三途の川に来ました。
前回
意識が飛びました
「何処だよ此処は…。」
前回、クッキーを食べたら意識を失ない、気が付いたら綺麗な川が広がってました。にしてもでかいな〜。ナイル川でもここまで大きくないよ。しかも河原まで広い。あ、小さい子が石を積んでる。…何をやってんだ?
「おーい、何やってるの?楽しいのか?」
「………全然。」
「楽しくないのにやってるのか?何でやってるんだ?」
「…これを積めれば天国に行けるから。」
「……はい?」
今なんて言った?天国に行ける?
「でも、何時も鬼が来て崩すんだ。頼んでも『済まない。コレも仕事なんだ。許してくれ。』って、止めてくれない。」
OK.OK. 少し考えるようか。
綺麗な川→三途の川?
広い河原→賽の河原?
この子がやってること→石の塔作り?
鬼→意外と良い奴?
俺は?→もしかして…死んだ?
「ふざけんなあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!俺がいったい何をした?!」
OH MY GOD!いやGODDES!
「おい、そこのお前!少し五月蝿いぞ!他人の迷惑も考えるように!」
「五月蝿いのはお前だ!!!!!」
ネックカットキック!
「ぐびゃ?!」
何か言った気がするが無視だ。倒れそうな誰かにフライングボディアタックを仕掛ける。
「ごぶっ!?」そのまま足を持ち大きく振り回す。いわゆるジャイアントスイングだ。
「ぐっ!ごべっ?!」
その勢いのままに、
「喰らえ!」
バックドロップ!
「びぎゃ!!?」
……ふう。落ち着いた。久々に暴れたらスッキリしたな。よし、とりあえず誰だ?コイツ? 赤い肌(赤銅では無い)、アフロ?、牛のような角、胸毛がヤバイ、頭から地面に刺さってる。そして極めつけには虎柄パンツ。 どっからどう見ても鬼だ。むしろコレで鬼じゃなかったらビックリだよ。…あれ?一つ余分じゃないか?
「にしても…鬼って弱いな。 これなら遠野(元の世界の友人だ。名前だけチラッと出た)の方が強い位だよ。」
うん。アイツの体術は強いからな。技や力より駆け引きが強いタイプだ。久々に殴り合いたいぜ。それはそうとコイツ、抜いた方が良いよな?このままだと窒息しちまう。
「よっと!」
抜けた抜けた。角が片方折れてるけど別にいいだろ。生きてんだし。
「ん?イタタタタ…一体何があったんだ?」
起きたか。なら話を聞くか。強制的に。
「ハロー、そこの筋肉ダルマ。聞きたいことがあるんだ。知ってる事を全部教えろ。ちなみにコレは強制イベントです。」
「ん?さっきの暴走レスラーか。何か様か?」
「ああ。知ってる事を全部教えてくれ。教えなきゃフルコースいくぞ。それと俺はレスラーじゃない。」
フフフ… SSD喰らわせるぞ。いやワンダフルメキシカンコンボにしようかな?
「話す。だから待て。イイ笑顔でよってくるな。寒気がする。」
「なら早く話せ。ちんたらしてるとマジで殺るぞ?」
その気になれば真空八連撃ぐらい出来るぞ。お好みなら神龍拳も追加してやる。
「待て!まずは何を話すか言ってくれ。じゃなきゃ話せねぇよ。」
「そうだな。此処は何処だよ。そして俺は死んだのか?」
「何を言ってる。此処は言わずと知れた三途の川だ。それとお前は死んでない。仮死しただけだ。」
やっぱり三途の川か… それと死んでなくて良かった。 神に感謝だな。いや女神か?
「何時になったら戻れる?知ってるなら言え。」
「2分38秒07後に帰れるぞ。」
細かっ!
「分かったな。なら良いだろ?仕事があるんだ。帰らせてくれ。」
「あ、ああ。そりゃ悪かったな。仕事頑張れよ。」
「ああ。コッチも妻と子供がいるんだ。言われなくともやるよ。」
コイツ既婚者かよ?!ってか鬼って結婚するのか!? 色々知らない(むしろ知りたくない)ことが出てきて頭が痛いよ。
「そろそろ生き返るぞ。10,9,8,7…」
「?何を数えてぎゃあああああああ!!!!!」
何故か足下に穴が開き、そのまま落ちた。 コレ作ったの誰だよ?!
「せめて結婚してから死ねよ〜!…さて仕事仕事。」
そんな言葉が聞こえた…。俺もそうしたいよ。
俺が落ちた後…
「何故だ?またアイツに会う気がする…」
残された鬼がそんな事を言った…