街でも大騒動
「今回少しはっちゃけ過ぎたか?」
知りませんし、興味ありません。
「手厳しい!?」
前回
よく覚えてませんが、今はとても元気ですよ?
―刹那?サイド―
「う〜ん、今日は良い天気ですね〜。このまま誰かを虐めるのも楽しいかもしれません。レイナさんはどう思いますか?」
「どこに楽しめる要素が有るのかまったく分かりません。」
「人が苦しむ姿はどれだけ見ても飽きる物ではありませんよ?」
「そもそも見たくないです。」
まったく、あの良さが理解出来ないとは・・・お子ちゃまですね。
レイナさんは『人の不幸は蜜の味』と言う名言を知らないのでしょうか?
「刹那さん、街に着きましたよ。」
「なら早く遊びましょう。このままだと退屈しのぎに近くにいる子を・・・つい虐めたくなっちゃいますから。」
「さあ、早く遊びに行きましょう!」
レイナさんはやっぱり可愛いですね。ちょっと脅しただけであんなに急いでくれるなんて・・・。
本当に虐めたくなっちゃいますね。
* * * * * * * * * * * *
数十分後・・・
「せ、刹那さん、そろそろ帰りませんか。なんか周りの方々の視線が痛いです。正直逃げたいんですが…」「レイナさん、私達は少し前に来たばかりですよ?それに見られたくらいなんだと言うんですか?男性の私がこの格好で歩いてるんです。目立たない訳がありません。」
「絶対違います。間違ってないけど違います。刹那さんを男性と思ってる方なんていません。皆無です。」
「それはある意味侮辱ですよ?この場で逝きますか?それとも・・・これから一生城から出れない日々を過ごしたいんですか?」
ふふふ、今なら世界を滅ぼせますよ?
「ごめんなさいもう言いませんだからイイ笑顔で首を絞めるのを止めてくださいお願いします。」
あら?無意識に絞めていたみたいですね。可哀想だから放してあげますか。
「レイナさん、これからは喋る時は言葉を選んだ方が良いですよ?」
「うぅ…死ぬかと思った。もう少し手加減してください。」
「とりあえずご飯でも食べましょう。案内してください。」「私の言葉をスルーしな…いえ何でもありません。」
素直なのは良い事ですよ?まあそれはともかく、早くご飯を食べたいのですが…
そんな事を考えているとレイナさんはいきなり質問をしてきました。
「えっと、聞いて良いですか?」
「話にもよりますが歩きながらなら良いですよ。」
「貴女がリキュルを介抱したのは何故ですか?」
「ふふふ、あの人を優しく殺してあげようかな?って思っただけですよ。」
「そ、そうですか。じゃあご飯を食べに行きま「その前に一つ良いですか?」…は、はい何でしょう?」
「さっきの“あなた”が、『貴方』ではなく『貴女』に聞こえたんですが…」
多分、今の私は凄く良い笑顔をしていると思います。ああ、レイナさんが凄く可愛い顔で怯えてるのがグッときますね。
「まあ、その話は後で良いでしょう。だから早くご飯を食べさせてください。」
「・・・はい。付いて来てください。うぅ…。」
さて、早く美味しいご飯を食べたいものです。
* * * * * * * * * * * *
―レイナサイド―
あれから数十分後・・・
私は今凄い光景を見ていると思う。
後ろを見ると惨劇が拡がっている。だけど前は更に酷い。
何故なら・・・
「この程度の腕で店を出すとは…。貴方は料理をなんだと思ってるんですか!?」
刹那さんが中華屋さんにかなりヤバイ事を言っちゃってます。・・・またですか。
「おいお嬢ちゃん!俺の料理の何が悪いってんだ!?材料だって高い物を使ってんだぜ!」
その言葉を聞いた瞬間、刹那さんの目が光った。
・・・あの店も終わりましたね。
「今、貴方はなんと言いましたか?材料が良い?それが味を決める訳じゃないんですよ?なんなら見本を見せてあげますよ?」
そう言い刹那さんは近くの店から安い食材を買ってきた。
「麺とスープは貴方の店の物を使わせてもらいます。それなら材料が全てでは無いと分かるでしょう。」
それから3分後・・・
「出来ましたよ。どうぞお召し上がりください。」
そこには材料の違いがあっても埋まらない圧倒的な存在感を出すラーメンがありました。
それを店の常連の方に食べさせるみたいです。
「いただきます。」
ズルズル…ズルズル…
聞くだけでお腹が空くような音を出しながら常連の方は食べています。
あ、食べ終わりました。
「お代わりください!」
「すいません。その一杯しか作ってないんです。だからまだお腹が空いてるならこの店のラーメンを「嫌です!今のラーメンを食べたらあんな不味い物を食べるなんて出来ません!」…だそうですが?」
刹那さんは本当に嬉しそうに笑っている。さっきからあの笑顔を見ていて思いました。
あの笑顔で何人の男性が堕ちたのか…と。
そしてあの笑顔を見て、何人の女性が自信を粉砕されたのか…と。
「くそおおぉぉお!!!もうお前ら来るなあああぁぁあ!!!!」
「安心してください。この店の敷地を跨ぐ事は二度とありませんから。」
うわぁぁ・・・
「さてレイナさん、充分に楽しんだ事ですし帰りましょうか。」
「あ、そうですね。そろそろ雲行きが(色々な意味で)怪しくなってきましたし帰りましょう♪」
やった!やっとで帰る事が出来ます!それなら急ぎましょう!
「そうですね。早く帰ってレイナさんと大切なお話をしたいですし。」
「・・・ええっと、何を話すんですか?」
「もちろん、“あなた”が 『貴女』に聞こえた事と不味いご飯を食べさせた事についてですよ。」
あはははは、私いつの間にか死亡フラグを立てていたようです。
今日1日、一緒にいて分かりました。刹那さんは容赦を知りません。狙われたら最後です。つまり私の命日は今日です。
「ふふふ、まあ今日は許してあげましょう。」
「・・・え?」
私は自分の耳を疑いました
「許してくれるんですか?」
「レイナさんは今日、街に誘ってくれました。それに・・・負け犬の遠吠えを聞いてたら気分が良くなっちゃいまして。」
負け犬の皆さんありがとうございます!私はこのご恩を忘れません!
「そうですか、なら早くお城に戻りましょう!」
私は嬉しくて駆け出した。
「あ、レイナさん危ないですよ。」
「え?・・・きゃっ!?」
いきなり硬い何かにぶつかってしまった。
「痛たたた・・・。」
「痛いのはコッチだお嬢ちゃん!お前のせいでコイツの骨が折れちまっただろうが!」
「え?」
私が前を見ると胸を押さえながら苦しんでいる男性とゴーレムみたいな男性がいました。
* * * * * * * * * * * *
―刹那?サイド―
まったくレイナさんは一体どれだけ私を楽しませてくれるんですか?
ここまでベタな展開は現実で見たのは初めてですよ。
「痛ぇーー!!!!死ぬほど痛ぇーー!!!!!」
「見やがれ!コイツがこんなに痛がってるだろ!?どうしてくれるんだ?」
「あわわ…」
レイナさんはただ狼狽えるばかり、あれでは相手の思う壺ですね。
「どうしたら、どうしたら良いんでしょう!?」
「狼狽えたって治らねぇーんだよ!金を出せ!」
「ははははい!これで良いでしょうか!?」
そう言いながらレイナさんは財布をゴリラに渡した。
中を見たゴリラは少し驚いた後、気色の悪い笑顔を見せた。
「ダメだな!こんな金額で治療なんか出来るか!」
財布には金貨が十枚ぐらい入ってたはずです。治療費なんて銀貨一枚でお釣りがきます。
まったくこのままだと…
「お嬢ちゃん、少し付いてきてもらおうか。コイツを医者に連れて行かねぇと死んじまう。」
「死!?」
「いやあり得ないですよ。常識を考えてから話してください。」
「なんだ、てめえ!」
失敗しました。このまま楽しませてもらおうと思ってましたのに、あまりに予想通りかつ馬鹿なセリフにツッコミを入れてしまいました。
しょうがない、サクッと終わらせますか。
「この子の連れです。この子が何をしたんですか?」
「俺の友人の骨を折りやがったんだよ!」
「そうですか。なら何処が折れたんですか?」
ふふふ、良い悲鳴で鳴いてくださいよ。
「ここですか?それともここ?もしかしたらここかしら?」
「ぎげぇ!?ぐががが…!?」
「ど、どうした!?大丈夫か?」
はぁ、気色の悪い悲鳴ですね。せっかく神経に痛みを直接流してあげたのに…
まあ良いでしょう。私のオモチャの金を巻き上げた時点で私刑決定しましたし…
「ぐぼげぇご?がぐっ!・・・」
「あれ?まさか終わりですか?・・・情けない。貴方は少し早すぎですよ。もう少しぐらい耐えたらどうなんですか?それとも、いきなり刺激が強すぎたのかしら?」
「てめえ!!!良くもコイツを・・・ぶっ殺す!」
「出来ませんよ。貴方は確かに硬く大きくそして強い。ですが技が何もないのに私を殺そうだなんて・・・虐めたくなっちゃいますよ?」
私はゴリラの拳を避けながら少し面白い事を考えた。
「ふふふ、特別です。今日は機嫌が良いので遊んであげます。ただし私より先にばてたら罰ゲームです。」
「ほざけ!!」
ゴリラの拳を避け、体が交差する瞬間に腹部へ五発ほど蹴ってあげました。
「がふっ?!」
私はゴリラのポケットから財布を抜き出し、静かに告げた。
「貴方は確かに他の人より硬く大きく強い。でも私には勝てない。それは貴方がどれだけ頑張ろうと変わりません。」
さて、それでは罰ゲームをやりますか。
よしコレで良いかな?
「〜〜〜〜♪〜〜〜♪」
私は彼等のお腹に創り出した物を塗った。
これで2人に今まで絶対に味わった事の無い物を味わうだろう。
「じゃあ行きましょうレイナさん。」
「え?あっ、はい。今行きます。」
さて、城に帰りますか。
「そう言えば刹那さんがあの人達に塗っていたのって何ですか?」
「ああ、アレは腸をおかしくさせる薬です。」
「おかしく?」
「簡単に言うと1週間の間お腹を壊す薬です。ちなみに速効性ですよ♪」
「そうですか・・・。それはそうと戦闘中のアレは誘ってるんですか?」
「?」
その後・・・
「うがあああぁぁぁああ。腹が、腹があああぁぁあ!!!!」
「誰か、誰か医者を呼んでくれええぇぇえ!!!!」
・・・悲惨な最後だった。
「ふふふふふ、次回はヤバイぜ。どれくらいヤバイって言うと、眉間のシワが戻らないぐらいヤバイ。」
それはヤバイんですか?
まったく問題なさそうなんですが…
「気にするな。俺自身分かってない。」