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∞D - 夢想幻視のピグマリオン -  作者: 漆野 蓮
第4章 調査期間
20/39

1. エルサレムの邂逅 後編

挿絵(By みてみん)

Illustration by Daken

 藍はヴィア・ドロローサの第3ステーション脇にそびえる巡礼者のための宿泊施設、クライスト・ホスピスの屋上を凪と一波に案内した。

「このホスピスの屋上は前まで有料スポットだったんだけどさ、今は経営者が変わって無料になったんだ。そして1階には絶品のケバブ屋があるんだぜ!」

 ケバブ購入を一波に任せ、凪と藍は屋上へ向かった。


 クライスト・ホスピスはエルサレム旧市街を見渡すことができる人気の展望スポットであったが、凪はこの半年間で訪れたことは無かった。彼女がヴィア・ドロローサを歩む意味はイエスが辿った苦難の一端に触れるためであり、観光視点は皆無であったからだ。心を落ち着かせ、思考を整理したいときにはパワースポットのオリーブ山へ登った。

「……ここはまた違った意味でよい場所ね」

 オリーブ山から眺める解放的なパースペクティブとは異なるが、ヴィア・ドロローサの内側から見渡す市街の形相は、凪にとって素朴で身近なぬくもりを感じさせた。

「でしょ! オリーブ山と比べちゃ、そりゃスケールが違うけどさ、ここはここにしかない親しみやすさがあるんだ」

「ありがとう、藍ちゃん。とても素晴らしいスポットを教えてくれて」

「よかった! 喜んでもらえて! あ、ケバブ来たみたい」

 藍は鼻を衝くスパイシーな匂いでケバブが来たことを察知した。


「お待たせ。ほう……中々いい景色じゃねえか。聞いちゃいたけど俺も来たのは初めてだ」

 一波は想像よりも遥かに美しい景観を前にし、ここが人気の観光スポットである意味を理解した。

 凪と藍は一波からケバブを受け取り、この眺望を沈黙を添えて楽しんだ。

「藍ちゃん、年はいくつ?」

 凪が沈黙を破った。

「もうすぐ10歳」

「そう、ありがとう。藍ちゃんには聞きたいことがあるけど、その前に私のことを話すわ」

 凪は藍がまだ何者かを知らない。しかし木佐貫を追い続けて10年以上のジャーナリストがこの地を訪れた一事を以てしても、その重要性は推し量ることができた。

「私はね、そう、24世紀末から来たの。おかしな話でしょ?」

「え? 24世紀? ええ! どうやって! もしかしてタイムマシンとかあるの?」

 10歳の子供には疑うことよりも好奇心の方が勝ったようだ。

「さあ、あるといえばあるのかもしれない。現実に私は未来からここに来ているわけだからね」

「…………」

 一波は宣言通り、口を挟まずに聞いている。

「証拠は……あるの?」

「いいえ。残念ながら未来から来たことを示す証拠はないし、証明もできないわ」

「……じゃあ嘘かもしれないんだ」

「それはそうね。私が逆の立場だったら信じない。でもそれを話す人が信じるに値する人だと思えれば、私は無条件で信じるわ」

「……それってイエス様、というか神を信じるってことと同じかな……」

「そう。アダムとイヴを信じなければ、私たちはここにいないことになってしまう。藍ちゃんと私はさっき出会ったばかりだし、私を人として信じろなんて言わないわ。だから仮定の話でいいの。私の話すことが本当だとして、藍ちゃんは協力してもいいと思えるか、それを決めてくれればいいわ」

「……うん」

 藍は既に凪雫という人間に魅せられており、信じる準備はできていた。


「私が暮らす24世紀にタイムトラベルを可能にするデバイスは無いわ。あるのは作られた世界だけ。つまり高度な仮想現実化技術によって、あらゆる時代を正確にシミュレートできるようになった。そのシミュレートされた世界に、人間は極素粒子というのに変換されて入り込むことができるの。だからとてもリアルな人生を経験することができるのよ。人の一生を80年として、それを実時間の2時間くらいでね。でもそれは本当の世界じゃない。24世紀の人たちはこれをある種のゲームとして楽しんでいたの」

「へぇ……何だかよく分からないや。でもこの時代だってVRでいろんな時代を遊べるよ」

「そうね。でもそのVRでタイムトラベルはできないでしょ?」

「そりゃそうだよ」

「それがどういうわけか今回できてしまったのよ。タイムトラベルが。こんなのは初めてのこと。だから正直、私もこの状況を正しくは理解できていないの」

「……なら元の世界に戻ってやり直せばいいじゃん」

「それができないから調査しているの。でも方法が全く無いわけじゃなくて、あと1年半くらいかしら、その期間にあるナゾナゾを解けば戻れるらしいの」

「ナゾナゾ? ふーん……で、もし解けなかったら?」

「死んじゃうみたい」

 藍は凪の話を半信半疑で聞いていたが、死に至る結末があることに不安を覚えた。

「私の他に3人、24世紀の人がこの世界にいるんだけど、その人たちも同じ。ナゾナゾに正解すれば未来へ帰れるし、失敗すれば死んでしまう」

「……そのナゾナゾって、解くの難しいの?」

「簡単でないのは確かね。だからこうして手分けして調査してるの」

「あのおっさんも未来の人?」

 藍は一波を指差した。

「いいえ、違うわ。彼が血眼になって探している人がナゾナゾの出題者なの」

「……それって、あの木佐貫一のこと?」

「そう。一波さんがあなたを必死で追っていたのは、木佐貫一について何かしら関係があるからでしょ?」

 凪は自分がここにいる理由を、10歳の子供がイメージできるように話し終えてから藍に問いを発した。


「……ボクのお父さんは天文学者で日本人。お母さんがイタリア系ユダヤ人なんだ。このおじさんはボクのお父さんの兄妹が木佐貫の友達だって言うんだよ。ボクはそんなこと知らないし、木佐貫なんかに会ったことはない。それは本当なんだ。信じてくれる?」

 凪は一波と藍の間で交わされた会話を想像した。

「そう……もちろん信じるわ。藍ちゃんは嘘をついていない。でもこのおじさんも、多分嘘はついていないと思うわ。ねえ、一波おじさん」

 凪は約束通り静かに話を聞いていたジャーナリストに、この会話への参加を許可した。


「そうおじさんおじさん言うなよ。これでも気持ちは青年のつもりなんだぜ。まあいい。俺は独自の調査によって昼埜星(ひるのあかり)という女性が木佐貫の共同研究者のひとりであると踏んでいる。(あかり)の兄は豊、藍の父親だ」

「それって、木佐貫黙示録の署名にあった『with 2 dear friends』のひとりってこと?」

「ああ。俺はその可能性が高いと思っている。君たちは恐らくこのふたりを科学者だと思っているだろう。でも奴は敢えてフレンドと記した。友達は科学者とは限らない」

 一波の指摘は、凪たちが一つの可能性を暗黙の内に排除していたことを気づかせた。

「確かに。あなたの言う通りだわ。ふたりは科学者であり木佐貫さんの助手だと決め込んでいた……」

「知っての通り、木佐貫の人間関係は謎に包まれている。俺も他の事案を調査中に偶然、昼埜に関する情報を得ることができたんだ」

「インフィニット・ワールドの歴史によれば木佐貫さんに共同研究者は存在した。この世界にも彼らは実在するのか、学会、政財界に潜入して調べたけど、その名前を確認することはできなかったわ」

「そうか……まあ表の世界にはいないだろう。俺はそう、君たちが異次元へ現れた日だ。妙な深発地震らしき揺れがあって調査をしていた。その1ヶ月前にも同様の現象があり、世間が気味悪がっていたんでね」

『異次元』での出会い以降、深発地震の原因は自称未来人の来訪に起因するものではないかと、ジャーナリスト一波は仮説を立てていた。

「表の学者に聞いても埒が明かない。そこで学会から距離を置いている社会学者を訪ねた。まあ、結局使えそうな情報は得られず、帰り際に雑談をしていたら昼埜星という教え子の話をし始めたんだ」

「……昼埜星は社会学を学んでいたの?」

「いや、その学者のゼミだけ取っていた。昼埜の専門は情報工学だ」

「……情報工学、ということはコンピュータ系ね」

「その社会学者の話によると、昼埜星の卒論テーマはCOVIMSANIAで、このバイオテロと先のサイレントテロは、人類史上最初にして最後の最も美しい人間的抵抗だ、とか書いていたらしく、その計画内容やハッキング技術についてえらく木佐貫を神格化していたようだ。この論文で昼埜星はサイレントテロを未然に防ぐためのハッキングシステムを提示した。そして卒業後、木佐貫のように失踪して行方不明のままだ」

「……木佐貫信者って結構いると思うけど、失踪が確認できた人って他にいる?」

「今のところ彼女だけだ。彼女は木佐貫の起こしたサイレントテロを上書きする天才ハッカーであると同時に木佐貫信者だ。恐らくかなり高度なネットワークを構築して連絡を取り、共同研究をしていると俺は睨んでいる」

 凪は一波の、木佐貫一に対する揺るぎない情念を垣間見た。


「藍ちゃんごめんね、何か難しい話をしちゃって。昼埜星さん、藍ちゃんにとって叔母さんね、この人には会ったことはあるの?」

「……多分あると思うけど、ボクが3歳くらいのときだからほとんど覚えてない。会ったのはそれだけ。あ、みんなで撮った写真のデータはどこかにあると思うよ」

「そう、それ、今度でいいから探してみてくれない?」

「うん。いいよ」

「あと、お父さんにね、星さんが今どこにいるか知っていそうだったら聞いておいてほしいな」

「……じゃあ、写真を見たくなったって言って、そのついでに今どこにいるか聞いてみるよ」

「お、いいねその戦法! それで行こうぜ!」

 一波がつい口を挟む。

「あとね、このおじさんだけど、一波鋭さんという日本ではそこそこ有名なジャーナリストさんなのよ。信用していいわ。私が保証する」

「そうそう、そこそこ有名です」

 凪のお墨付きを得た一波は胸をなでおろした。


「藍ちゃん、始めに話した通り、私たち未来人にとっては命がかかっているの。私や一波さんのことはお父さんたちには内緒にしておいてね。多分、怪しい人だと思われちゃうから」

「うん。分かったよ。凪姉ちゃんの秘密は守るし困らせたりしないよ! この変なおじさんも凪姉ちゃんが言うんだから信じるよ!」

「何! 変なおじさんだと! こいつ調子乗りやがって!」

「お、怒った! じゃあ明日またここでね! ケバブもお願い!」

 ボーイッシュな少女、昼埜藍は一波の攻撃をひらりと交わし、颯爽と階段を駆け下り、ヴィア・ドロローサの雑踏へと消えていった。


「――ったくあのガキ、すばしっこいやつめ」

 藍の捕捉に失敗した一波は屋上へ戻り、沈みかけた夕日を眺める凪へ歩み寄った。

「いいじゃない、元気があって。子供なんて元気だけが取り柄よ」

「違いねえ。あ、すまねえな、色々サポートしてくれて」

 愁いを帯びたエルサレム旧市街は夕焼けによって鮮やかな陰影が描かれ、訪れる闇を前に静かな抵抗を試みていた。

「いいのよ。私こそお礼を言わなければ。ありがとう、とても有益な情報を得ることができたわ」

 絶景を目に焼き付けた凪は一度瞳を閉じ、くるりと身体を反転させて一波の眼差しを捉え、礼を述べた。

「いいさ。口約束とはいえ俺たちは協働関係にあるんだ。というかあれからもう1年半か……早えな……」

 一波は『異次元』での出会いを懐かしんだ。

「ところで、藍ちゃんのご両親には接触したの?」

「いや。もちろん直接話せれば何もあのガキを捕まえようとは思わないさ。俺が調べているのは国際指名手配犯の木佐貫だ。昼埜星が奴と関係があるとして、ガキの親がそれを知っていたとしたら……」

「……そうね。話すわけないし、あなたを警戒するでしょうね」

「ああ、そうなっちまったらガキを使って聞き出そうにも難しくなる」

「でもあのままだったら藍ちゃんに怪しまれて終わっていたわね」

「いや、それは面目ない。本当に助かった。それとなく聞き出せそうだしな」

「それはどうかしら。五分五分ってとこね」

「まあ、そんなに簡単じゃねえよな……」

「藍ちゃんは……そう、多分、純粋に冒険をしたいんだわ。好奇心に満ちている。私の話を疑うよりも信じることの方が面白いと感じたのよ」

「そりゃまあ、子供だからな」

 ふたりは再びエルサレムの夕焼けに目を向けた。


「凪ちゃん、俺はどうしてもタイムトラベルなんて信じることはできねえ。ジャーナリストの性分なんだろうけどな。ただそのペルソナを剥ぎ取れば、俺は案外オカルトも好きなんじゃないかと思っている。なぜならそこには創造的なロマンがあるからな」

 一波はジャーナリストの矜持とロマンが両立できるとは考えていない。しかしジャーナリストの仮面を脱いで自分自身に向き合ったとき、一波鋭という剥き出しの個にはロマンがあることを吐露した。

「ねえ一波さん、私たちは来るべき日に命題の解を持って木佐貫さんと恐らく対面することになるわ。どう? 私たちと共に行動してみない?」

「それって……1年半後だろ?」

「言い方を変えるわ。私はあなたの力が必要だと感じた。だから共に行動して欲しい」

 凪は一波鋭という人間が持つポテンシャルの高さに大きな可能性を感じていた。


「ほう……未来人からオファーとは、こりゃ光栄なことだな……」

 一波はゆっくりと目を閉じ、深い呼吸の後に話を続けた。

「いいだろう。10年費やしてこのザマだ。俺も手詰まりを感じている。この昼埜星を知ったのも偶然の産物だ。1年半後であろうと奴に接触できる機会は失いたくない。俺もその解を探す旅に同行しよう。だが君たちと信頼関係を築くにあたり、いくつか知っておきたいことがある」

 良好な人間関係を築くために相手のことを知る、というこの世界では当然の営みを一波は欲しているに過ぎない。

 一波には遠くエルサレムにまで足を運び、『木佐貫黙示録』の解を求めて活動する凪の話に偽りがあるとは思えなかった。彼が彼女に聞きたかったことは、ジャーナリストの『一波鋭』ではなく、一個の人間として生じた疑問であった。

「いいわ。どんなこと?」

「凪ちゃんはさ、なんでVRLとかいうゲームにのめり込んだんだい? 未来の通常の生活ってのはそんなにつまらないのかい? 君にとって生きることの意味とは……」

 表層的な利害関係だけでは信頼など生じえないことを、一波も凪も理解していた。

 凪雫とは、圧倒的な実力と人気を誇るVRL界のカリスマであった。ゆえに彼女がそのペルソナを剥いだ一個の人間として問われる機会は、これまでほとんどなかった。

 一波の関心はそんな凪雫が持っている人生観と価値観であり、VRLシステムが内包する負の側面についてであった。


「のめり込む、という表現は恐らく適当ではない。インフィニット・ワールドでは誰もが18を超えたらVRLをプレイする。私にとってVRLとは……そう、むずがゆい心の疼きを忘れさせてくれるような、一種の薬のようなものかしら。私が生きている世界、インフィニット・ワールドは虚構と現実の境目が曖昧。労働の必要性が消失した世界を、かつての人類は夢のように思うでしょうね。でも純粋に労働を消滅させるだけでは人類に幸せは訪れない、とAIは判断したんでしょう。だから18年間の義務教育期間が設けられ、VRLの開始年齢を定めた。そしてこれまで人類が歩んできた歴史や経験は、VRLという娯楽システムを借りて補完する流れを作った。多くの人はそれによって満たされているのだと思う。しかし私は、まだ何ものにも満たされていない。なぜかは分からない……だから私はVRLという一種の旅を続けているのだと思う」

 凪が自身について赤裸々に告白することなど、これまで一度たりともなかった。そのような話を他者と共有できるとは思わなかったし、する必要もないと感じていた。一波鋭という21世紀のジャーナリストは、それが意味するところを理解するだろう、なぜか凪にはそう思えたのだ。


「君の表情はとても物憂げだった。俺はそれが気になっていたんだ。感情の表出がないのではなく、押し殺しているように感じた。冷静でクールと言えば聞こえはいいが、君はそれを望んで演じているわけではない。満たされていないと言ったその言葉がすべてを物語っている。俺の疑問は解消したよ」

「…………」

 凪は言葉に詰まった。

「君は自分で述べたように、VRLでは満たされない。それはこの先も変わらないだろう。その点、柊くんは生き生きしていたね。それは初心者で希望に満ちているからだ。俺は君たちが住んでいる未来とやらは、あまり楽しいと感じないね。その答えは単純さ。人の一生なんて本質的には一度切りだということ。一度しかないから、精いっぱい生きるんだ。人生がいくつもあってたまるかよ」

 一波は哲学めいた持論を展開した。

「……インフィニット・ワールドではAIの導きによって恒久的な平和が実現されているし、必要な経験はVRLで得られる。この21世紀のように多くの制限に縛られることもない。でも私はそれに満たされることはなかった……あなたはその原因がVRLそれ自体にあるというのね」

「そう。凪ちゃんは俺が生きるこの21世紀をどう思う? 極論すれば暴力が支配する世界だ。人の支配とは即ちこれ暴力。その悪夢のループから脱するために統治をAIに委ね、誕生したのがインフィニット・ワールド。そこは一見ユートピアのようだが、いつでもディストピアに裏返る可能性を秘めている。つまり、光あるところには闇があるという必然だ。君はその闇に薄々感づいているんだろうさ」

 凪を天を仰ぎ、目を閉じて唇を噛み締め、首を横に振った。

「分からない……私は未来の記憶を保持した状態で21世紀に降り立ち、そしてエルサレムにいる。嘆きの壁が発する()()に幾度となく耳を傾け、ヴィア・ドロローサを何度も往復した。そんな日常を繰り返す中で、私は神に出会った。神は神でも、死神だ。だが恐怖を感じることはなかった。死神が突き付けた死の実像はとてもリアルで、鮮やかで、美しいとさえ思った。私はこれまで600を超えるVRL経験を積んできた。その経験は記憶に刻まれているはずなのに、そのような死に出会うことは……これまで一度もなかった……」

 言葉の波が防波堤を超えて溢れ出し、涙が止めどなく零れ落ちた。

 凪は人生で初めて、人前で泣いた。

「いいだろう。それ以上は話さなくていい。俺はこれから1年半、君たちが未来人であることを信じよう。期間限定だ。そして協力を約束する。君たちが生きて帰れるように」

 真実を追求し、愛するジャーナリストは、凪雫の中に燻る真実の原石を確認した。


 翌日、昼埜藍は約束の場所に現れなかった。

 凪と一波は藍を探すと共に、昼埜星と兄の豊、その妻フランチェスカについて調査を開始した。


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