狂おしき夏の日
いくつか書いた夏ホラーの中でまともなのはこれだけでした(涙
ほのかに笑い、少し考え、ちょっとゾクついてくれたら幸いです。
俺には妹がいる。
八つも年下で、甘えん坊の寂しがり屋で怖がりで、霊感が強いと小さい頃から評判だった俺が脅かしたり、何かと俺が出掛けようとするとついてくる。そのくせそのことを指摘するとすぐに怒るけど、別に嫌じゃなかった。むしろそれが心地良かったのかもしれない。
春が終わり夏の兆しが見え隠れした頃。俺が出張で東北へ出掛けようとする朝、馴れない革靴を履いていると年相応な服装をしている妹が二階から降りてきた。
「私も行きたい!」
「いや、さすがにそれは無理だな」
俺は笑いながら、可愛らしく頬を膨らませていたまどかの小さい頭をくしゃくしゃと撫でた。
「それじゃさ、お土産よろしくね!」
「おう、それくらいなら良いけど。何が良い?」
「うーんとね、萩の月! 二箱!」
「・・・食い過ぎじゃね?」
財布の中を見る。うん、あとで銀行で金下ろさないと。
そうだ忘れるとこだった。
「なぁまどか」
「ん、なに?」
「夜の零時、窓ガラスみんなよ、霊界に連れてかれるから」
「えっ……!」
今時小学生でも騙されないネタでこいつは震え上がる。面白いったらありゃしねぇ。だがこんなんで高校初の一年間を過ごせるのだろうか。
俺はそんなことが不安だったり。
それはそうと以前、俺は本当に霊を見たことがある。高校二年の時交通事故で意識が吹っ飛ぶ前、運転手の後ろから赤いワンピースを着た女が不気味にこっちを見て笑っていた。
両足骨折が治って無事に退院してから調べたことだが、こういう赤い服や何かを身に付けた霊はヤバいんだと。取り憑いた相手をかなりしつこく呪うらしい。それと周りの人々も。
そもそも霊は意識朦朧していた時にしか見えない。ま、それ以来意識朦朧なんてしたことはないし何にも起きてないから別段困ってはいない。
迎えに来て外で待っている先輩を待たせるわけにも行かないので、震える顔のまどかに鍵かけを任せて慌てて飛び出していった。
「行ってらっしゃーい」
まどかの声が家の中から夏の空へと消える。
―――――――
―――――
―――
仕事も無事終わり、出張が終わってタクシーで帰る途中、喪服を着ている人がちらほらと歩いていた。誰が亡くなったんだろうと不謹慎なことを考えながら、家族と妹用に分けた土産を片手に俺は早く帰宅したい気持ちにかられた。
「千二百八十円です」
そんな運転手の声は、半分も聞こえていなかった。
亡くなったのは、俺の家族だった。
ポケットから財布を取り出して、新札の二千円を殴り捨てるように運転手へ渡した。
転がるように参列者の間を縫って走り、靴を揃えることすら忘れて家へ入る。お経が聞こえる部屋の扉を破壊するかのように勢いよく開け放つ。
妹が、黒い額縁の中から実に嬉しそうに笑っていた。
妹が、死んでいた。
棺の前で坊さんがお経を唱えている以外、部屋にいた人の視線は俺に集中した。常識知らず、そんなことを訴えてきた。
――うるさい、お前らになにが分かる!
ぐちゃぐちゃになったかもしれない紙袋を叩きつけるように捨て、顔を真っ赤に腫らして泣いている親父に近寄った。
「親父、なんでまどかが……」
「圭一……っ。まど、か、は」
涙と鼻水でいっぱいの親父からはその先の言葉は聞けなかった。
俺は膝をつき、肘をついて泣き崩れた。呆れるほどの大声を、世界中の人に訊き渡らせい。そう思いながら、部屋にはお経と叫びがいつまでも木霊した。
妹が死に、お袋もすでに他界している俺の肉親は親父だけになった。あの葬式以来、自営業をしている親父の売り上げは格段に下降していた。仕方ないだろう、俺だって未だ職場にほとんど行っていない。
今は多種なセミの鳴き声と、いつもと変わらない元気な太陽を受け入れながらまどかの部屋にいる。まどかという主を失った部屋は、どこか寂しそうに見える。
この部屋に入ったのは荷物整理だ。
落ち着きを取り戻した親父から、まどかは自殺だと聞かされた。だから俺は遺書のような、いじめられていたならそれを臭わせるような、そんな藁にすがるような気持ちでここにいる。
床に散らばるファッション雑誌にアルバム、タンスに張っ付けてある家族写真、まどかと彼氏である聡君と夕暮れのツーショット、視線をずらせばベッドの中でピンク色のイルカがじっと机を見ていた。
聡君とは比較的仲が良かった。まどかが帰ってくるまで一緒にゲームをしたり、格闘技について熱く語ったり、まどかも交えてドライブへ半強制的に連れて行かされたこともある。ツーショットはその時の写真だ。
机に向かう。
すぐ脇にある本棚には一週間の予定表が書かれてあり、床とは違ってきちんと整頓された教科書が並べてあった。
ここでふと携帯が震える。新葉 聡、デジタルな文字でそう告げている。
「俺だけど」
「圭一さん……今時間は大丈夫ですか?」
いつもと変わらない声に俺は少し苛立ちを覚える。しかしそれは彼なりの強がりなのかもしれない。
「あぁ、大丈夫だ」
「良かった、それじゃいつもの公園で」
ぶつ、と電源を切る音が耳に届いた。
いつもの公園、まどかが聡君に告白した公園だ。告白するなら夕暮れのこの公園だ、と教えたことが懐かしい。
公園では、閑古鳥が鳴いていた。
照りつけるような暑さに負けぬよう遊具は勇猛果敢に戦い、子供が来る日を強く待ち望んでいる。
そんな中、帽子をすっぽりとかぶっている聡君がベンチに座ってジュースを手に持っていた。俺に気づき、帽子を脱いで挨拶してくれる。
俺は聡君の隣に座り、『暑いね』と社交辞令じみた挨拶をした。
「わざわざ暑いとこすみません」
「いやいいよ、うち近いからね。で、俺に用は?」
七分のズボンを強く握りしめ、うつむき加減のまま聡君は、
「まどかの……ことなんですけど」
「………」
俺は黙って聞いていた。
「あいつ、死ぬ前日の早朝俺に電話して来たんです。いつものように他愛もない会話をして、今度いつ圭一さんを交えてドライブへ行くかとかを」
「ははっ、また俺を交えてか」
少しでも和ませるつもりで出した笑いは、引きつっていると自分でも分かった。聡君はそれでも軽く微笑み返してくれて、先ほどの苛立ちなんかはどこか遠くへ溶けて消えていた。
「それで話が終わったんで切りました。でもその夜、もう一度電話がかかってきて、明らかにあいつ泣いてました」
「泣いて……?」
「はい、最初は無言だったんですけど受話器の向こうから鼻を啜る音とかが聞こえてきて、どうしたってずっと叫んでたらこう、言った、んです」
聡君も途中から泣き始めた。コップ一杯の水が何かの衝撃で溢れだすかのように、なんの前触れもなく、突然。
俺は胸ポケットからハンカチを取り出して渡し、自分の焦る気持ちをなんとか制しながら次の言葉を待つ。三十秒ほど沈黙が流れ、ハンカチで涙を拭う聡君が口を開いた。
「『もう、やだぁ……、お兄ちゃん、聡君、助けて……』って……」
俺は、頬を伝う一筋の涙を感じるまで少し時間がかかった。悲しみもそうだが、憤りを感じていた。
まどかを、自殺にまで追い込んだ奴がいる。
「圭一さんっ! あいつは簡単に死ぬような奴じゃないんです!」
聡君は俺の胸を両手で叩いて、大声で訴えた。分かってる、あいつが、まどかが簡単に自殺するような奴じゃないって、兄である俺が一番―――。
「なにか、手がかりを知らないかと思って連絡したんです……」
「いや……まどかが死んだ日、俺は出張だったから分からないんだ。ごめん」
自分があまりにも不甲斐なく感じた。出張とはいえ家族に気を使えぬ自分自身に吐き気がした。出張だったからなんて言葉は言い訳にすぎない。
「そう……ですか」
「ごめんな、なんにも知らなくて……兄貴なのにな、俺……」
「いえ……」
聡君が落ち着いて俺から手を離し、再び沈黙が訪れる。
「今日はありがとうございました」
「こっちこそ、ありがとな」
「それじゃ……」
結局沈黙だけで三十分の時間を費やし、慰めの言葉をかける余裕すらない俺はベンチの近くに置いてある自販機でオレンジジュースと無糖のコーヒーを書い、ジュースを聡君に渡して飲んだ。
飲み干すと、聡君は親から連絡を受けた。休んだ塾の補講を受けねばならないらしい、英才教育とは聞いていたがやりすぎな気がする。特に今の時期は。
聡君と別れた俺は金網タイプのゴミ箱に空の缶を入れて帰宅する。
夜。出前の飯を平らげた俺は親父の様子を見ながらぼーっとしていた。こうでもしないと親父は心的ショックゆえ食べないで寝てしまうから。
もそもそのろのろと丼の飯を平らげ、食べ終わったのを確認してから俺はまどかの部屋へと向かう。昼の続きだ。
部屋に入ると、正面に居座って全身が映るような窓から月明かりが薄手のカーテンをぶち抜いて前方の半分ほどを照らしていた。
電気をつけ、寿命間近の蛍光灯が力を振り絞って周りを照らしてくれる。昼来た時と代わり映えのない部屋。違うのは、蝉の声から名前すらも分からない虫の声が外からけたたましく聞こえるくらいだろうか。
押し入れを開ける。四年ほど前に買ってやった電池式のピアノが一つ、俺のおさがりの机の上で埃をかぶっているだけだ。ここじゃない。
他殺に等しい自殺。ならばなにかに悲しみをぶちまけるはず、そんなことを考えながら俺は部屋を探しまわった。自分のため、親父のため、聡君のため。必ずやった奴は見つける。
それからの俺は必死に探し回った。さすがにタンスの中は見れなかったが、机取り付きの引き出しも、本棚も、抱き枕の下すらも探した。見つからない。
『なにか分かったらメール下さい』
そうなんの装飾もなく来た聡君のメールをベッドに腰掛けながら眺め、謝る。
――ごめん、なんにも分からなかった……。
携帯を閉じて、この部屋を去ろうと手をつくと、なにか固い物に当たった。
――まさか……っ!
布団の上にはなにもない、ということは下。もしや、と思って布団をめくる。
当たりだ、明らかに人目から遠ざけた日記があった。
表紙をめくり、死ぬ一週間ほど前から隅々まで読んでいく。しかし死をほのめかすような単語は出てこない。次第に焦りが生まれた。
死ぬ四日前、俺と聡君と三人で談笑したことが書かれていた。俺のボケは面白いとか、聡君の突っ込みはプロ級だとか、そんなことが延々と上から下まで。
こんなお兄ちゃんをくれてありがとうお父さん、と女の子特有の丸い字で記されている。
死ぬ三日前、聡君と一緒にゲームをしたこと。クレーンゲームが恐ろしいほど上手いらしく、ピンク色のイルカもそこで取ってもらったらしい。こんな生活がいつまでも続いたらなぁ、と可愛らしい文字で最後に書かれていた。
死ぬ二日前、つまり俺が出張に出掛ける日。 俺がしばらく家を空けることに対しての愚痴と、聡君の態度が少し違うことが書かれていた。あとは俺がいない時の親父が頼りになることか。
聡君の態度が違うのは、人間である限り仕方ないだろう。
早く帰ってこないかな、今度は最後にそう記されている。
俺はなんの手がかりも見つからないという不安と、見つけた後に対する複雑な気持ちから死ぬ前日のページは開けないでいる。震える指が、荒い息が、早くなる鼓動が、せき立てる。
次のページが動かぬ証拠になったらどうする? 警察に突き出す、それも良いだろう。だが、どうせなら俺達の幸せを壊した奴を本気でぶん殴りたい。
勇気を出して、次のページを開いた。
俺の目の前は、真っ暗になった。失明したわけでも停電したわけでもない、書き記されている言葉にただただ唖然としている。
最初は聡君に電話して俺の運転で海に行こうと書いてあった。そして続きは後のことを書こうとしたのだろう、一行スペースがあった。
その下、中盤にさしかかるあたりから、『死にたい』、『死にたくない』、『なんで私が』、『助けて』と連続で、書きなぐられていた。筆圧は濃く、直線で書くべきところもかなりぐにゃぐにゃ。
間違いない、朝から夜にかけて何かが起きたはず。
涙で滲む視界をなんとか振り絞って、日記をかぶりつくように読んだ。そして、本を落とした。信じられない、信じたくない言葉が書かれていた。
『お父さんに、犯された』
どの位放心していただろう、牛蛙の声が俺の意識を現実へと引き戻す。気づいたら柱にかけられていた時計が二十二時と表示されていた。
本を拾い上げ同じところを何度も何度も、目が痛くなるまで、気が済むまで、ひたすら読んだ。読み終わったら頭に戻り、また下までいく。やはり、同じ文字が俺の目に映って希望を絶望に塗り替えていた。
まどかを死に追いやったのは、親父だ。なら俺のするべき行動は決まっている。
俺は聡君にすぐ家に来るよう連絡し、いつもと同じような歩調を心がけて、一階の玄関へと向かう。靴紐を結んでいる最中、親父が話しかけた。
「圭一……出掛けるのか?」
「まぁね」
自分でも驚くような冷静な声で答えた。そうか、と言いながら親父はトイレへと消える。俺は外に出て、聡君の到着を待った。
街灯が少ないせいか虫はそこに大量にあつまり、何匹かの蛙が一斉に鳴いた。 十五分後くらいだろうか、灯りすら点けずにチャリを飛ばしてきた聡君が来た。カゴにショルダーバッグがあるあたり、塾帰りだろうか。
家の前でドリフトじみた駐輪をして、
「手がかりって、なん、ですか……!」
肩で息をしている聡君に手を当て、うちに入るよう促す。
聡君は事態を把握出来ていないかのようにキョトンとしていたが、すぐに頷いてくれた。
家の中に入り、廊下のところから親父の部屋を叩く。しばらくしてから返事があったので茶の間に来るよう言付けしてから先に行った。
日に当たり過ぎて色落ちした畳が敷き詰められている茶の間の真ん中には小さく四角いテーブル。上座に俺が座り、右手側には聡君が、真正面には寝間着の親父が座っている。緊迫する空気に一呼吸置き、
「まどかの、日記を見たんだ」
親父と聡君の目が、変わった。
「二人とも知ってると思うけど、まどかは俺と聡君に依存してた」
「はい……そうかもしれませんね」
「………」
親父はただただ沈黙を貫き通し、聡君はショルダーバッグを握り締めている。
それもそうだろう、この状況は手がかりどころか犯人を特定しているような雰囲気だ。犯人を早く聡君に伝えたい気持ちを抑え、ゆっくりと順序をおう。
「それで日記には俺や聡君がああ言ったこう言った、ってしつこく書かれていた。親父、あんたに対する感謝もな」
今度は二人とも沈黙する。だが親父のほうは血の気が引いていくのが手を取るように分かる。ちらちらと聡君の顔をうかがい、俺が何を言うのか予想してる節だ。
「だけどな、まどかが自殺する前日には、こう書かれていた……。親父、あんたに『犯された』ってな!」
ドン、と破壊するを目論むがごとく強くテーブルを殴った。そして、今度は俺の血の気が引いた。
何かを言おうと口を開いた親父の首から、大量の血液が噴水のように吹き出していた。餌を食べる金魚のように口をパクパクと動かし、聡君のほうを見ながらゴツンと音を立ててテーブルに突っ伏した。
斬りつけたのは他でもない、ショルダーバッグから取り出したナイフを握っている聡君。バッグは不気味に口を開けており、主とともに凄まじい返り血を全身に浴びている。パラシュートコードがぎっちりと巻かれているナイフが嘲笑うかのように光り、血が畳を染めていく。 俺は、親父と聡君を何度も交互に見た。余りにも急展開で、心なしか笑っている聡君に恐怖し、狼狽した。
「さ、聡君、一体何を……」
「あ〜ぁ、まだ気づかないんですか?」
俺の反応を待たずに、およそ俺の考えることなどをはるかに飛躍しすぎている言葉をサラッと紡いでいく。
「このおっさんにまどかを犯すよう言ったのは、僕ですから」
「……な………に?」
「知らないでしょうけど、このおっさんは闇金融に手を出しました。繁盛しない自営業者の上寡婦に二人の子は負担が大きかったんでしょう。日々倍以上に膨れ上がる借金はついに億単位になろうとしています」
闇金融。
実質的な取り立ては今まで無かったものの、不安を煽る。
あまりにも漠然とした話だがこの状況は信じるしか選択肢がない。頬を伝ったのが涙なのか冷や汗なのかすら分からない。
「そこに僕が助け舟を出しました。こっちが返済する代わりに、自分の娘を犯すよう条件をつけて。フフ、もちろん最初は嫌がってましたね」
やめろ・・・。
「でもね、精神的につらかったんでしょう。アナタに相談したくとも出来ず結構、圭一さん、あなたという最大の障害がいなくなった出張の翌日、」
やめろ、やめろ・・・。
頭を抱える俺を嘲笑うかのように、聡は大声で言い放った。
「眠ってるまどかを犯したんですよ、実の父親が! 普通やらないですよ。アハハハハハハハ!」
「やめろぉおおお!!」
聡の声をかき消すかのように、想像してしまう自分に、自殺への真実に、近所迷惑などという甘っちょろいことすら考えずに叫ぶ。
聡は含み笑いをしながら俺の続く言葉を待つ。
「なんで、そんなことを……? それに金はどこから手に」
「……なにを言うかと思えば、そんなことですか。簡単ですよ、前者のはあなたたち一家に飽きたから、後者のは、僕の父が闇金融を営んでますから」
飽きた、こいつは今そう言ったのか?
俺に、まどかに、飽きたから、そんなことを親父にさせたのか……?
知らず知らずのうちに、俺の拳には力が入っていた。
「フフ、いい暇つぶしでしたよ。さて、僕はそろそろ行きますよ」
「待、」
待て、そう言いかけた俺の口がその先を言うことはなかった。腹部に、ナイフが深々と突き刺さっていた。
不思議と痛みは無く、ジワリと服が赤く染まるのを見ている。傷口を触り、ようやく痛みが波打つように襲ってきた。
「が……っ」
「安心して下さい、このことはもみ消されますから」
そういって聡はぼやける俺の視界の中、扉のほうへと去ってゆく。多量出血により虚ろになっていく意識の中で聡を睨む。その後ろには交通事故の時に見た、赤いワンピースの霊が憑いていて、俺を実に楽しそうに眺めて笑っていた。
―完―