プロローグ2~
ルミナリエ
「翼さんにはこれから、貴方が今まで住んでいた世界とは異なる場所に行って頂きます
そこで何を見て何をするかの制約等はありません」
思考停止している俺に更に語りかけてくる、
女神は、決定事項として喋っているが、
何を聞けば良いのか、考えが纏まらない。
そもそも、こんな状況は普段想像なんてしないし、最近は、コミュニケーションの取り方がわからなくなっているのも、1つの原因だろう
ルミナリエ
「これから行って頂く世界は未だ他種族による争いが後をたたず、私の庇護、加護も上手く届かない場合が多いのです。
翼さんを召還しようとしていた方も、今の状況を打開しようとした苦肉の策なのはわからなくもありませんが・・・」
女神の申し訳なさそうな声だけが響く白い空間で、少しと言うか大分気になる事が有るのに気づいた。
それは・・・体調がすこぶる良い
産まれて32年でここまでスッキリとした感覚は初めての事だった。
翼
「体が軽いなぁ」
独り言でもかなり声は小さかったと思うのだが
ルミナリエ
「翼さんの体は筋肉の衰えが著しいかったので、私の力で新しい肉体へと昇華させて頂きました
新しい環境にも対応出来ると思いますし、何よりも新しい体はまだ10台後半ですので」
マジか、鏡すら無いから自分の外見はわからんかったので、肉体が新しいとか言われるとは思わなかった。
翼
「色々有りすぎて何から聞いて良いかわからないですが、俺は新しい世界で何をすれば良いのですか?」
ごくごく当たり前の事を聞いてみた。
俺には特筆して自慢出来る特技は無いし、何よりも、これから行くであろう世界について何も知らないのだから
ルミナリエ
「翼さんには私からいくつかのスキルを譲渡します。先程も述べましたが、世界に私の声は届かず、荒れている国も少なく有りません
そこで、翼さんには世界を旅して頂き、
私の代わりの導き手になって頂きたいのです」
翼
「具体的に何をして良いかわからないですし、出来るとも思えないのですが・・・」
ルミナリエ
「それは此れから徐々に見据えて貰えればと思っています。」
この女神さんは俺の何を見て、1つの世界の命運を託そうとしているか、わからないが、困った感情が出て来てしまった・・・面白そうだ!
俺は体調不良に陥ってからはテレビは見ずにラノベに現実逃避をしている事が多く、ある種の憧れすら抱いていたのである
翼
「出来るとは断言出来ないですし、不安は尽きないですが、自分に何処まで出来るかは、わかりませんが、やってみようかと・・・」
ルミナリエ
「良かったです~絶対に嫌だと言われても、元の肉体も造り変えてしまったので~」
こらこら女神様、口調が戻っている上に、思ってても口に出したらアカン奴だよそれは~
こうして、俺の異世界転移は決定したのである