廃墟と概念
003
「家に、沢に、畑か…!ここに住んじゃおうかな?どうせ、買う人来ないだろうし。」
夢なんだから、そのうちここからいなくなるんだし。
…待って、この感じって…
実にリアリティ溢れる、世界観。そして、突然の夢…これは、ぞくに言う、
転生か、転移!?
私が住んでいる、日本に。いや世界に、そう言う概念があって良かった。そう言う、設定の物語があって良かった。なかったら、そう言う可能性も見出だすことが出来なかった…
「夢みたいだけど、夢じゃない。本当に、、転生系?」
沙莉は、ボロ家の前。扉の前で、立ち止まった。
いやいや、そもそも、転生なら一回は死ななきゃいけないってことでしょ?学校にいたんだし、死んでないんだから。転生じゃない!
よし!そうと決まれば、目が覚めるまで、ここでゆっくり暮らそう。誰にも邪魔されないで、畑仕事ができる。
誰にも、バカにされないで野菜と過ごすことができる!
そう思って、止まっていた足を動かし、扉を開けた。
「あ、あはは。住むも何も、ここを綺麗にしてからじゃないと何もできないってもんよね。…はは、」
足を踏み入れた、家の中は蜘蛛の巣まみれの、埃だらけのいかにもな廃墟だった。
「これで、売ろうとしている人…尊敬に値するわ…」
っていうか、これが夢なわけないじゃない!
たとえ悪夢でも、ゴキちゃんが出てきたりするくらいで、私が一番嫌いなものが出てくるわけないじゃなーーい!!
夢だと思っていた自分を、叱りつけたいわ。
「女の根性、見せてやるんだからね!!」