踊り子さんに触らないで下さい
「おや、トム君、どうしてそんなにびっくりしているのかね」
「ヤマダ ハカセ ッテ 『ツルッパゲ』 ダッタン ドスナー」
「トム君はまだ相変わらず日本語の言い回しはイマイチだけど、『ツルッパゲ』とかの単語はよく知ってるねー」
「あちきは、カドちゃんのファンだったんどす。『ドフリターズ』はあちきの日本文化研究論文のテーマのひとつだったんどすぇ。そやから『ツルッパゲ』と言う単語はよう知ってまっせ。それにしても山田博士、『ツルッパゲ』の頭の表面に浅い凹みがぎょうさん見えとるが、それはなんどすか?」
「これはさっき外した新型脳電磁波検出装置の電極の跡だ。この装置、見た目は脳味噌模様でそうは見えないかも知れないけれど、最新の超高性能装置なんだよ」
「ふーん、そうなんどすかー」
「さらにその性能を最大限に発揮するため、頭をわざわざ『ツルッパゲ』にして頭の皮膚と電極との接触インピーダンスを...」
「えっ、淫靡[インビ]ダンス?ひょっとしてカドちゃんの『ちょっとだけよー』??それとも、ま、まさか、あの超有名な**劇場の超淫靡なダンス!!でも『接触』はあかんのやないか。あちきが日本文化研究のフィールドワークで取材訪問して最前席に陣取ったときには『踊り子さんに触らないで下さい』と厳重に注意されてしまったがな」