沢。
006
「あなたは、それをやっていて、楽しいんですか?」
「ん?あぁ、畑仕事の事?まあ、楽しいかな。そう言えば、名前って、言ってなかったよね?私は、紗梨だよ。あなたは?」
「サリですか。登録しておきますね。私は…サリに付けていただきたいです。」
名前、無いのかな?それなら、付けてあげても良いか。
「うーん。イメージは、AI何だよね…アイじゃ、何かありふれてるし…ナツ…うん!ナツがいい!!夏野菜のナツね!」
「夏野菜…ナツ…」
あれ、お気に召さなかった…?え、じゃあ、他の名前を考えないと…って、そんな人の名前なんて、普通にこんな子供が考えないでしょ!!
「ありがとう。サリ。ナツ…かわいい名前ですね!」
「あ、あぁ、どうも…」
「さ、さ、作りましょう!私、興味湧きましたよ…!サリが作るものなら、何でもお手伝いいたしましょう!」
何か、創作意欲わいてる…
「あ、でもさ。どうやって、手伝うの?」
「そりゃもちろん、こうですよっと!」
ヒョイッっと、インベントリから顔をだし、華麗に地面に着地する。
可愛い。え、私より可愛い。あ、いや、私は可愛くないから、ナツの方が断然可愛いってことだよ…!うんうん!
「ナツ…何か小さいね。」
「まぁ、この世界じゃ妖精っていう設定で出てきてるからね。」
「喋り方も、普通だね。人間っぽい!」
「名前もらいましたからね!」
ほう、、名前をあげると、そうなるの?理解、理解。
「ちょっと、違うような…ま、そんなところでしょう!」
二時間後…
「やっと、耕し終わった!!あぁ~~疲れた~!!」
久しぶりに、土いじりしたし、楽しかったし!何より、手伝ってくれる妖精さんがいるしね!
あ、でも、水どうしよう…無いと、育てられないんだよね…
「水ですか…」
「ナツ、出せる?」
「さすがに水は…無理かと…」
「そうか…」
あ、そう言えば、ここに来たとき何処かに沢を見つけたような…
そう思って、辺りを散策する。
お、あったぁ!
「ありましたか?」
「あ、うん!あったよ!」
家の裏側に、細々と流れる、沢があった。
これは、飲めると思う…多分。大丈夫。
手で水をすくい、ゆっくりと顔に近づける。
「あ、え?飲むんですか!?サリ!?」
ごくんっ
「あ、美味しい!」
よくおじいちゃんと出かけた山にもこんな沢があったよね。あの水も飲めたんだよね…
「サリ!?大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ、ごめん。この水、飲めるし、美味しいよ!」
「立派なお方が、土から流れている、水を…」
「ん?どうしたの?」
「いや、何でもないです。」