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夏希は認知症や水銀の幻覚症状、そして自身の入院から人間の身体と脳に興味が湧いてきた。

精神的ショックとか分からなかったが、高熱が突然襲ってきた。

解熱剤なんかものともしない。

一瞬下がっても、またすぐ熱が上がる。

王麗明が、夏希の弱点と言ってた。

身近な人間が消えたり事故に合うと身体のコントロールが効かなくなる。

父、耕三の母は「夫が交通事故に遭って病院へ運ばれた。」と聞いた瞬間心臓が止まって亡くなったらしい。

夏希は幼少期、母が失踪した時は全く歩けなくなりオムツ生活になり

父の出社を這って追い掛けて来たらしい。

人間の身体と脳は不思議なのだ。

「どう?医学書読めそう?」楊世が心配そうに夏希を見るが、すでに意識が遠のいているようだ。

帰りに2人で本屋に寄って買ったのだが…

「いや!でも、国家資格だから!どこでも飯食えるし!絶対取るよ!」夏希はそう言って気持ちを奮い立たせた!


ふとこの頃気になったがオカルト倶楽部と居る楊世は穏やかだし3人バラバラな自分達を少し後からハラハラしながら見てる…と言う感じだったが、

周りが普通の人だと楊世はテキパキ動き指示してるリーダータイプなのだ。

まあオカルト倶楽部に楊世の指示を理解し動ける人間がいない!から、楊世は後からハラハラしながら見てるのもしれないが。

夏希にも全然あれしろこれしろ言われたことが無い。

あれ?言ってたが聞いてなかったのか?

だから最終的に首輪つけられたのか?

ただただ優しくて甘やかせてくれる。

たまに心配になる。

「ねえ、何したら楊世は怒るの?」と思わず聞いた。

「う〜ん、浮気かなあ?

僕は、手に入らない女性を追いかけるとかムダに感じるんだよね。そんな暇あるなら夢を追いたい。

手の中に居るものを愛でたいタイプなんだ。

釣った魚にエサやりたいタイプ。」と言いながら夏希のほほをナデナデする。

夏希はすでに釣られた魚らしい。


「本当にここがトイレなの?」日高明奈は驚く。

上野先生のクラブのVIPトイレは、シャンデリアにカウチソファが中央に置かれ円形の壁面全て鏡貼りで囲っている。

オルセー美術館みたいな空間だ。

所々に彫像のような手洗いが配置されてる。

6つのスリットからトイレに行けるらしい。

これなら隣のトイレの音とか気にならないから、男女一緒でも大丈夫なのか?

しかし、空間の使い方が豪華だ。

「鏡って中は水銀だからいくらでも変形出来るけど、表面がガラスで曲げられないんだよね〜

これは美ら海水族館の水槽パネルと同じ造りらしいよ。って、前のオーナーが言ってた。」ホストみたいなチャラ男らしからぬ説明に驚く。

「前オーナーの知り合い?」明奈が聞く。

「そう、ダチかな。まあ、借金で首回らなくなって自殺したけど。

ココも華僑に乗っ取られたらしい。」ホストみたいなチャラ男がマジ顔になる。

一瞬怖くなって逃げようとしたが、カウチソファに押し倒された。

「優しくするから、ねっ」悪魔のように微笑んだ。

本当に上手で痛くはされなかったが…鎖骨あたりのブツブツが気になった。

赤い発疹があった。見られてると分かるとサッと隠したが。

アッと言う間に終わり、明奈はフラフラとトイレから出て行った。

残された男は6面のガラスに向かって「ごちそうさま♪」と口の端だけ上げて笑った。

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