カルマが魔神具(叡智の書)を広げ語りかけると彼女の叡智の書は光だし…その光は可愛らしい生き物へと変化する。
シュピーーーン!!
「呼んだかい?カルマ?」
光の生き物はそう言うとカルマの目の前でふよふよ浮いている。
「フェリス!こないだの飛んで移動できる魔法使いたいの?いい?」
「わかったよ、カルマ!いくよっ!」
フェリスと呼ばれる魔神はポンっと消えると空飛ぶ絨毯へとその姿を変えるのだった。
俺とヤシュアは呆然と見ている。
「じゃあ私はフェリスに乗っていくね!」
カルマはそう言うとフェリスの変化した空飛ぶ絨毯にちょこんと乗るとその乗り物はカルマを乗せ馬の脇を飛んでいたのだ。
「あれでもワンチャン海渡れるんじゃねえか?」
俺のその問いにヤシュアは首を振りながら答える。
「カルマちゃんの魔神は能力も素晴らしいが気まぐれ過ぎるとの噂…ワシらはのせてもらえんであろう…。」
「なるほど…ね。」
俺達は苦笑いして話を終える。
◇
◇
◇
それから数時間…俺達は馬車に揺られグランドバズ王国へその道を進めるとやがて微かに見えてくるお城と城下町の街並み。
「クロノーーーっ!ヤシュアーーーっ!」
外を飛んで移動していたカルマの俺達を呼ぶ声に俺は馬車の外を見に出ると…目の前には大きな城下町グランドバズ王国が見えてきたんだ。
「おおっ!あれがグランドバズ王国か!?」
「ああ、やっと着いたが大きな街じゃ…何があるか分からん、油断はするなよ。」
ヤシュアのその声に俺は答える。
「ああ…もちろんだ。」
グランドバズ王国に辿り着いた俺達の先には何が待っているのか!?
◇
◇
◇
やっとこの地を治めるグランドバズ王国に辿り着いた三人、ここからどうなって行くのか!?
お読み下さりありがとうございました!