こんな事なら戻れない方が良かった
今回要注意です
いやマジで今回自分でも……ねぇ?
現在、ディアナとトラと一緒に……刹那も入っている。もちろん性転換した状態でだ
「か、神様は不公平だ」
『どうしたの姫ー?』
「う、うぅ……何であんなに肌綺麗なんだ? 何であんなに髪の毛サラサラなんだ? 何より、あのくびれと胸は反則だ」
「そ、そんなにマジマジと見ないでッ! は、恥ずかしいんだからね!」
もはや完全に女だが、その場にツッコミを入れる者はいなかった
「うぅ、ディアナの視線が気になる」
で、肝心の本人は……自分の事にまったく興味がなかった
何故なら、精神まで女になっているのだ。つまり、本人からすればもう、自分が女なのが『当たり前』
ギャアギャア騒がれても困るだけである
「というか、胸なんてただの脂肪の塊よ? あっても重たいだけだし。ボクはディアナみたいに無い方が羨ましいけどな……あぶなッ?!」
「それは、私に対する宣戦布告だな! 死ねバカ刹那ー! 『水竜の息吹きよ。我が敵を滅ぼせ。以下略』」
「以下略?!」
「【水竜の息吹き(アクア・ブレス)】」
直後、風呂場で水柱が起きたのは後々考えれば良い思い出に……なるのかな?
『ならないと思うなー』
= = = =
で、ようやく入浴出来たんだけど……今世紀最大のピンチに陥る事になる
「刹那、そのチョーカーいつまで付けてるんだ?」
「これ外れないの」
「取るの手伝ってやる」
そう言いながら、ディアナが外すと……何故か簡単に取れた
「なんだ、簡単に取れ……ひぃッ?!」
「ん? どうしたディアナ?」
『あ、戻ったー♪』
「え、マジ?」
下を見てみる。胸は綺麗に無くなってる。うん、あとある。何がとは言わないが、ある
「戻れた。戻れたぞ!」
「ま、前を隠せー!」
「ってきゃああぁッ?! ばッ、見るなー! 指の隙間から見てんじゃねぇー!」
その後、ダッシュで逃げた刹那と風呂で固まっていたディアナが次の日から互いに目を合わせられなくなったのは……まあ、当然だろう
= = = =
「ディ、ディアナ。疲れてないか?」
「だ、大丈夫だぞ。うん、大丈夫大丈夫」
『2人ともお顔真っ赤だねー♪』
「なるべく触れないようにしてるのに大声で言うな!」
『なんでー?』
もと野生動物のトラからすれば『なんで恥ずかしいの?』である
「ま、まあ、それはともかくだ。次の町まで後一時間位だが……飯はアッチで食うか? それとも今食うか?」
「たまには店で食べてみたい!」
「「あ」」
ディアナの顔が上がった瞬間目が合う2人
5秒間見つめ合い、ほぼ同時に弾かれるかのように離れた
「さ、さささ、さてい、いそ、急ぐとするか!」
「そ、そそそうだな! 急ごう! 早く行くとしよう!」
『待ってよー』
その後、町に着くまで一言も喋らずに走り続けた
「ついた…」
「お腹空いた」
『トラも野菜食べたいー♪』
「じゃ、じゃあ、店を探すか」
「う、うん」
そして、トラが気に入った(看板に野菜が沢山書いてあったのだ)場所に決まったのだが……
「何にするんだ?」
「ん〜、日替わりランチにしないか? 内容書いて無いけど、オススメって書いてあるし」
「だな。じゃあ、日替わりランチ2つと野菜金貨一枚分ください」
「か、かしこまりました。と、ところでお客様」
「はい?」
店員はビビりながら、失礼な事を言ってきた。まあ飲食店なら当たり前かもしれないが
「こ、こちらの魔物は他のお客様の」
とりあえず金貨を一枚投げる。まあいわゆるチップである。え? 3枚じゃないのかって? まあアレだ。正直な話、城に残した給料をラスト経由で送ってもらったのだ
「足りませんか?」
「えッ! あ、て、店長に聞いてきます!」
泣きそうになりながら駆けて行く店員さんを見て……ちょっとやり過ぎたような気がする
そして間違えではなかった。何せ、目の前になんかアホそうな奴等が恭しく頭を下げていた。うざかったので、「平和的」な会話で帰ってもらったが
「こ、こちらが今日の日替わりランチです」
「ようやく来たな」
「まったくだな。さて、いただきま……ッ?!」
「ん? どうした? お、コレ美味いな」
「せ、刹那」
「なんだ?」
何故か真っ赤になってうつ向くディアナ
えっと、何故にモジモジしてるのでしょうか?
「こ、コレ食べてくれ」
「え? でもお前、ウィンター好きじゃ……あ"」
何故モジモジしていたのかがようやく分かった。その、まあアレだ。うん。つまりアレだ。分かれよちくしょー
『おー、姫ー好き嫌いダメだぞー♪ にしても、ソレ昨日見た刹那のー』
「ト、トラー?! それ以上言ったら流石に怒るよ?!」
とりあえず、ウィンターは全部俺が食べました
いや、そこ何も言うな。頼むから何も言うな