ヨーロディア世界編シーン22
サキノとアンナの前に現れた男達。
果たして。
怪しい男達に取り囲まれたサキノとアンナ。
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「ククク…お嬢さん達この辺りじゃ見かけないけどどこへ行くんだい??」
男の一人がそう問いかける。
さっとサキノの前に出るアンナ。
「貴方達は一体何者なんですか??」
アンナがそう問いかける。
「俺達はな…この街イタリーノの影で動くフィリアームのフィガーロ様の配下『暴犬』という…俺の名は『ケルバーノ』だ。大人しく着いてきた方がいいと思うぜ!?」
『ケルバーノ』という男はそう言うとその自慢であろう肉体を見せる。
(フィガーロ…なるほど……この人について行けばもしかしてたら…病に関する敵と遭遇できるかしら?。)
「お姉ちゃん??」
「あ!サキノちゃんは先に帰ってていーわよ?」
その時。
キラリと光るナイフを取り出した男。
「なによ??」
「おおっとそーはいかねぇ。お嬢ちゃんも俺たちを見たんだ…一緒に着いてきてもらうぜ??」
「この子は関係ないでしょ??」
「いーや、ダメだ。」
(くっ!卑怯な男ね…でもサキノちゃんも…仮にも…マジェスト…きっと大丈夫…よね?でもいざとなったら…。)
アンナは考えを纏めると返事を返す。
「わかったわ…着いていくわ…だけどこの子にだけは手を出さないと約束して。」
「そりゃあお前が大人しくしていたら…なぁ。」
「分かったわ。」
アンナはそう言うと、かがみ込みサキノの目をじっと見つめそして、サキノの頭を撫でる。
「んにゅ??お姉ちゃん??」
「サキノちゃん…大丈夫!必ず私が守るからね!?」
笑顔のアンナにサキノはホッと笑みを浮かべる。
するとサキノのヘッドホンから…声が聞こえてくる。
『サキノちゃん!大丈夫だよ!』
『そうそう!僕達はずっとサキノちゃんを見てるんだしさ!』
そう、その声はリスナーの声。
すると。
『サキノ!皆いるぜ??』
「あ!クロノお兄ちゃんっ!!」
『ああ!俺達はずっとサキノの事も見えてる!だから大丈夫だぞ!何かあったらカラーウルフも…そしてそっちには……。麒麟がいる…もしもの時は俺も駆けつける!!』
「うん!お兄ちゃん。」
サキノちゃんは意を決するとアンナの手を握り着いていく。
こうして…男達に挟まれながらサキノとアンナはどこかに向かっていったのだ。
でも。
サキノのその表情には今はもう元気な、いつもの表情が見えていた。
『サキノ!とりあえずこの仕事、さっさと終わらせような!終わったら沢山美味しいもの食べようぜ!?』
クロノのその声にサキノは元気が漲る。
「うんっ!!お兄ちゃんありがと!」
すると他にも皆が声をかけてくれた。
そしてサキノはアンナの手をぎゅっと強く握り、先に進むのだった。
◇
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男達に連れられ到着したのは、海の片隅にあった、とある廃工場といった場所。
サキノ、そしてアンナを中に入れると鍵をかける男達。
すると一人の男が二人の前に立つ。
「クク…ここは俺達のアジトでな…俺達以外はここを知らねーし誰も来ない…ここで俺たちと…楽しもーぜ!!!???」
二人に突然襲いかかり服を剥ぎとろうとする一人の男。
アンナの服に手をかけたその時。
ギュンッと風が舞い手を切り裂く!!!
いわゆるかまいたちにも見える風!!
「うぎぁーーーーーーーーーーっ!!!??」
男の手は切り刻まれ彼はその手を抑え苦しむ。
「な!何をするんだ!!!!???」
もう一人の男が突然の事に叫ぶ!!!!!
すると前にはフワフワと浮かぶ少年の姿。
『ふぅ??なんだおまえら??』
「な!?なんだコイツは!!??相方に何しやがる!!??」
『僕の相棒に何かしようとするからだろぉ??』
「な!!??くそっ!!??なら、こっちだ!??」
もう一人の男はそう叫ぶとサキノに近づき手を出そうとしたその時。
ウウウウウウウウ………………。
サキノを守るように立つのはカラーウルフ。
「な!?こいつもマジェスト!!???」
男の額には汗が吹き出し焦り出す。
そこには二人の魔神が今にも、この男達を全滅させようと待機してるのだった。
「くっ!!??こうなったら仕方ねぇ。」
男はポケットから小瓶を取り出す。
「あれは??」
「あれってもしかして、あの薬かなぁ??」
「魔神……薬??」
サキノとアンナの会話。
蓋を開けゴクゴクと飲み干しいていく一人の男。
次の瞬間、男は空いた小瓶を投げ捨てる。
「んはっ!……………ふぅぅぅ………………。」
男はそう深い息を吐いていく。
そして、もう一人も同様に魔神薬を飲み干していた。
「んがっ!!!んぐんぐ。」
するとガバッと起き出す腕を負傷した男。
男達二人は。
魔神薬により、その身も変化させる。
「ふぅふぅふぅ………はぁぁぁーーーーっ!!」
「うへぇぇぇ……ふふふ。」
その姿にアンナは呟く。
「魔神薬による力の上昇……のようね。」
一人の男はその身をまるで『三頭犬』の様に。
もう一人は『二頭犬』の異形な姿へと変貌させていた。
二人の男はただならぬ異形に進化、そして異臭を辺りに漂わせ思わず吐き気をもよおしそうな空気に変える。
「ククク…女と言えどマジェストとはな…その力がどこまで通用するのか……。」
「「試してみるか!!!??」」
ドンッと二人は地を蹴る!!!
そして!!???
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