『prologue』…序章
ー「好きです。つき合ってください。」まあ、告白の言葉はなんの意外性もないものだったが、メールや電話ではなく直接告白したのはまだましな方だろう。そして彼女の返事は、
ー「気持ちは嬉しいんだけど…」
率直に言えば、彼女はなんてことのない只の女子高生に見えるがしかし、遠い先祖様は妖らしいのだ。そんな彼女の周りではたまに不可解な現象が起こったりする。
どうしてそんな彼女に告白したかだって?その時は知らなかったというのもあるが、李花は普通にかわいいし成績も運動神経もそこそこ、それに性格はもう最高といってもいい。おまけといってはなんだが李花は俺と小、中学校そして高校も同じところになったというわけだ。李花とは友達としてよく話していたが、いつのまにやら李花のことを恋愛対象として見るようになっていた。そして高校に入ってから少し経った今、告白をしたというわけだ。
さっきの言葉の続きに李花は自分の正体を語り、不思議な現象も見せてくれた。そして最後に彼女はいつも通りの口調で、でもちょっと悲しげな表情をして、
「というわけで僕のまわりには、不可解なことが起こるんだ。君がそれに巻き込まれる可能性だってあるんだよ。それでも君は…」
俺は迷うことなんてなかった、実際、彼女のまわりで不可解な現象が起きているのは何度か見たことがあるのだ。今更言われたことで俺の気持ちが変わることはない。それに彼女が本当のことを打ち明けてくれたのがたまらなく嬉しかった。
「そんなものどうってことないさ。だからつき合ってください!」
俺は再びそう言うのだった。そんな俺を見て、
「はい。」
李花は顔を少し赤らめながら珍しく丁寧な口調で返事をしてくれた。
こうして俺こと白木蓮と、妖まじりの女子高生藤田李花は恋人どうしとなったわけだ。
実際はどうってことないと言える程甘くはなかった、どうやら恋人の関係になった時から事態は始まっていたらしい。それを知るのはもう少しあとのことだが。
下手な文章ですが頑張って書いていきたいと思います。