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プロローグ
「人生で一番大切なものは、やっぱり健康だなー」
太郎はしみじみつぶやいた。
主治医の診断では不治の病のため、余命3ヶ月とのことである。
「汗水流して一所懸命働いて、5億円貯めたのに、使う時間もないなぁー」
そんなことを考えながら街を歩いていると、妙な看板を見つけた。
『冷凍保存研究所:あなたの体を冷凍保存します。長期割引あり。今なら入会金無料!』
「外国ではそんなビジネスがあるって聞いたけど、日本にもできたのか。いかにも怪しげだけど、ちょっとのぞいてみよう」
「いらっしゃいませ。所長の山田と申します。体を冷やしに来たのですか?」
「いいえ、ちょっと冷やかしに来ました」