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俺の異世界物語  作者: 夜つ七
刹那とディアナの世界旅行
59/65

仕事という程辛くはなかった

ええっと、もらった仕事は……稀少薬草最低一株(大顎竜の巣)と、サンダーフィッシュ5匹(ジェントル湖沼)、シュヴァリエイロンデルの巣(パーティン崖)の採取かぁ

薬草は一株×銀貨5枚、サンダーフィッシュ5匹は銀貨1枚と銅貨25枚、シュヴァリエイロンデルの巣は……金貨一枚?!



「ふふん。全部クリアしてやるもんね♪」



さて、まずはシュヴァリエイロンデルの巣を採りに行こう



=  =  =  =


「説明ちゃんと書いてよねー、もう」


最悪な場所だった

パーティン(別れ)の名にふさわしく、登ると同時に大量のツバメ形の魔物さんに襲われた。ボクが魔物さんと話せなかったら皆この世からサヨナラしてもらわなきゃいけなかったよ

まあ、話したら結構簡単に登らしてもらえたけど


「んしょ、ふう。もうちょっとかな?」

『ええ、私達の巣はもう少しですよお嬢さん』

「そっか、ありがとう。でも本当にいいの? 皆の巣を貰って」

『ええ、もう我々は繁殖期を過ぎましたから。巣はまた次の繁殖期に新しく作り直すので古い物はむしろ邪魔なんですよ』

「ならまた採りに来てもいい?」

『ええ、繁殖期以外ならいつでも来てください。失礼な輩は許しませんが、お嬢さんは礼節を弁えた素晴らしい人間だ。そのような人間と共に過ごせるのは我々にとっても有意義な時間となりますからね』


沢山(最低でも300羽くらい)の友達が出来たし


「じゃあ、巣をもらうね♪」


目的の者も手に入って本当に嬉しいな


=  =  =  =



次は薬草を採りに来たんだけど……




『死ねぇ!』

「やぁ!」



話す間もなく、襲われちゃった

とりあえず、吐いてきた炎を憤怒の太刀で切り裂く



「ちょ、ちょっとは話聞いてよー?!」

『黙れぇ! 我等の言語を使用する人間など怪し過ぎるわッ! 第一、この時期に来る者は全て滅ぼすのが我の役目だ!』



確かに怪しいけど、それでもそこまで怒る必要ないじゃない!

というか、この時期って何?


「とりあえず、……人の話を聞きなさい!」



憤怒の太刀で活路を開き、鼻先まで移動する。そして、鼻先目掛けて……



「喰らえわからず屋ー!!」



魔力でコーティングした蹴りを叩き込んだ

骨を砕く感触と、肉が潰れる感触が爪先に伝わってくる。よし、やっぱり鼻は硬くない!



『グウゥッ?!』

「どうだバカ! ボクの蹴りはなかなか痛いでしょ!」

『こ、小娘がああぁぁッ!!』


怒鳴ってるけど鼻を押さえている姿は滑稽だ


「とりあえず話ぐらい聞いてよバカ!」

『人の話など』

「ああもううるさいよこの分からず屋! 『貪る(グレイプニル)』」


何処からともなく紐が現れ、大顎竜を拘束する

特に厄介な炎を吐かれないように口はシッカリと締めておく


『う、動けぬ!』

「もう、ボクは薬草を採りに来ただけなの! 邪魔しないでよ!」

『……え? 卵盗りに来たんじゃないのか?』

「……だから人の話聞こうって」


その後20分くらい話なんとか誤解が解けた

で、問題は……


『ぴきゃぁ!』

『おお、産まれたか』

『ぴ、きゅるるる』

「ん?……え、あの」


何故か薬草を採っていたら急に背中が重くなる

後ろを見ると……ええっと、なんでボクの背中にこのチビちゃんは乗ってるのかな?


『どうも、お前は魔物に懐かれやすいみたいだな。いや、我等は竜だから魔獣にもか?』

「いや、あの、懐かれるのは良いんだけど、その、ちょっとぬるぬるしてるっていうか」

『孵りたてだからな』

『きゅぃ♪』

「うひゃぁ?! せ、背中にぬるって?! うひぃぃ! た、助け、きゃぃ、ん、みゃ?!」



お気に入りの服が一つ使えなくなっちゃったのはショックだった

にしても、コレで一株銀貨5枚は安すぎるよ

あ、それはそうと釣りは地味なので省かせてもらいます


=  =  =  =



「なんとか今日だけで終わった~」


依頼された物をギルドの受付に持っていき、お金と交換してもらう

稀少薬草(後に火吹き草という名前を教わる)を10株、サンダーフィッシュ5匹、シュヴァリエイロンデルの巣と金貨1枚、銀貨51枚、銅貨25枚と交換する


「ま、まわした私が言うのもなんだけど、……なんというか、君ほど色々な意味で規格外な人は初めてだよ。その、本当に色々な意味で」

「あはは、なんの事かな? ボクには分かんないな~」


まだ何か言いたげなギルド長さんを笑顔と殺気で黙らせる

さて、お金を払ってさっさとこの町を出ようかな?


そう思ってボクがギルドから出ると……いきなり視界が反転した


「……え?」


そして、気付いた時は頭から地面に落ちていた。痛いとかよりまず、何が起きたか理解できない



「ギルドに着いた~! ん? トラ、今何か轢かなかったか?」

『刹那とぶつかったよー?』


そして目の前にいたのは問題児達

ああ、完全に忘れてた。そういえばいたね。無意識の内に思い出さないようにしてたよ


「げっ!」

『刹那大丈夫―?』

「あはは、今までどこで遊んでたのかなディアナ、トラ?」

『これには深い訳があるんだー♪』

「す、すすす少し道に迷っただけなんだ!わ、悪気は……ってなんでまた女になってるんだお前は?」


ディアナが何か喚いているけどしったことじゃない

仕事を頑張ってたのにその間にこの君達は何をしてたんだろうね?


「ねえ、私が仕事してる間に、まさかとは思うけど何をしてたのか教えてくれる?」

「い、飲食店でバイトを」

『ごはん食べたりしたよー♪』

「ほほう?」

「ほ、ほら見ろ。給料だって!」

「たったの銅貨3枚? ねえ、何かに使わなかった?」

「うぐっ、それは……」

『お風呂入ったよー♪』



決定、君達には二日間の食事抜き

あと、ディアナはおしり100叩きと、トラには肉球ぷにぷに3時間耐久の刑に処す



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