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お試し実験!!!


とうとう今日から研究室が始まる。

要するに昨日のは研究室紹介であっただけで、予告編みたいなものである。

今日から始まるのが本編、メインストーリーである。


私が勢いよくドアを開けるとドアの向こう側にいたセレン先輩に勢いよくぶつかった。

「いってぇ!!!おま!!!!ゆっくり開けろよな!!!ヒヤリハットだぞ今の!!!」


「ひぇ!すいません、まさか人がいるとは。。。」


「扉周辺は基本的に人がいると思って行動しておいたほうがいいだろうな」


いつの間にか隣にいた亮二先輩が声をかけてくれた。

「まあ気にしすぎることはない。昔はよくセレンも同じことをやってたから。」


「そうなんですね。なんか親近感わいちゃいます!」

笑いながらそういうとセレン先輩もニコリと笑い、「同盟組もう」と怪しげな提案をしてきたので、それについては考えておきます、とお茶を濁した。



そんな雑談をしていると凛先輩がやってきて

「皆のシュー、元気にしておるか?」

とのんきな声をかけてきた。


「元気です」ニッコリとアルミちゃんが答える。


「今日は一年どもに、アッ違った、四年どもに研究室とはなんたるかを知るためにお試し実験というものをいくつか用意したよ!!!!」


私と鈴ちゃんとアルミちゃんの四年組は思わずおぉ~と感嘆の声を漏らす。


「この実験はねえ。教科書に変えてあるから化学を勉強したことがあれば知っているんじゃないかな。

friedel crafts反応だよ。フリーデルクラフツ反応。英単語じゃかけないやつ。

はい!じゃあ梅田ちゃん!フリーデルクラフツ反応ってどんな奴だっけ?覚えている?」



ええ!ここでいきなりクイズ形式?

ええとたしか授業で聞いたことがあったな。。。

「フリーデルクラフツ反応はベンゼン環にアルキル基の導入に用いられる反応です」

慌てながらも自分の引き出しから最良の答えを引き出すことができた。


「あってんじゃん!さすがであるな!」

なぜか凛先輩のテンションは若干上がり気味であった。


凛先輩を亮二先輩がフォローする。

「そうそう、今までは教科書とかノートで勉強したと思うんだけど、今回はそれを実験器具で見てもらうからな。

何が起こっているのか、何が出来上がるのかをしっかり予想して実験を進めていこう。」


冷静な亮二先輩をみて凛先輩は少し落ち着いたようだ。

「この実験の大きな目的は有機化学的実験操作に慣れてもらうこと、そして、うちらでよく使い測定機器にもある程度触れておいても羅うためでもあるんだよ」


凛先輩、おっちょこちょいかと思っていたけど意外としっかりしてるんだ。

と思った。

多分同じことを鈴ちゃんはおろかアルミちゃんも思っている。

顔に書いてある。


凛先輩がこちらをエヘンとした顔で見てきたが、

すぐにその表情は崩れ、亮二先輩に耳打ちした。

耳打ちといってもほとんどその会話内容は私たちにも聞こえていた。

「試薬買ったっけ?」

「試薬?凛さんが私買っとくよ~~(^0^)って言ってたじゃないですか」

「ヴぁ!!ちょっと試薬庫見てくるね!!!!」


そういうと凛先輩は試薬庫に駆け足で向かった。

その後、すぐに安心した顔で戻ってきた。


「あった~~~。よかった~ビビったよ。マジで!」


亮二先輩は安心しつつも少しあきれたようだった。

「まあよかったですけど。。

ああ~、必要な試薬は自分らで購入依頼を先生まで提出する必要があるから、

実験計画を立てるときには試薬の納入期間や残り量にも気を付けなよ。

凛さんみたいになるからな。」


「何か悪口を言われている気がする。。。」


凛先輩がそうつぶやいた。

いわれている気がする、どころか割とストレートな悪口では?

と思ったが、言わないことにした。


何はともあれ実験が始まる!ワクワクだ!









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