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……おや!?悪役令嬢のようすが……?


三人が壇上から去って、またもや三人が壇上に上がる。三人のうち女性二人は、いずれも転生者と睨んでいる人物だ。


もういいよ、おなか一杯なんだけど。なんで略奪愛に走るかな~、ここゲームじゃないし、いい男他にもいっぱいいるのにな~。

え?私?私は普通にメイン攻略者の従者を落としましたよ。しかもお相手も転生者でだったりします。やっぱり価値観近い人じゃないとね。そんな事より転生者何人いるのかな?私の知っている限りだと五人だけど他にもたくさんいるんじゃないのかな?


あ~もう対決姿勢じゃない、本当に勘弁してほしい。気持ちはわからなくは無いけど。壇上の男は宰相の息子でルーク・ブルガス少年の雰囲気を残すその容姿は、年下好きに圧倒的な人気を誇る。やり取りを見ているとライバルキャラのキャサリンは敵対心MAXと言った状態、主人公キャラの一人のシャレーヌも応戦準備完了済みのようだ。


「ルーク様、私を捨ててその女を選ぶという事ですか?」

「ごめんキャサリン、でも僕はシャレーヌの事が好きに成ってしまったんだ。」

「残念でしたね、散々必死に妨害工作をしたのに婚約者に捨てられてしまうなんて。お礼に断罪して差し上げますよ。」

ルークを守るように前に立つシャレーヌは高らかに宣言する。


「あら、ありがとう。こちらもお礼に貴方に驚きをプレゼントして差し上げましょう!」

シャレーヌの勝利宣言ともいえる発言に対し、挑むように不敵に言い放つキャサリン。そうしてキャサリンのスカートの下から8つの宝珠が出てきて、キャサリンの周りをぷかぷか浮かびながら回る。


「8つ!?」

8つの宝珠に驚いたのはシャレーヌだけでは無い、私も驚いた。ゲーム内には8つ目の存在なんて描かれてなかった。


「あははは、やっぱり気が付いてなかったのね!キュクレス!」

キャサリンがそう叫ぶと、近くの従者の一人が翼をはやすと、ルークがシャレーヌの嵌めていた腕輪について居る宝石を砕いた。キュクレスは悪訳令嬢化したキャラクターに協力する魔人族で、魔人族の世界に繋がる穴を開放しようとして、裏でいろいろと動いているらしい。

「しまった!」

「ふふふ、油断したわね。これでもうあの裏技は使えないわよ?もっと、王笏に嵌められていたこの黒の宝珠が無いのではゲームの時の様な力は出せないはずだけど。」


そうか、王家が宝珠を管理してない事に不思議に思ったが、王笏に隠してあったのか。それでようやく裏技の流れを理解できた。裏技は試練を通過したときに得られる、リングについて居る宝石をパートナーとくっつけ合って、"生まれし日、時は違えども愛の契りを結びしからは、心を同じくして助け合う事を誓い、願わくば同じ時に死せる事を。"と宣誓すると、最終戦に国王が参戦し敵に強力なデパフをかけてくれる。このセリフは正王妃の遺品から確認できるのだが、なんでそんな力持って居る設定なのか疑問だったが、王笏の宝珠の力を引き出していたという事だったのか。感心しているとシャレーヌは気を持ち直していたようだった。


「やっぱり貴方転生者なのね!ふん、ジュリアじゃなければ正攻法で十分に勝てるわ、私とあなたの相性知らないわけじゃないじゃないのでしょう?それに科学を組み込んだ魔法で圧倒してあげるんだから。」

「ふふふふふ、何も気が付いてないのね、宝珠が8個そろったという事は、魔公爵よりさらに強い存在を呼び出せるのよ!」

キャサリンは宝珠の力を開放して見た事のある魔人族を呼び出した。その魔人族は一見すれば小柄な少年だったが、内包する魔力は圧倒的で、会場内に居た参加者たちはパニックに成り、会場を出ようと出口に殺到している。


「あっはっはっは!、ご苦労さまキャサリン。」

少年は明るい声で笑いながらキャサリンをねぎらう。

「とんでも無い事でございます。魔王太子ベルガン様、かねてよりの願いの方は…?」


そうだ、魔王太子ベルガンこいつは、裏ダンジョンに封印されている魔族の第三王子を倒す時に現れるのだ。第三王子は倒される最後の瞬間に持って居る魔剣の力を開放しようとする。そこを上級魔人族に乗り移った魔人王子が止めを刺す。乗り移っていた上級魔人族は死んでしまうが、近くに居た別の魔人族が魔剣を奪い去ってしまうイベントで見たんだった。そしてその剣はラスボス戦の魔人族の手に渡ることに成る、という事は魔王太子ベルガンが件の剣を持って居るという事に成るのかな?魔王太子ベルガンを見るが剣を持って居る風ではない。


「ああ、もちろん、君の要望通り、君を僕の13番目の妻に迎えよう。」

「あ、ありがとうございます。」

どいうやら魔王太子ベルガンとキャサリンの間で、契約が結ばれていた様だ。ともかくこの状況はよろしくない、これで主人公側が負ければ国が亡ぶ、さらに言えばゲームに絵が画れてなかったけど、場合によっては人族が亡ぶかもしれない。気にくわないけど場合によってはシャレーヌに加勢しよう、そう心に決めつつ、すでに近衛と魔道団長と騎士団長の他、若干名が国王を守るように構えていたので、その中に紛れ込む。


おめでとう!悪役令嬢は魔王太子妃に しんかした!

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