アメリスアード世界編シーン73
シェリルのエアーガンがポロリと床に落ち転がる。
「プテラ!??どうして??」
そう…そしてプテラの媒体であるシェリルのエアーガンがボロボロになり転がる。
すると。
突然…全身に痛みを感じるシェリル。
「うぐっ!!??ぐはっ!!?!」
胃からもどってくる内容物には血の味も混じりつつあるシェリル。
そして身体もプテラがダメージを追うという事は当然シェリルもダメージをおってしまうという事。
それが魔神とマジェストの繋がりでもあるのだ。
「ふふ…シェリル…今君が囚われてるって事は自分の体が無事なのかどうかも分からないよねぇ…」
「えっ!!??」
確かにターメリックの言う通り。
彼に捕らわれたという事は何もされてないという保証はどこにも無いのだ。
故に…。
「そう…君の事は幼い時から知っている…君の生年月日、君の性格、君の好きな物嫌いな物…そして君の身体の隅々まで僕は知っている…そして君がマジェストで魔神を使役してるという事をも知っている…そうして君はいつしかここを出て僕の傍からも離れていった。でも。」
ターメリックは震えながら語り。
そして。
「僕は君がこうして帰ってきてくれると思っていた!!!そして君の父をこうして大切に生かしておけば僕の元へ帰ってきてくれると思っていたんだ!!!」
ターメリックは涙を流す。
「そんな君を僕は……心から愛している!!」
彼のその言葉に驚くと同時にゾクゾクっと不快な気持ちも湧き上がってくるシェリル。
「はぁ、はぁ、じゃあ…どうしてこんなに酷い事まで私にするの??」
「それはね、、、君が心から僕を愛してくれないからさ!」
「ど…どうして、そんな事が分かるの??」
「僕は細かい性格でね…君の一挙一動まで手に取るように君の心が伝わってくるのさ…君が僕に抱いてる悔しさ…憎しみがそこから伝わってきてるのさ…だから!!!」
ターメリックは前に声を発しながら歩き出す。
「君をそこまでして堕落させる…君の仲間たちもいない…君の武器も…そして君の魔神も…その力はもはや感じとれはしない。」
やがてターメリックの歩く先には聖母マリア像が飾られている。
マリア像に祈るとターメリックは口を開く。
「シェリル??さぁ!絶望しなよ??もう!無理だと!この僕の物に本当の意味でもなるのだと!!!」
像を見ると震え出すターメリック。
「さぁ!シェリル!マリアに誓うのだ!!僕を一生愛します…と。」
ターメリックはシェリルに問いかける。
「シェリル…君の全てが僕の手の中にあるのはもう分かっているだろう??」
◇
◇
その時…シェリルの耳には何も聞こえなかった。
そして聞こえてきたのは。
◇
『シェリル?』
『えっ!?誰…の声??』
シェリルの脳に語りかけてきたのは。
『私は貴女の魔神…プテラ…と貴女は呼んでくれてるわね。』
『あ!え?私が魔神と話せてるの??』
見える訳ではなく…脳に語りかけてくるプテラ。
『そうね…でも貴女が小さい頃はよく話してたのよ?』
『えっ??そうなの??』
『そう…でもこれは仕方ないわね…魔神の声まで聞ける人っていっても中々いないから!』
『そうなんだ??』
『それで…今私が話しかけてきたのは…』
ボワッとシェリルの目の前に映像化して姿を現した精霊の様な魔神。
『えっ!?あなた……プテラ??』
『そう…私は瀕死の貴女にどうするか決めて欲しくて出てきたの。』
『どう?っていうのは??』
『貴女は諦めてこのままあの男の物になっちゃうのか??それとも!!』
スカイプテラは背中に大きな翼を広げる。
『私と一緒に……戦う覚悟があるか!!?をよ?』
◇
◇
◇
プテラとシェリルの会話。
シェリルは目を閉じそして。
『私!!戦うわ!!!!!』
スカイプテラがシェリルの頭上高く飛び上がる!!
そしてシェリル目掛け突撃する!!!
「スカイプテラ!!ACTツーーーーーッ!!」
ドゴーーーーーーーーーーンッ!!という音を立てシェリルの身体に何かが宿る!!!
シェリルの身体は磔から解かれそして構える。
その手には…スカイプテラの媒体だったエアーガンが進化した姿。
ショットガンへと魔神具もパワーアップしていたのだ!!!
◇
「なんだ…あのスカイプテラの変化は!!??くそっ!?」
驚き身構えるのは爆風をこらえみるターメリック。
シェリルが持ち構えるショットガン。
その姿は翼を広げショットガンを構える有翼人。
「惜しかったわね…ターメリック…私とスカイプテラのシンクロ率はレベルアップしたの…そして私のスカイプテラはACTツーへと変化した。その名も。」
『スカイプテラACTツー「ハーピー」よ。』
◇
◇
◇
シェリルのスカイプテラはレベルアップを果たす。
そしてスカイプテラACTツーの実力とは!?
お読み下さりありがとうございました!