アメリスアード世界編シーン76
絶対絶命のピンチのシェリル。
その時。
私は、再び何かの衝撃音で目が覚める。
今のは…何の音??
そして私はここでどうなって何をしてるの??
それは。
◇
私の目の前に映し出されたモニターには見覚えのあるメンバーの姿が映し出されていたんだ。
「えっ!!??皆!、??」
クロノ君初め、カルマちゃん!サキノちゃん!そしてジェイクにレイド!
リオちゃんにエルザックもいる。
「皆!!!??」
私は先程この男ターメリックと戦おうとして、そして…彼の何かの力により私は何かおかしくなってしまったのだ。
ターメリックを憎めば憎むほど私の中の何かはそれを拒み苦しくさせる。
逃れる術は彼を愛する気持ちに流される事…そうなると精神が落ち着き彼の事しか考えれなくなってしまっていたのだ。
これは危険だ…シェリルが焦っているとターメリックはやってくる。
「くく…どうかね?君の友達があーんなに沢山ここへきてくれたけどとても滑稽だよね?」
「一体なんなの?私に何をしたの??」
「僕はね…研究でも毒が一番得意なんだよ?世界中のありとあらゆる毒を研修しつつ毒を利用し色々な事が可能とする事ができたのだよ。あ!そうそう…君にだけは教えておくと…ここの研究所で僕は毒を研修そこから必要に応じ薬、魔神薬なんかも少しは作っていたよ?そしてそれを必要な人達が高額で買ってくれてね。結構需要があるんだぁ!!」
「!!???貴方が!!??薬の製造元だっていうの??」
「ふん!僕はあくまで科学の力を使ってのものだよ。元から存在する物にはまだまだ薬の能力も届かないさ。」
「あなた!!??その薬のお陰で被害にあう人が沢山いるって事知ってる!!??」
「ん?知ってるさ!僕の薬は毒薬から劇薬そして媚薬までをも科学と魔法の力で生成して作る究極の薬さ!そしてその薬は高く売れる!!!皆が欲しがる薬さ!!!あ!そうだ。」
「昔話をすこーししてあげるね!君と博士と出会った僕は幼い君に一目惚れしてしまってね…なんとか君を振り向かせようとずーっと色々助けてあげてきたのにまーったく君は僕に振り向かない…という事で僕は君の為の薬というものをずーっと研究してきたのさ…そして…」
シェリルのお腹に手を添えてくるターメリック。
その手によりピクリと身体が熱く反応してくる。
「あっ!くっ!!??」
「ふふ…どうだい??この僕に触れられてとても嬉しく感じるだろ??」
身体がターメリックの秘術…いや、薬によりおかしくされているこの状況。
「このまま僕に堕ちなよシェリル…さあ!僕だけの君に!!!」
「や、やだっ!!」
「ふん!まだ薬が足りないの…かな?」
そう言うとターメリックはどこからともなく注射器を取り出す。
シェリルの腕に近づく針。
きらりと光り刺さるかと思った瞬間!!!
突然部屋のドアがドカンっという音と爆風を立て開く。
シェリルがボーッと見る先には。
三人の見覚えのある顔が。
彼女の目からは涙が零れる。
「あ……あ……………」
「待たせたなシェリル。」
いつも喧嘩ばかりしてるその男はジェイク。
「シェリル?僕達の前から離れちゃダメだよ!?」
そういいニコりと笑顔を向けてくれるのはレイド。
そして。
両手を広げ光を放ったその人は。
クロノ君。
私の身体から何かが浄化されていくようなそんな感覚。
(クロノ君の後ろに…ラブラ様……か。)
私の身体がするりと落ちていくとそこに。
身体を支えてくれたのはカルマちゃんとサキノちゃん。
その瞬間!!
わおおおーーーーーんっ!!
「なんだ!!、??」
ドカッとターメリックを突き飛ばしたのはカラーウルフ。
「なんだお前たち!!??どうやってここまできたのだ!!??橋は落としたはずだぞ!!??」
「おじちゃん!お姉ちゃんをイジメたらこのサキノが許さないのだっ!!??」
「なぁぁぁーーーーーーーっ!!??何だこのガキ!!?可愛いけど生意気なッ!!?」
「おっさんよ?」
「なんだお前??」
「俺は異世界からきたクロノっていうんだ!!」
「異世界だと!?そんなお前がこの僕に何用だ!?」
「シェリルは。」
俺は思わず言葉につまる。
「シェリルは…ずっと…こんな辛い事があったのに…お前達、この魔導協会の力が怖くて…父さんの事も心配でも何も出来なくてここまできたんだ。」
「だからどうした??そんなのこの僕の知ったことか。」
「だからだよ!!!??」
ターメリックはビクッと震える。
「俺はシェリルをこんなに怯えさせて涙を流させた事…許さない。」
「お前たちに何が出来る!?」
俺の身体から湧き上がる何か。
それは俺の身体を発光させ激しく燃え上がらせる。
「俺達はシェリルの…仲間だ!!!!!」
その瞬間。
部屋中が赤く燃え上がり発光する。
部屋の中は灼熱と化す。
「クロノ……君。」
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました!