表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

01-地球サーバー ログイン

目を開けた瞬間、俺は真っ白な空間に立っていた。

どこまでも続く、何もない世界。空気の匂いも、足元の感触もない。


──ログイン完了。

──サーバー名:【EARTH β版】

──メーカー:【XenoWorld Studio】

──仕様:オープンワールド / PvE / PvP / クラフト要素あり / ストーリーシナリオ進行型


目の前に浮かぶシステムウィンドウ。

β版ってマジか。俺たち、まさかのテストプレイヤーかよ。


俺は深呼吸してみた。

すると、さっきまで無機質だった世界に、色と温度が満ち始める。


青い空。緑の大地。吹き抜ける風。

少し先には、いくつもの山並みが連なっていた。


──初期種族:Human(標準モデル)

──出身星系:【Lyra-04】

──開始地点:JPNブロック(アジア東域エリア)

──初期スキル:言語【日本語Lv1】


どうやらこのサーバー、出身惑星ごとに初期配置エリアが割り振られているらしい。


俺が降り立ったのは「Lyra-04」系の文明イメージが反映された日本エリア。


他にも、

•砂漠を駆ける民族がアフリカブロックに、

•石造りの街並みを誇る民がヨーロッパブロックに、

それぞれ”惑星イメージ”に合わせてスタートしている。


つまり、文化も言語も、最初からバラバラってことだ。


でも、全員「人間」という共通仕様だけは揃っている。


──アナウンス:


「このワールドでは、交流・発展・戦争・協力、すべてプレイヤーの自由意志に委ねられます。」


自由だ。

好きに生きろってわけだ。


……最高じゃねぇか!


俺は期待に胸を膨らませながら、勢いよく一歩踏み出した。


そして、気づいた。



義務教育。

受験戦争。

就職活動。

社畜ロード。


なんだこれ、全部一本道じゃねぇか!!!


聞いてねぇよ!!!自由どこ行った!!!



降り立った瞬間に、

見えない鉄のレールに乗せられた俺の人生。


それでも、

それでも俺は──


この自由の皮をかぶった牢獄みたいな世界で、

本物の”自由”を探してみせる。


生き延びるか、潰れるか。

選ぶのは、俺だ。


地球サーバー。

開始──。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ