「やまだ」の正体
1億円と帽子型の装置を回収して所長室に戻る途中、山田博士は廊下でスタッフの一人と出会った。昨日、冷凍保存室で太郎に帽子型の装置と薬を渡した助手であった。
「助手A君、昨日はご苦労じゃった」
「さっき受付の女性から聞いたのですが、太郎さんが訪ねてきたのですね。首尾はいかがだったのですか?」
「首尾は上々じゃ」
「それはよかったですね」
「しかも、どこぞの企業のように一部『じょうじょう』ではないぞ、全部『じょうじょう』じゃった!」
「、、、。うーん、あんまり面白くない、と言うより、つまらないダジャレですね。まあ、とにかく『首尾』は良かったのですから、今度は『攻撃』ですね!」
「、、、。君のダジャレもワシに負けないくらいつまらないぞ。豊洲先生の小説を読んで勉強しなさい」
「はい、分かりました」
「それはそうと、看板を元にもどさなくてはならん。助手A君、手伝いたまえ」
2人は建物の外に出て看板の前に立ち、『冷凍保存研究所...』と表記してあるラベルをベリッと剥がした。その下に書いてあったのは...
『夢プロ研究所:あなたの夢をプロデュースします。宇宙旅行も未来旅行も思いのまま。夢の中でユーメー人になろう。今なら入会金無料!』
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