異常判明・・・らしい
「ヤっちまった。色々な意味で後戻り出来ねぇ…」
そうですね。もともと後戻り出来ない状態でしたが、ついにここまで来ましたか
「何か助言して欲しいぜ…」
とりあえず逝くとこまで逝った方が楽しめますよ?
前回
よく分からん。
朝、学園に着いてから何故か周りの視線が痛い…
特に男子の視線がキツイ。
「・・・俺、男に恨まれるような事したっけ?」
そんな事を考えていると、脇役Aが話掛けてきた。
「ねえ君、少しだけ僕と遊ばない?大丈夫、きっと楽しませてみせる。」
「興味ない。俺は早く教室に行きたいんだ。退いてくれ。」
俺は脇役Aの横を通り教室に行こうとした。が、
「ちょっと待ってくれ!僕のどこに不満があるって言うんだ!」
・・・ウザイ。
「まず動きがキモイ。いちいちくねくねすんな。それに香水なんか付けてんじゃねぇよ。かなり臭い。あと宝石類を身に付けすぎ。成金っぽいぞ? その上かなり弱そうだ。
まあ分かりやすく言うなら存在がウザイ。」
俺の言葉を聞き、脇役Aは真っ白になっていく。
まあ良いや。さっさと教室行こう。
* * * * * * * * * * * *
約5分後・・・
「やっとで着いたか。ったく、この学園の男子は暇なのか?」
教室に来るまでに7、8人の男に話し掛けられた。
そのせいで5分も掛かっちまった。
まあ済んだ事はどうでも良い。
とりあえず教室に入るか。
俺は教室に入り、自分の席に座った。座ったんだか…
「・・・教室もかよ。俺はそんなに変か?」
そんな時、レンが教室に入ってきた。
「おはようさん、レン。」
「おはよう、お兄ちゃ・・・お兄ちゃんだよね?」
「おいおい、レンは何を言ってるんだ?俺は俺だよ。」
「だよね。可愛くなってたからびっくりしちゃった。」
まったく分からん。何が可愛いんだ?
俺がそれを聞こうと思ったらいきなり後ろから衝撃がきた。
「セツナちゃ〜ん!耳掃除して〜!」
「誰だよお前!?・・・ん?何処かで見た事があるような?」
いきなりタックルしてきた少女は俺の言葉を聞き目を見開いた。
「そんな!? 昨日はあんなに優しかったのに!まさか偽者!?」
「待て待て待て待て待て! 一体なんの話だよ?俺は昨日お前に会ったのか?」
「うぅ…。偽者でも良いから耳掃除してよ〜。」
この子、まったく話を聞いてないよ。
誰かヘルプ!俺を助けて!
「おはようございますセツナさん。昨日の一件で目覚めてしまったんですか?」「あ、リクスお姉ちゃんだ。今日は休むんじゃないの?」
リクス?・・・ああ、レイナの友人か。
・・・ところで目覚めたって何?
「済まないが助けてくれよ。この子、話を聞いてくれないんだ。」
後ろから抱き付かれて首が絞まっちゃってんだけど…
「そうですね。このままリキュルの堕落っぷりを見るのも楽しいですが、今は貴方に聞きたい事もありますし・・・とりあえず助けてあげます。」
聞きたい事って何?
疑問を口にしようとした矢先、俺に抱き付いている少女が吹き飛んだ。
リクスの方を見るとフライパンを手に持っていた。
・・・そのフライパンを何処から出しました?
「とりあえず気絶させました。後は自分でどうにかしてください。」
「・・・あの子がピクリとも動かないんだけど大丈夫なのか?」
「いつもの事です。気にしないでください。」
大丈夫なら良いや。
そんな事よりさっきの事を聞いてみないとな!
「なあリクス、さっきの目覚めたってなんだ?それに昨日の一件って何?知ってる範囲で良いから教えてくれないか?」
「・・・昨日の記憶が無いのですか?」
「無いから聞いてんだよ!」
「ならまずは私の質問に答えてください。その服装に何か違和感が無いのですか?」
違和感?この服の何がおかしいだ?
「何処もおかしな所なんて無いが?」
「・・・重症ですね。」
いやだから何がだよ?黙られても分かんないって…
「貴方が・・・女物の服を着ているのが問題なんですよ。」
「それの何処が問題なんだよ?」
* * * * * * * * * * * *
「・・・話をまとめると、俺は昨日酷い目にあい、そのせいで色々とヤバイ事になっているらしい。って感じか?」
「まあ概ね正解です。ですがレイナの方が酷い目にあってますよ。」
うん、かなりヤバイ状態だろうな。話を聞くだけで自己嫌悪する…べきなんだよな?
ごめん。俺、聞いただけで清々しい気分になったよ。
「それはそうとレイナは何処にいるんだ?教室内にはいないみたいだが?」
「多分まだ寝てます。昨日は疲れたと言ってましたから。」
話からすると昨日の俺はえげつない物を創ったようだな。なら、少し使わせてもらおうかな?
レイナの首輪・・・起動
50m以上離れた場合の電流 ・・・OFF
使用者以外の取り外し時の電流 ・・・ON
遠隔操作による電流
・・・ON
『注意事項
遠隔操作はスイッチを押す事で出来るほか、使用者の方ならスイッチが無くても流す事が出来ます。ただし魔力を消費します。
魔力で流す場合は対象にメッセージを送る事が出来ます。
以上 』
あれ?注意事項なんてあるの?
まあメッセージが送れるんなら手間が省けた。
『レイナへ
今から10分までに学園に来ない場合、忠犬レベルまで調教するかもな?
刹那より』
「はい送信。」
さて、何分後に来るのかな?
それから12分後・・・
レイナは俺に
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
と謝り続けている。
昨日の俺はそんなに怖かったのか?
「レイナ、とりあえず落ち着け。俺はお前に何かするつもりは無い。」
「うぅ…本当ですか?実はスイッチを押すタイミングを考えてるとかじゃないんですか?」
「ないない。流石にそこまで酷くねぇよ。」
本当に昨日の俺(いや私か?)は何をやったんだ?
くそ!変わって欲しいぜ…
「嘘じゃないですよね?実は遊び心とかじゃないですよね?」
「あ〜面倒な奴だな!そんなに信じられないなら、証拠を見せてやるよ!」
俺は言うが早いか手をレイナの首輪に伸ばし、そのまま引き千切った。
「あ・・・」
「これで良いか?良いなら返事をしろ。」
「え?あれ?刹那さん戻ったんですか?」
さっきから普通に話してたんだけど…
「多分な。リクスはまだおかしいって言うけど、俺は気にしてないから問題無いしな。」
「なら今は普通に接しても大丈夫なんですね?良かった…」
・・・何が良かったんだ?
その後・・・
「そう言えば刹那さん、その服は止めた方が良いですよ。」
「何で?けっこう気にいってんだけど…」
「学園の女子全員を敵に回す事になるからです。だって刹那さ「無駄ですレイナ。多分、言ったとしても信じてくれません。」・・・そうですね。」
色々言われた。
「次回、『鬼ごっこ』をやらせてみたい。」
突然何ですか?