ヨーロディア世界編シーン11
その時何かが起きる。
エンポリオが『ディーノ』兄弟、ロッジの手によりその身体を投げら捨てられる。
そして、その時アンナの身体が光り輝き姿を再び現した麒麟。
麒麟の意図とは!?
◇
「んんー??なんだこいつは…どうやら魔神のようだが…まさかこの女もマジェストか…。」
キグナスがそう呟くとアンナは身構える。
「私が…マジェスト?ちょっと私よく分かってないけど…んんっ???」
アンナはそういうと突然身体に痛みを覚えるかのように苦しみ出す。
「んん??なんだぁ??お??そういやこの女…さっき屋敷でいたぶった女じゃねぇか?」
「ん!兄貴!確かにさっき俺がボコボコにした女だぁ!」
苦悶の表情を浮かべアンナは口を開く。
「確かに私はマジェストでもないわ!でも貴方達の様に暴力で人を支配するなんて!私は絶対貴女達を許さない!!!」
アンナのその力強い言葉。
「ふん!面白い!女ァ!それなら今一度この俺と戦え!!!今度はお前が負けた際はその身体をじっくり堪能してやるぜぇ!グヒヒ!」
『ロッジ』は気持ち悪い笑みと言葉を吐き散らす。
「はぁぁぁーーーーーーっ!!『魔神具ボーンキラーアクス』!そして『ミノタクルス!!!』の力を今一度くらうがいい!!」
「う…ううぅぅぅ。」
次の瞬間アンナは目を閉じる。
ガキィィィーーーーーン!!!
その時アンナの身体を操る何者か。
「えっ!?」
アンナの手にはキラキラ光る何かがミノタクルスの大斧を防ぐ何かが。
「あれは!!??」
「魔神具だ!!!もしかして麒麟が魔神具に!?」
俺とリオがそんな話をすると俺達の後ろに突然誰かの声が。
「はぁーーーぃ!できたできたーーーっと!」
その声の主は。
「「ラブラ!!!???」」
俺達の前に再び姿を現したのはラブラ。
その姿を見る皆の目。
そしてリオが口を開く。
「クロノ様!!??あの方は先程も見たのですけど??」
「ああ!あいつは勇者ラブラ!俺と繋がりがあるらしい…変わり者だ。」
「もぉーーー!クロノちゃん!その紹介の仕方は酷くない??」
ラブラは相変わらずうるさいがこういう時は本当に頼れる存在だ。
「それでね?私はさっき麒麟ちゃんと話したんだけどね……。」
◇
あの子…アンナちゃんの身体の状態は本当に酷くやられてしまって瀕死の状態なの…一時的に麒麟ちゃんがその身体の支えにはなってたんだけどずっと入ってる訳にはいかないみたいでね?
麒麟ちゃんはなんとかあの子を助けたいって!
麒麟ちゃんは雷武ちゃん達を封印した時にも存在していたんだけどその存在は邪悪とは異なるものだったから私も放置していたのよね?
そうして久しぶりに出会ったって訳なのよ。
◇
「それで…どうしたんだ??」
「麒麟ちゃんが彼女を救える方法はただ一つ…麒麟ちゃんが魔神具になって彼女の傍にい続ける事…これなら魔神具の中で彼女を守り続けれるって事よ。」
「なるほど…魔神具になる事を麒麟自身が望んだって事か。」
「そういう事…ほら見て…麒麟ちゃんとあの子が………。」
俺達が視線を戻すとアンナは手に握りしめミノタクルスの大斧を防いでいるキラキラ光る何か。
「二人が魔神とマジェストとして開花したわ。じゃ!私はちょっと力使ったから休むね!クロノちゃん!また……ね。」
ラブラはウィンクをし、すぅっと消えていく。
ガキィィィーーーーーン!!!
その音に振り返るとアンナはその魔神具を振るう。
アンナの魔神具に大斧は弾かれミノタクルスは体勢を揺るがす。
「なにぃぃぃーーーーーーーっ!!??」
自分より遥かに小さい女性に攻撃を弾かれ驚きの表情を浮かべ叫ぶロッジ!!!
するとアンナは不思議な表情を浮かべている。
「これは……。」
ぽやぽやーーーっと魔神具から姿を見せる麒麟。
「アンナぁぁぁ!僕ともっと仲良くぅぅぅ!」
「麒麟ちゃん……うんっ!!」
アンナにそう話した麒麟。
麒麟に優しく笑顔で答えるアンナ。
どうやらその様子を見ているだけで二人のシンクロ率も高いように思える。
「くっ!!??女ァ!!そのちいせぇ『クロスボウ』など俺の『ボーンキラーアクス』でぶっ壊してやる!!!??」
ロッジは叫びアンナに再び襲いかかる!!!
そしてその巨大な大斧がアンナの頭上から彼女を捉えようとしていた!!
「アンナッ!!??」
「ぐ……アンナ……今この俺が……」
「ユーロ様!??大丈夫ですか!?」
その時ユーロ様とマリアが気が付きアンナを見る。
アンナは魔神具『クロスボウ』を構えている。
そして。
タンッ!!!と床を蹴るとその身体を翻し大斧をスーッとかわす。
「麒麟ちゃんin『天空のクロスボウ』!!!」
「たあああーーーーーーーーーっ!!!」
クロスボウから放たれたそれを誰もが驚きの表情で見つめる。
ドウッっという轟音を立て巨大な衝撃波がミノタクルスの身体に轟く!!!
恐ろしい風圧…誰もがその隙間にも入れはしなかった。
そして…一時を過ぎ…衝撃波はピタリと止んだ。
一瞬時が止まったかのように静まる。
すると。
ミノタクルスとマジェストであるロッジはズシーーーンっと音を立てて倒れていったんだ。
◇
◇
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