スキルの確認
「ついに、ついに復活しちまったぜ!」
ああ、レイナも大変ですね
前回
鬼ごっこ終了。
魔石は部屋のオブジェにしました。
鬼ごっこ(ただし参加した生徒はプチ戦争と証言)を終え、1週間の休みが貰えた。校舎が半壊したから修理をするらしい。
この機会に自分のスキルを試してみようと思ったんだよ。
で、シンゲンさんに良い修行場所を聞いたんだけど…
「なんでお前等がいるんだよ?」
「良いじゃねぇか、ピクニックは大勢の方が旨いんだよ。」
「ピクニックですか〜。久しぶりですね、兄さん。」「私も貴方に興味があります。ですから見学させて頂いて宜しいでしょうか?」「セツナちゃんのいる所にお姉さん有りよ!」
上からフラウ、レイナ、リクス、リキュルの順だ。
「済まない。リクスに刹那を知らぬかと聞かれて教えたのだが・・・あの3人が聞いておってな。」
「はぁ。シンゲンさん、俺は気にしません。リクスを除く3人は自分達で遊びに行くだけです。」
俺の言葉を聞き、3人の顔が笑みを浮かべた。が…
「だから弁当を分ける必要も無いし、修行に巻き込まれても気にしなくて良いんです。・・・あ、リクスは弁当分けてやるからな。」
「って、そうゆうオチか!」「そんなの酷いです!」
「セツナちゃんはリクスが好みなの!?」
3人は抗議してくるが、気にしない事にする。・・・1人は意味が分からんが大した事じゃないだろう。
「じゃかましい!!人に何も聞かずに憑いてきたお前等に文句を言う資格は無い!そんなに来たいなら俺に聞け!」
「セツナ、楽しそうだから一緒に行って良いか?」
「邪魔しないので一緒に行かせてください。」
「お願いセツナちゃん、私もセツナちゃんと遊びに行きたいの。」
一応、3人とも聞いてきたから良しとするか。
「分かった。憑いて来て良いぞ。」
・・・はぁ、4人分の弁当作らないとな。
* * * * * * * * * * * *
30分後・・・
「お待たせ、シンゲンさん弁当持ってくれませんか?」
「承知した。・・・ふむ、これは旨そうな匂いだ。まさか嗅ぐだけ腹が減るとはな。」
・・・シンゲンさん、絶対に食べないでよ。
「それでは行こうか。皆、迷子にならんように。特にフラウとリキュル!貴様等は我の前を歩け!それなら見失わん。」
信用ないなお前等。
* * * * * * * * * * * *
約1時間後・・・
「此処なら誰の邪魔も入らんだろう。」
そこは湖のほとりだった。湖の中に巨大な魚が要るのを無視すれば素晴らしい場所だ。
「・・・シンゲンさん、『デビルフィッシュ』がいるが、安全なのか?」
「少なくとも我は一度も襲われた事は無いぞ?」
そりゃアイツも死にたくはないだろうからな…
「セツナ止めとけ。アイツはシンゲンさん以外倒せねぇよ。」
「おい、俺は修行するだけだ。アイツなんか興味な・・・なあフラウ。もし俺がアイツを倒せたらスゲーか?」
「ああスゲーよ。出来たら尊敬する。」
「なら勝負する。俺の本気を見てやがれ!」
まあ、アイツなら『アレ』の良い実験台になるだろうしな!
「ちなみに今から見る事は誰にも言わないでくれ。一応奥の手なんでな。」
全員すぐに頭を縦に振ってくれた。
それを見て俺は銅貨を一枚取り出した。
「・・・なんで銅貨を出してんだ?」
「気にするな。」
取り出した銅貨を上に弾いた。
そして俺の指に触れた。瞬間、銅貨は雷を纏いながら真っ直ぐ飛んで行き・・・
『ガアアアアアァァアア!!!!』
奴の体を貫いて消滅した。
「よっしゃ!!!」
フラウ達の方に自慢したくて振り向くと・・・
フリーズした4人がいました。・・・シンゲンさんは普通に拍手してる。
「素晴らしい技だな。アレなら城塞ですら破壊出来るだろう。・・・まあフラウ達には刺激が強すぎたみたいだがな。」
「一応アレは奥の手ですから。」
そしてフラウ達に目を向けると、何故かフラウの前に一昔前のツッコミ道具(ちゃぶ台)が!
フラウはちゃぶ台に手を掛けそして・・・
「ってなんじゃありゃーーーーー!!!!」
空高く放り投げた。幸い食事は乗ってなかったため、容易に避ける事が出来た。
「なんだ、あのふざけた威力は!?アレだけで小さな戦争終わらせれるぞ!!!!」
「おい、人を兵器みたいに言うんじゃねぇよ。ちなみにやり方企業秘密だから聞くなよ。・・・あと、とりあえず落ち着け。」
まあ、フラウが落ち着いた後に他の3人にも同じようにちゃぶ台を放り投げられたのは予想外だったな。
「とりあえず色々試すから黙って見てろよ。」
* * * * * * * * * * * *
1時間後・・・
「・・・なんでだよ。なんで『無限の〇製』が出来ないんだ。」
色々試してみたが、『無〇の剣製』のみ使用不可だった。
『枯渇〇園』『タ〇リ』『獣〇の巣』『王の〇勢』は難なく発動できた(ちなみに『王〇軍勢』は発動したが誰も来なかった)。
だけど『無限の〇製』のみ発動しなかった。
「・・・アイツは何をしてるんだ?」
「なんか『無限の〇製』とか言う魔法が発動しないみたいですよ。」
五月蝿い・・・。
お前達に何が分かる?アレの素晴らしさが分からんお前等にこの悲しみが分かるはずが無い!
ちなみに魔法じゃなくて魔術な。間違えんな。
「くそ、気を取り直して次だ!」
俺が新たな技をやると聞き、皆静まりかえった。
俺は目を閉じて、俺が知りうる中でも最高の魔眼を発動した。
「・・・『直死の魔眼』。」
そっと目を開けると、黒い線や点が見えた。
「出来た!?うわ、マジで出来た!スゲー、コレが死の線・・・!?」
なんだ?急に頭が割れるみたいに・・・
「『直死の魔眼』解除・・・。はぁ、はぁ、死ぬかと思った。」
くそ、解除したのにまだ痛い・・・。
「どうしたセツナ!?まさか魔力切れか?」
「いやまったく違う。一応大丈夫だから、安心してくれ。」
「どう考えても大丈夫ではないな。少し休め。」
「いや俺はまだ・・・」
「休め。」
「俺はまだで・・・」
「休め。」
「俺・・・」
「休め。」
「・・・はい。」
* * * * * * * * * * * *
「とりあえず弁当を食おうか。はい、コレがシンゲンさんの分、コレはフラウの分。えっとそれから・・・」
全員の分を配り終えた。
ちなみにオカズは全員違う種類にした。
「よし、さっさと食お「待てよ!」痛ぇ!・・・いきなり何しやがる!」
勝手に弁当を食おうとしたフラウをお玉で撃沈した。皆も唖然としている。
「・・・いただきますと言え。」
「「「「「・・・は?」」」」」
「だからいただきますと言え。言わなければオカズはもちろん、米の一粒さえ渡さん!」
言いながら皆の弁当をバックに戻した。
「いただきます。これで良いでしょうか?」
「ああ、リクスは食べても良いぞ。・・・はい、弁当と箸。」
一番最初に言ったのはリクスだった。・・・こいつ、いつも冷静だよな。
「いただきます。我にも食事を分けてくれんか。」
「どうぞ。コレがシンゲンさんの分ですよ。・・・3人とも早く言わんと弁当抜きだぞ。」
「「「いただきます!」」」
「ったく、これぐらい言われなくて言えよ。」
さて全員に弁当を渡し終え、自分の分の弁当を出す。
「いただきます。」
「なあ、刹那。この黄色い塊はなんだ?」
「玉子焼き。ちなみにお前の奴はだし巻き玉子焼きだ。」
「刹那さん、この変なの何ですか?」
「それはエビフライだ。あと変なの言うな。」
「刹那さん、この可愛い食べ物は何ですか?」
「それはプリンだ。ちなみにそれはデザートだからまだ食うなよ。」
「セツナちゃん、食べさせて〜」
「絶対に嫌。」
「済まんがコレの作り方を教えてくれないか?」
「城に帰った後にレシピを渡しますよ。」
こんな感じで質問責めにあった。
* * * * * * * * * * * *
「さて、飯も食ったし再開するか。」
俺は立ち上がり皆から離れた。
「セツナの飯は何度食っても旨いな。」
「見た事はあったけど食べたのは初めてです。」
「・・・私なんて・・・どうせ・・・。」
「えっとリクスはなんで落ち込んでるの?」
「プリンか。後で子供達に分けてやるか。」
いい加減飯の話題から離れろよ。
「皆、今からする事は他言無用だからな。特に王さまには言わないでくれ!」
俺の言葉を聞き、全員頭を縦に振った。
「さて、『七つの大罪』起動。喰らえ【暴食の鎌】」
スキルの発動と同時に巨体な鎌が現れた。
「フラウ、魔法を俺目掛けて撃て!」
「分かった。オラアアァァァアア!!!!!」
フラウが叫んだ瞬間、馬鹿みたいにデカイ水の塊が俺に襲い掛かってきた。
「魔力を『喰え』、グラトニー!」
俺が叫んだ瞬間、グラトニーは辺りの魔力を喰い始めた。
もちろん目の前の水も例外ではなく鎌に吸収された。
「よし、コレなら確実に肉弾戦に持ち込めるな。フラウ、実験台ありがとう。」 「・・・お前、俺の従者にならねぇか?」
「大変そうだからパス。【暴食】解除。」
さて、次はアイツを出すとするか。
「遅き【怠惰】」
その瞬間、空間に穴が空いた。
そして、中からタキシードを着たウサギが現れた。
『主、私に何かご用ですか?』
「ただ呼んだだけ。だけどアイツ等にお茶でも入れてくれると助かる。」
『分かりました。・・・そう言えばラスト様から伝言を預かっていました。』
「ラストか・・・。なんて言ってた?」
『何でもある少女に挨拶がしたいそうでして、5分で良いから出して欲しいと仰っておりました。』
「分かった。お前はお茶を入れといてくれ。」
『かしこまりました。』
スロウスはそのまま皆の所に行った。だが今はそんな事はどうでもいい。
問題はラストの件だ。
アイツはスキルを創り始めてすぐにきまった。正確には俺が創ったんじゃない。何故か最初から決まっていたんだ。だから、
「アイツの事は何も知らないんだよな。はぁ、何が起こるかマジで分からん。」
しかも誰かに挨拶がしたいとか非常識だろ?まるで誰かと知り合いみたいじゃないか。
「とにかく出すだけ出してみるか。狂え【色欲】」
俺はラストの名を呼んだ瞬間、自分が沈んむのを感じた。沈む途中で誰かとすれ違った気がした。
* * * * * * * * * * * *
―レイナサイド―
今スロウスさんに紅茶を入れてもらいました。今まで飲んだお茶の中で一番美味しいです。
「ありがとうございます、スロウスさん。」
『いえ、私は仕事をしているだけですので。』
そんな話をしていると刹那さんが戻って来ました。あれ?何故か寒気が・・・
『主ですか?それとも・・・』
「お疲れ様スロウス。私にも一杯入れてくださる?」『やはりラスト様でしたか。私程度のお茶でよろしいのならいくらでもお飲みください。』
何故でしょう?刹那さんが話すたびに悪寒が・・・
「どうしたレイナ。なんか小刻みに震えてるぞ?」
「それに唇が紫になってますよ?もしかして体調が悪いのですか!?」
「大丈夫ですかレイナさん?私の声が聞こえますか?」
「はい聞こえます。・・・え?刹那さん、今“私”って言いま・・・ま、まさかそんな!?」
ヤバイです。嫌な予感が確信に変わちゃいました。今すぐ逃げ出したいのに体が動きません。
「それにしても、お久しぶりですねレイナさん?私の事、覚えていますか?」
「い、いえ、全く覚えてません!じゃなくて知りません!」
私の言葉を聞き、刹那さんが笑顔を浮かべました。それはもう恐ろしい程綺麗な笑顔を・・・
「忘れてしまいましたか。・・・なら、思い出させてあげましょうか?」
この時ほど恐怖を感じた事はありませんでした。
「ふふふ、悪魔の中の悪魔が降臨した!レイナの未来はどっちだ!?」
確実に地獄行きでしょうね