親衛隊 作戦会議
くだらない!
自分でも、そう思います。
学院の高等部言語学教室には、女子生徒が10数人集まった。
「皆様。」
トールマーレ嬢が声を上げる。
「お集まりですわね。
今日は親衛隊精鋭にお越しいただきました。それでは先生から本日の趣旨をお願いします。」
「皆さん、週末にごめんなさいね。本日より3日間、貴女方のお力をお借りするわ。」
もちろんですわ~!
という、合唱。
趣旨は既にトールマーレから伝わって居る。ここに参集した者は、授業をエスケープしてでも力を貸そうという精鋭だ。
クレア親衛隊。
辺境伯の孫娘、次期ヴァレリオーズ領主たるクレアは、学院高等部1年の17歳。もうすぐ18歳。
1年の次席という才媛、かつその容貌と腕っぷしの良さと竹で割った性格から、中等部入学以来、徐々にファンが増えた。今では、学院以外にも広がったファンは、何時しか、
クレア親衛隊
と称している。
トールマーレ嬢は、クレア入学からの親友。
ミュージアさんは、
クレアを愛でる会会長。時折回覧ノートと情報交換の茶会を開催している。
そして、アオイ・リーゼンバーグは親衛隊の隠れ顧問と担がれている、らしい。勝手に生徒達がそうしたと言うのをつい最近聞いたばかりだ。
この立場を利用しての参集である。
アオイが立つ。
「では、確認します。
1つ 我々はこの作戦を完遂後も極秘とする。
1つ 我々はあくまでも王家の為になし、自分の欲は捨てる
1つ どんなにクレアに懇願されても、鬼になり作戦完遂を成し遂げる!
いいわね?」
異議ありませんわ~
という、合唱。
「筋書きはこうです。
アゼリア嬢が転校した本当の理由は、王子の嫉妬。
クレアとアゼリア嬢の親密さを危惧した王子の策略。
ほうら皆様!この耽美な2人なら、王子の不安もお分かりでしょう?
って、いうのをリアルにするのよ。その為には、私達の脳内変換を現実に下さなければなりません!
つ・ま・り
腐女子のみならず、一般の男性をもクレアの存在が、さもありなん、という態に仕立てなくてはなりません。
これは、かなり困難なミッションだと考えています!」
しかあしっ!
「私達に、不可能はございません!」
不可能はございません!
という、合唱。
「今こそ、私達の妄想を現実にする時です!」
今でしょ!
の合唱。
「妄想は、王家を救う!」
救いますとも!
という、合唱。
(恐るべし、女教師。)
トールマーレ嬢は舌を巻いた。
「では、各自の分担をお伝えします。」
説得係及び総監督=アオイ
助監督=トールマーレ
衣装担当=家政学科2年の皆様
(親衛隊所属)
ダンス担当=社交ダンス部長エリー嬢
化粧担当=ミュージア嬢
「先生」
「はい、ミュージアさん」
「短期間ですので、人海戦術となります。…お仲間を増やしても?」
「…真意は伝えずに。単に親衛隊の活動だと偽って下さい。」
分かりましたわ!
お手のものですわ!
という、快諾。
「では、皆様、出陣!」
参りますわ~〜~
という、黄色い歓声
と共に、乙女は散った。
馬鹿だなーと、思って下さい。