ヨーロディア世界編シーン28
サキノ、アンナは敵を倒す。
そして話はカルマ、エンポリオコンビへ移り変わる。
凄まじい炎風にまかれたケルバーノ。
そして。
◇
◇
◇
「やっ……たわ。」
「うん…お姉ちゃん。ありがと。」
オルジョール、そして今ケルバーノも二人の魔神の攻撃により倒れていったのだ。
二人は力を合わせ強敵を倒した。
だが…この事実は敵にもいずれ知られる事であろう。
◇
◇
◇
「はい!ユーロ様…この地『イタリーノ』には病が到達したようです。」
『そうか…わかった…二人ともひとまず怪我をしてるならば治療…そして、しばしの休息をとり、何かあったら対応を頼む…そして…次の地へと向かって欲しい…だが…決して無理をするな。』
「わかりました!ユーロ様。それでは失礼します。」
プツリと通信をきるアンナ。
「お姉ちゃん??」
「さ!サキノちゃん!とりあえず病院いこっか?そして痛い所見てもらったらゆっくり休もうね!」
「うん!!サキノお腹も空いちゃったし!」
「そうね…うふふ。」
二人は本当に微笑ましく微笑み合うと手を繋ぎ病院へと向かったのだった。
◇
◇
◇
一方その頃。
サキノ達がいた『イタリーノ』とは真逆の西に位置する『スペイール』に向かったカルマとエンポリオ。
◇
◇
◇
カルマ視点
「カルマさん!それでですね?」
「あ!うん!エンポリオ君!聞いてるわ!」
そう!スペイールに向かっているのは私とエンポリオ君の二人だったの。
実はスペイールはエンポリオの出身の国でもあったみたい。
私達二人が組む事になった理由はメンバーの中でマジェストとしての経験、そしてシンクロ率が一番高い私はまだマジェストとしては未知数のエンポリオ君とのコンビが適しているから、というマリアさんの話で決まったの。
そして私達はスペイールへと到着。
「ここが……スペイール……。」
「そう!ここが僕が生まれ育った街スペイール…情熱と闘牛の国って呼ばれたりもしてるんだ!」
「闘牛??闘牛って…あの……牛と戦うテレビとかで見た事ある闘牛……かなぁ??」
「テレビってのはよく分からないけど牛と戦うってのは正解だよ!折角だから闘牛やってるかもしれないから行ってみようか?コロシアムに!??」
「うん!!!見てみたい!!」
こうして私達はコロシアムに行ってみる事にしたの。
◇
◇
◇
「うーーーん…街の中の様子は…落ち着いていてここにはまだあの『病』は届いてはいないようね。」
「そうですね…そういえば僕達…車で高速移動してきたからかな?通信障害でしたかね?来る途中…誰からも連絡きませんでしたね?」
「そうね…クロノ達の声も届いてきてなかったわ…調子悪いのかな…。ちょっと待ってて声かけてみる。」
私はヘッドホンマイクに声をかける。
『クロノ!?聞こえる??』
時をおくも…どうやら返事がない。
『サキノちゃん?どう??聞こえる??』
サキノちゃんの方にも届いて無いみたい。
すると突然ポンっと飛び出したのは私の魔神『フェリス』
『にゃっはーーー!!久しぶりに登場!!カルマどうした??』
「あ!フェリス!?あのね…このヘッドホンが調子悪いのかもしれないんだけど…分かるかな??」
『んーーー??どれどれーーーー。』
あーー、うーー、んーー??
っと言いながらヘッドホンを見ているフェリス。
私達もフェリスの様子を観察している。
するとフェリスはポイッと宙にヘッドホンをポイッと投げてしまったの。
「えっ!!??」
「えーーーーーっ!!??おーっととと。」
何とかヘッドホンをキャッチするエンポリオ君
「どうしたの??フェリス??」
『カルマ〜この僕に分かるわけにゃいだろ??』
「えっ!?そうなの??そうなら言ってよ〜分かるのかと思ったじゃない!?」
私は困り顔をしてしまう。
するとヘッドホンをキャッチしたエンポリオ君が口を開く。
「これって無いと…誰とも連絡がつかないんですよね?」
「そうなのよね…しかも私って機械にめちゃくちゃ弱くてどうしたらいいか全然分からないの。」
するとエンポリオ君は何かを服の中からゴソゴソと取り出したの。
それは何と一本のドライバー。
「カルマさん!ちょっと僕がいじってみてもいいですか??」
「えっ!?う…うん……………。」
私の返事にエンポリオ君は得意気な顔をして座り込みヘッドホンをばらし始める。
彼の大きな身体からは想像もつかない程の細かい作業、テキパキとこなしていくエンポリオ君の意外な才能に私はいつしか見入ってしまっていたの。
「えっと…ここをこうして…こうだろ?で……これを……お??」
「えっ!!??」
彼の声に私は我に返る。
「カルマさん!直るには直ったんですけど……」
「それで…どこかまだ問題あるの??」
するとエンポリオ君はヘッドホンを装着する。
そしてスイッチを入れると。
『おっ!?カルマとエンポリオか??』
「クロノ!?聞こえるのね??」
『ああ!声が聞こえなくなってたし映像も見えなくなってたんだけどやっと今、声は聞こえるようになった。だけど、まだ映像は見えてないんだ!?そっちには映像は見えるか??』
「そうなんだ??うん!見てみる!エンポリオ君?どう見える??」
私はエンポリオ君の側まで顔を近づけ覗き込むように見てみる。
「そうですね…ああっ!やっぱりだめかァ…部品が一部壊れてたんです…これじゃ本部に戻らないうちは直らないかも。」
「そうなのね。」
『でも、とりあえず声は届いてるみたいだしな!カルマもエンポリオも気をつけるんだぜ!?何かあったら直ぐに言えよ!?』
「うん!分かった!クロノ達も気をつけて!」
『ああ!じゃ!俺達も先急ぐな?』
すると通信は途絶えたの。
「ふぅ~~~ひとまず安心ね!ありがとエンポリオ君!」
「いえいえ!どういたしまして…って!えっ!?あっ!ああっ!!??」
私達は気がつくとお互い鼻先ってとこまで顔が近づいていたの。
顔を赤くして焦るエンポリオ君。
私も思わず顔が熱くなり顔を逸らしてしまう。
「あわわ!すみません!取り乱してしまって!」
「う!ううんっ!…私こそごめんね!」
私もドキドキが止まらなかったの。
するとエンポリオ君が口を開く。
「コホン!あの…カルマ…さん?えっと、ヘッドホンなんですけど…声は聞こえるようになったんですけど…映像がきっと…本部に戻ってから僕が責任もって直しますので!!」
「そう…なんだ…でも連絡が着くならよかった!ありがと!エンポリオ君!!」
エンポリオ君の顔は赤く染まりながら照れていたの。
「いえいえ!僕こういう機械系得意で僕のこのオリジナル魔神具も自分で作ったんですよね…。」
「それ言ってたよね?私本当に機械音痴だから凄いと思う!」
「いやぁ…それほどでも!」
照れるエンポリオ君。
すると。
どこからともなく誰かの声が聞こえてくる。
「いよぉ!!エンポリオじゃないか!?」
◇
◇
◇
カルマとエンポリオは偵察の国に辿り着く。
そして突然声をかけて来た者とは!?
お読みくださりありがとうございました!