テキトーな初授業
前回よりグダグダです。
前回
また冤罪になりました。
呪われてんのか?
P,S, さっきまでの騒動は一部の生徒を除いて忘れさせたそうだ。
ただいま休憩時間。なのに職員室にいる。何故かと言うと…
「「「本当に済みませんでした!!!」」」
この人達はいつになったら土下座を止めるんだろう?
「だからもう怒ってませんよ。良いからクラスに案内して下さい。」
「分かりました。今担当の者が来ますので少しばかり待ってください。」
土下座しながら言わないでくれ。つい踏みたくなる。
「失礼する。1−S組に入る奴等を迎えに来た。」
いきなりダンディーな人が入ってきた。
彼が入ってきたのと同時にトナカイは体を半回転させながら起き上がった。
「ヒューゴ君。こちらがセツナ・キサラギ様とレン・キサラギ様だ。無礼な真似をするなよ。」
「無理だな。嬢ちゃん達、さっさと行くぞ。」
トナカイの言葉をバッサリと切り捨ててヒューゴさんは廊下に出た。
俺とレンはその男を追いかけた。
何故か職員室から殺意を感じたが気のせいだろう。
* * * * * * * * * * * *
「此処が1−Sのクラスだ。」
教室に着いた。この扉を開ければ新しい学園生活か。
「よし入るか。」
俺は扉を開け、中に入った。
その瞬間、何故か悲鳴?が上がった。
「・・・俺が何かしたのか?」
「どうかしたのお兄ちゃん?」
「俺にも分からん。」
レンとそんな会話をしているとヒューゴさんがクラスの人に俺たちの事を紹介し始めた。
「お前等、今日から1−Sの仲間になったキサラギ姉妹だ。仲良くしてやれ。」
「少し待て。今姉妹って言ったよな?」
「言ったが何か問題あるか?キサラギ姉。」
「それだ!俺は女じゃくて男だ!」
俺はそんなに女顔か!?確かに声変わりしたのは高い声だし、肩も丸い。鏡を見ると女みたいだと自分でも思う。けどな、人には言われたくないんだよ!
「そんな事より自己紹介しろ。授業が遅れる。」
そ、そんな事って…
かなりショックだよ。地面に“の”の字を書いとこう。
「お兄ちゃん、僕からやって良い?」
「良いよ。」
レンは皆の方へ体を向け、元気に言った。
「僕はレン・キサラギです。分からない事が一杯あるので教えてね。」
そしてレンは笑顔を向けた。ん?笑顔を…
「ってヤバい!・・・遅かったか。」
俺が顔を上げた時には、辺り一面真っ赤に染まっていました。
「お、恐るべしレンの笑顔…」
これさえあれば戦争終わらせれるんじゃねぇ?
「お兄ちゃん、なんで皆鼻血出してるの?」
「・・・俺にも分かんない。」
一番恐ろしいのは本人に自覚が無いことかも…
10分後・・・
「とりあえず全員起きたみたいだな。」
でもヒューゴさん、まだ教室が真っ赤なんだけど…
「次はお前だ。さっさと言え。」
こんな中でもやるのかよ。くそ、なるようになれだ。
「俺は如月 刹那です。魔法がまったく分からないので教えてください。よろしくお願いいたします。」
俺は言い終わると同時に皆に笑顔を向けた。
ぶしゅ…
何故か鼻血リバース。
「ヒューゴさん、どうにかしてください。」
唯一起きてるヒューゴさんに頼んでみる。
「ち、しょうがねえな。【傷を癒したまえ『癒光』】」
彼が詠唱を唱えると倒れている奴等の体に光が集まっていく。
その光が収まると全員の鼻血が止まっていた。
「スゲー。これが魔法の力か。」
「んな事はどうでもいいから早く席に着け。」
そのまま席に着こうとしたが自分の席が分からない事に気付いた。
「ヒューゴさん、俺の席は何処ですか?」
「妹の隣で良いだろ。」
その言葉を聞き、周りを見ると女の子がレンに抱き付いていた。あれ?あの子何処かで見たような?
とにかく行くか。
俺はレンの隣に座った。自分の隣に座っている女の子(レンに抱き付いていた子ではない)に挨拶をしなくちゃな。
「初めまして。これからよろしくな。」
「私はレイナです。こちらこそよろしくお願いいたします。分からない事があったら聞いて下さいね。」
「あれ?何処かで会った事ないか?」
「え?初対面のはずですけど…。」
「ん〜何か気になるな。」
そんな会話をしていると目の前を何かが通り過ぎた。
飛んできた方を見ると周りに水の短剣を浮かべたヒューゴさんがいた。
「俺の授業中にじゃれ合ってんじゃねえ。次は当てるぞ。」
今の言葉で教室内の温度が下がった…多分。
「ごめんなさい。」
人間素直が大事だよ。
「よしなら再開するぞ。ちゃんと覚えろよ。」
もう喋らんから睨まないで…
「いいか。魔法を使うには絶対に必要な物が3つある。1つ目は魔力。まあ当たり前だな。2つ目は集中力だな。例え上位魔法でも集中力が無い奴が使うと下級魔法にも劣る。最後は想像力だな。同じ魔法でも人によって形状や効果が違う事がある。まあそのうち理解できるようになる。今言った3つが必要だと分かったか?」
なんとなく分かったので頷いた。
「全員分かったみたいだな。なら闘技場に行くぞ。」
* * * * * * * * * * * *
「とりあえず『炎撃』辺りで練習しな。」
「やり方知らないんですけど…」
「・・・はぁ。」
今この人溜め息ついたぞ。
「【燃やせ『炎撃』】・・・分かったな。」
「・・・分かりました。」
さて、やってみますか。
「【燃やせ《炎撃》】」
ボッ…
マッチの火ぐらいの小さな火が出た。
「・・・むしろ出ない方が嬉しかった。」
あまりに虚しい。他の皆は上手くいってるのに…
なぜ俺だけこんな小さい火なんだ…
「お兄ちゃん見て!僕のファイア可愛いよ。」
レンは嬉しそうに自分のファイアを見せに来た。
「これがレンのファイア?」
レンのファイアは青いネコ形の炎だった。しかも動いている。
「キサラギ妹は面白い魔法になったな。キサラギ兄とは大違いだ。」
グサリ・・・
ヒューゴさんの言葉が刺さった。泣いて良いですか?
そんな事をしているとレイナが来た。
「先生、みんな出来たみたい・・・どうしたんですか?」
「ああ。キサラギ兄がファイアを上手く出せないみたいでな。」
「・・・嘘ですよね?」
そんな目で見ないでくれ。
「刹那さん。とりあえずもう一回やりましょう。原因が分かるかも知れません。」
「・・・笑ったりしないでくれよ。【燃やせ『炎撃』】」
ボッ…
「「「・・・・・・・・・」」」
頼む。せめて笑ってくれ。沈黙はかなりキツイ。
「刹那さん。魔法を使うなら魔力を集めてください。魔力が分散しすぎです。」
「集め方知らないんだよ…」
「まずはリラックスしてください。・・・そうです。次は体のどこかに意識を集中させてください。」
どこが良いだろう?
とりあえず左手に意識を向けてみるか。
意識を集中させて少し経つと、黒い光が左手を包んでいた。
「出ましたね。ならもう一回ファイアをやってみましょう。」
「【燃やせ『炎撃』】」
ボッ…
「「あれ?」」どうなってるんだ?さっきと変わら…
バチッ、ゴオオオオォォォオォォオオ!!!!!
いきなり火柱になった。
これ、どうすれば止まるの?
「さっさと消せ!このままだと闘技場が火の海になるぞ!」
「え!?ちょっと待った!」
消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えて消えろ・・・消えた。
「な、なんとかなったか。」
「バカ野郎・・・。危うく火事になるとこだったぞ。」
あんまり魔法初心者虐めないでくれ・・・。
誰だって初めは失敗する・・・はず。
「とりあえず今日の授業はこれで解散だ。道草するんじゃねぇぞ。」
いきなりだな。
しかもまだ授業中なんだけど…
「レイナ。あれ良いのか?」
「言っても無駄ですよ。先生が解散と言ったら今日の授業は終わりです。」
この学園大丈夫なのか?色々な意味で…
まあ帰れるんなら帰るか。
「帰るよレン。・・・レン?」
返事がしないのが不思議に思い、周りを見渡すとレンがいなかった。
「また迷子か?」
それなら探せば良いんだけど、何か嫌な予感がするな
「あんまり気が進まないけど、仕方ないよな。」
解析をフルに使いこの学園全ての情報を視る。だが、レンの情報が何処にも無い。
嫌な予感が膨れ上がった。
今度は城まで解析範囲を拡げた。・・・いた!
「城の地下室?しかも一緒にいる奴等は・・・レイナと誰だ?何がどうなってるんだ?」
状況がよく理解出来んがさっさと行った方が良いよな…。
俺はどこでもドアを創り連れ戻しに行こうとした。
だがドアノブを持った瞬間、凍えそうな寒気が襲ってきた。
これが何を意味するか、それが理解できるのが辛い。
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ・・・。」
俺は覚悟を決め、扉を開けた。
この後、絶対に悪い事が起きると確信しながら扉を開けた俺を誰か認めてくれ…
「次回予告!
扉を開けたらユートピア!だけど中にはサタンが3人!刹那の運命はどうなるのか!?待て次回!!」
作者!勝手に次回予告なんてしないでください!
「気にしない気にしない。嘘をついてる訳でも無し。問題無いじゃん。」
我が儘を言わないでください!
「細かいと老けるぜ?」
五月蝿い!