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第18話

 結局、来週の白咲さんとのデート用の服は、次の水曜の俺と荻野がふたりともシフトに入っていない日に買いに行くことになった。


 せっかく服に興味を持てたんだ、新しい趣味の一種として、これを機に楽しんでみるのもアリかもしれない。


 『趣味は多ければ多いほど人生を豊かにするよぉ』って、ばあちゃんもよく言ってたし。


 俺は普段はキモオタ眼鏡だけど、別にオシャレが苦手なだけで、キライってわけじゃないから。


 とまぁ、来週への準備は万端なわけだが。

 結局明後日の坂巻とのデートのことは一切なんにも収穫がなかった。というか忘れてた。


 そもそも、思い出したところで何を相談すればいいのかわからない。言ってしまえば、「何がわからないのか、わからない」という状態だ。


 テスト前とかにコレだと悲惨なやつ。昔はそれでよくむつ姉に泣きついて、一緒にドリル解いてもらったっけ。懐かしい。


『じゃあ〜、基礎だけでも一緒にやろうかぁ』


 あの頃から、むつ姉はあったかくて優しかったなぁ。ほわわ………


 いかんいかん、今一瞬、現実逃避にトんでいた。


 で。


 今更だけどさ。

 女子とデートって何すればいいの?


 ん〜。

 まずはおさらいしよう。


 坂巻とのデートは、明日新宿のJR改札前に13時。

 新宿(のような人混みの多い場所)には疎い、とLINEで伝えたら、

『改札いっぱいあるから、出たとこ教えてね、迎えに行くよ』

 と坂巻には言われている。


 さすがはギャルだ。よく友達とかと来るんだろう、新宿という都心の土地勘もバッチリらしい。頼りになるぜ。


 で、集合したあとは一緒にイタリアンジェラートの店に行く。


 以上。解散。


 ………おかしくね?


 これじゃあデート30分で終わっちまうよ。


 え〜? そのあとどーすんの?


 カフェでも入る? アイス食ったばっかなのに? フードファイターか?


 坂巻のことだから、カラオケにでも誘われるんだろうか。どうしよう、アニソンしか歌えない。


 俺がひとりなら本屋に行くか、空いてるカフェにでも入っておとなしく本を読みたいけど、それじゃあ坂巻ほったらかしじゃん。

 本を読んでる俺を、正面からただ眺める坂巻……シュールだな。


 ギャルとオタクなんて、元より生存圏の異なる生き物だ。どうしたってデートには文化的弊害が生じる。


 間を取ってゲーセン……えっ。プリクラとか死んでもイヤなんだが。


 別に坂巻と撮るのがイヤとか、密室閉鎖空間にふたりで入るの!? きゃー! とかじゃなくて。

 純粋に恥ずかしいんだよ。プリクラ撮ってあーだこーだ話すのが。


 写真なんて撮ったら顔だってガン見されるだろうし。真壁だって身バレしたら、最悪の結末。


 もし誘われたら、どうやって躱そう。断ろう。


『写真撮るとさ、ほら、魂抜かれちゃうから』


 ……一気にオカルト野郎になったな。



 深夜二時。

 陰キャの俺は全てを諦め、「坂巻さんの行きたいところに行きたいな」の営業スマイルで丸投げ………もとい、乗り切ることに決めた。

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