ヨーロディア世界編シーン10
ダンジョンピットへと到達する面々。
果たしてその先には。
地下迷宮を抜け最奥へと辿り着く俺達。
そして、その先から大きな何かの力が感じられたんだ。
◇
バァァァーーーーーーーーンっという激しい音と衝突で扉を破壊したバラコンダ!!
俺達の目の前に見えたのは。
なんと!!
囚われの一人の女性と傷つき膝まづいている一人の男性の姿だったんだ。
すると。
俺の背後から飛び出したのはアンナとエンポリオ二人の姿。
目の前には、女性の両腕を握り吊るしている巨大な男。
そして男性の前に立ち尽くす小柄ながらも細身の如何にも怪しい目をした男の姿。
「誰だお前ら!!??その方が誰か分かってやってるのか!!??」
エンポリオが勇ましく叫ぶ。
その行為に笑い出す二人の男達。
すると小柄な男が笑みを浮かべ口を開く。
「ケッケッケ…ほぉ??勇ましい事だけは褒めてやろう…だがお前達が何者だ??まずは自分達の自己紹介が先なのではないのか!?」
「兄者??何もんだこいつら??って言うか俺はもう腹が減ってよォ。。。」
ジュルリと舌なめずりをして女性をニヤニヤ見ている巨漢の男。
「な!何をしてる!!??マリア様から手を離せ!!??」
「フン!お前達が何者かなどどーでもいいのだ…我々はこの二人をこれから処刑するのだよ?邪魔をするんじゃ……」
男がそう言うとその目を見開く。
そして巨漢の男を静止させる。
「弟よ…ちょっとまて……。」
すると男が口を開く。
「そこに居るのは…そうか……世界でも中々の有名なヒットマン……『エルザック』とその魔神『バラコンダ』……これは……ちょっと厄介だな…。」
エルザックは前に出る。
「ほぉ?この僕の名がここまで届いてるとは光栄だな…ではこちらの意見も言わずとも分かるだろうな??」
「ええ…分かっていますとも…何せ…貴方があのアメリスアードの地でヒットマンとしても有名ですが……この我々もヨーロディアでは名の知れたヒットマン…『ディーノ』兄弟と呼ばれてますのでね。」
男がニヤリと微笑む。
「ほぉ…その名だけはこの僕も耳にしてはいるよ…このヨーロディアで最近名を馳せてきた、残虐非道でその行為もとても褒められたものでは無いが…強さは本物だと噂される兄弟のマジェスト…『ディーノ』兄弟と。」
「貴方に知ってもらえてるとはそれはそれは光栄ですねぇ…だが我々も…ここに人質というものがいるんですよ??」
「ふん!そんな卑怯な手を使って強さを誇示するとは…そんな事ではその力も知れたものだと僕は思うけどね。」
エルザックの言葉は正論だ。
こんな卑劣な手段を使う奴が強いわけはない。
俺もそう思う。
するとエンポリオが背中からずーっと自慢の棍棒を取り出していく。
「エルザック様!ここはこの僕に任せてください!こんなヤツら貴方の力を使うまでの程でも……ない!!!!!」
ダンっと床を蹴りその手にした棍棒を振り上げていく!!!
エンポリオの身体はマリアと呼ばれる女性を人質にとっている巨大な男に向かい飛び上がる。
そしてエンポリオが叫ぶ。
「マリア様を………。」
「エンポリオ!!??」
マリア様もその姿に思わず叫ぶ。
そしてエンポリオの棍棒は振り下ろされる。
すると小さい男はフンっと鼻を鳴らし大きな男に声をかける。
「『ロッジ』!やってしまえ。」
そう呟いた瞬間エンポリオの棍棒
は大男の頭上を捉えようとしていた!!!
「やったか!!??」
「えっ!?エンポリオ!!??」
俺とアンナがそう叫ぶ。
すると目の前には大男の手には巨大な何かが握りしめられていた。
「あれは………」
「巨大な斧?魔神具か!!??」
そう…大男の手に光り輝く巨大な『斧』
そして大男が叫ぶ。
「魔神具「ボーンキラーアクス」その力を我に!!??出てよ!!『ミノタクルス』」
すると巨大な輝く『斧』から発せられた光から現れたのは巨大な牛の頭を持ち手には大斧を構える魔神が姿を現す。
「なにっ!?あれは……。」
「神話の怪物『ミノタウルス』の魔神『ミノタクルス』。見たのも初めてだ。」
「くくく…さぁ我が弟の魔神の手によりここで皆殺しといこうか??」
兄『キグナス』がそういうと弟『ロッジ』はアンナを片手に武器…そして背後には魔神。
この恐るべき現実は俺達の足を止めてしまうには十分だった。
人質をとりながらなどこいつら。
すると次の瞬間エンポリオに襲いかかる『ロッジ』の姿。
「グフフ…まずはこいつをミンチにしてやる!!??」
「ヤバい!!??」
「エンポリオーーーーーーっ!!??」
『エンポリオ』に魔神が襲いかかろうとした…その時。
突然アンナの身体が光り出す。
「ん??なんだ??!!??」
「女ァぁぁぁ!!!??」
『ディーノ』兄弟は突然アンナから放たれた光に驚き動きを止める。
そのままエンポリオの身体は投げ捨てられる。
ぎゃんっといい地面に転がるエンポリオだったが。無事だった。
だが…そこには光り輝くアンナを見つめる二人のマジェスト。
それもそのはず。
俺達の目にもその光景はとても凄いものだったのだ。
そしてアンナから発せられし光はとある姿を形成していく。
その姿は。
「「麒麟!!!!!????」」
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