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三日目の夜

 晩御飯を食べ終え、現在時刻は18時30分。

 皿も適当に洗い、私は部屋へと戻った。

 お姉ちゃんと一緒に。

 どうやら、明日の予定決めをしたいらしいけど、水族館ってことでいいんだよね?


「てんちゃん。明日は何時に家を出ようか」

「まぁ。10時かな。今、マップを見たけど、この近くの水族館は電車で30分くらいのところにあるみたい」


 と言っても、その水族館には多分、小学校低学年の頃に行ったことがある。

 前の家もそこら辺だった。


「そう。てんちゃんは何したい?」

「まぁ。お魚みる。イルカみたいなー。お姉ちゃんはイクラだっけ?」


 ちょっと茶化すように聞いてみる。

 すると、お姉ちゃんは恥ずかしそうにほっぺたを膨らました。


「あれは冗談だけど。水族館だったら、あれが好き。えっとクラゲ」

「確かに、ライトで照らされているクラゲって綺麗だもんね。……あ、でも明日は18時くらいまでには家に帰らないと親が帰ってくるよ」


 そう。うちの親たちは、日曜も仕事の日がある。

 ブラックすぎんか、予備校の先生というのは。


 まぁ、最高でも17時頃までらしいけど。

 そんな時間まで残る生徒がいるので、中々帰れないと、前お母さんが愚痴をこぼしていた気がする。


「その時間までに帰ればいい。楽しみだね」

「うん」

「てんちゃんとの水族館デート」

「ふぇ!」


 な、なるほど。

 お姉ちゃんはそういう風に捉えていたのか。

 デート。だとすれば、初デートじゃないですか。


 いや、そうじゃなくて。

 そもそもデートというのは、好意を持った同士の人たちが行うものだ。

 だから、違う。


「これは、お姉ちゃんと仲良くなるための交流会! 決して、デートなんかではありません!」

「えぇー」


 ぷすーっと、お姉ちゃんは再び頬を膨らませた。

 上目遣いでこっちを見るお姉ちゃんは、私よりも気持ち幼く見えた。


「まぁいいし。私はデート気分でいる」

「なんでやねん」

「じゃあ、部屋戻るから、また明日ね。私から風呂入る」


 立ち上がり、そそくさとその場を後にした。

 「風呂は一緒入らないからね」と、お姉ちゃんの背中に呼びかけてみる。

 ドアに手をかけたお姉ちゃんは、こっちを振り向いて、


「じゃあ、いつか一緒に入ろうね」


 そう言いながら、意地悪に微笑んだ。

すごく遅くなりました

すみません

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