詩 本物じゃない、ヒーローじゃない
「助けてくれてありがとう」
「あの時、助けてもらえなかったらどうなっていたか……」
君は初めて人に救われたんだろうから
きっとそう思ってしまったんだね
世の中にはもっとすごい人達がいるのに
僕よりずっとスマートに君を助けられるような
そんなヒーローがいるのにね
「救われました」と君は言う
毎日キラキラした瞳で僕を見る
違うよ そんな目で見ないで
臆病者の僕なんて ハリボテ かりそめ
偽物の勇者なのにさ
だけども君は例を言う
僕の瞳を見てそう言う
「あの時は助かりました」と毎回に
毎日僕と顔を合わせて
罪悪感でつぶれてしまいそう
申し訳ない 納得できない
認められない 臆病かな