ヨーロディア世界編シーン7
迎えに来てくれたエンポリオ。
ところが。
彼『エンポリオ』の奮闘で何とかグレムリンの奇襲を奮うクロノ達。
◇
「はぁはぁはぁ……。ふぅ…何とか…やれました。」
彼はへたりこんでしまう。
「お、おう!ありがとな!助かったぜ!?」
「本当に!ありがとうございました!」
俺もカルマもお礼をつげると。
彼は暗い表情を浮かべる。
「ふぅ…大丈夫ですよ?そんなに気を使わなくても…僕は…本当にここ(マジェスト協会)に入ったけど…役たたず…なのですからね。」
彼は立ち上がりポンポンと身体の埃をはらう。
すると敵を隙をつき倒していたリオ達が声をかけてくる。
「ふぅ…クロノ様大丈夫でしたか?」
「ああ!リオ達も無事だったようで良かった!」
「私達もそう簡単にはやられませんよー?」
リオのその声に『エンポリオ』の表情もどこかに影を感じたんだ。
「ふぅ…魔神か……。」
彼はそう一言呟くとトボトボ歩き出しピタリと立ち止まる。
「とりあえず…中に行ってみましょう。」
「ああ……。」
その時の俺達は彼にかける言葉も見つからず…その背中について行ったんだ。
◇
◇
◇
エンポリオは扉に手をかける。
すると、ギギギと開いていく扉。
開けた先には立派な洋館の中は。
何者かの侵入を許した荒れ果てた部屋の中。
「あれ??ユーロ様??マリア様ーーーっ!」
彼は二人の名を呼ぶ。
だが何か起こったであろう建物内部は静まり返る。
ポタリポタリと水の滴る音。
そして切り裂かれた絨毯や家具達がここで起こった生々しい何かをその場に残す。
「いない。」
『エンポリオ』は各部屋の扉を開け確認していたんだ。
「ここにも。」
「ここもだ。」
そして一番最奥の部屋へと向かっていく。
「そこがもしかして??」
「ええ…ここがユーロ様の部屋です…。」
俺達は『エンポリオ』の後ろを辺りを見回しながら着いていく。
そして彼はユーロの部屋の扉をゆっくりと開いていく。
するとそこには。
ユーロ達の姿もなく荒らされている部屋の内部だけが俺達の目に映ったんだ。
「ユーロ様??マリア様??」
彼が叫ぶもシンっと部屋の中は静寂に包まれている。
俺達は部屋の内部に侵入すると辺りの悲惨な光景だけが目に映る。
そして。
「あっ!!ああっ!!??いてっ!!??」
急に目の前で転倒する『エンポリオ』の姿。
彼は驚きつまづいた何かを発見する。
そこに見たものは。
「アンナーーーーーーーーっ!!??」
『エンポリオ』の声が屋敷中に響き渡ったんだ。
◇
◇
◇
俺達は倒れていた女性を発見する。
そしてエンポリオは彼女を抱き抱え起こす。
「あ……『エンポリオ』??」
「うん!救援の方達連れて今戻ったんだ!!どうした??何があった??」
「あっ!?うぐっ!!???」
アンナと呼ばれた女性は傷の痛みで思わず動こうとすると顔を顰める。
動ける状態ではない彼女。
すると…ふらふら〜っと後ろから飛んでくる何かの影が俺の頭上を飛び彼女の元へふよふよ降りていく。
その影の正体とは。
俺達についてきた魔神の麒麟だった。
「ん??なんだお前??」
エンポリオは麒麟に問いかける。
『お前うるしゃい!』
「んなっ!??」
するとパシッと『エンポリオ』をしっぽで殴りつける麒麟。
「あだっ!!??」
頬を抑え麒麟を見る『エンポリオ』
すると麒麟はアンナと呼ばれる女性の目の前にちょこんと座る。
そして彼女の髪をよしよしと撫で始める。
「えっ!?あ…あなた…は??」
アンナがそう問いかけると麒麟はニッコリ微笑む。
『僕は麒麟だよぉ!お姉ちゃん僕と仲良くなれそうだねぇ??』
「えっ??」
すると麒麟はその身体を光をぽやぽやと輝かせる。
そしてスーッとアンナの中へと入っていったように見えたんだ。
まるでアンナに取り憑いていくように。
すると。
アンナは突然その身体の上半身を起こし立ち上がる。
その姿は先程までとは百八十度真逆でピンピンしているのだ。
「おっ!??」
「「おおーーーーーーっ!!??」」
皆がそれをみて驚きの声をあげる。
だが…一番驚いているのはアンナだ。
『「なに……これ??」』
「「!!!???」」
「『おおっ!!??これはぁ』」
『「同化してるーーーーー!!」』
一人と一匹?いや、一魔神が驚く。
いやそれだけではないここにいる皆が驚きの声をあげてしまう。
もちろん俺も例外無く。
「「ええーーーーーーーーーーっ!!??」」
◇
◇
◇
ひょんな事から俺達に着いてきた麒麟。
そしてヨーロディアの支部へと辿り着くと襲撃の後が。
そこで倒れていたアンナという女性。
瀕死の彼女を救った??
とりあえず彼女が無事だったのだが。
果てして何が起こったのか!?
続きを是非お楽しみくださいませ。
お読み下さりありがとうございました!