Jealousy
「はぁ……はぁ……畜生、コイツら一体何者なんだァァァ……!?」
「破門しといて名前を忘れるなんて危機管理がなってないわねクソヒゲ野郎
そんなだから裏切られるのよ
ああ、どうしてやろうかしらねえ、キャシィ」
「樽にブチ込んで剣でも刺してやるか?」
キャシィとフレイラは、ローレントの協力を得てここにいる
フレイラにイカれた命令を下した男の目の前にいる
この男の名はバリッド
ヒゲと悪人面のせいでニックネームは『海賊男』である
しかしこの男に海賊ほどの豪胆さはない
「悪く思わないでね、あなたは命令を間違えた
全ての事実はそれだけなの」
「ひぃ、何なんだァァァッ!
何もしないから助けてくれよ!
俺だって上から命令されただけなんだよ!」
「マフィアの旦那ァ、命が惜しけりゃ面白い話のひとつやふたつくらい持っておいた方が良いぜ
生きたいのはサルだって同じさ、お前を生かしてやる理由にはならねー」
キャシィがバリッドの首にナイフを突き立てる
「オレを殺したって無駄だ……!
上には上がいる……復讐の連鎖は止まらないんだ!」
「ああ、お前なんて生かす価値も殺す価値もないさ
ただモノが分かってねーなら教えてやるよ
お前はもう組織の人間じゃないっつーことだ
どうせ死にたくなる未来しか待ち受けてねーだろうから殺してやるっつってんだよ」
「……ハッタリだろう?」
「答え合わせはお前を殺してからだ
的はデカいぜ、外すなよフレイラ」
キャシィが言うなりフレイラはバリッドの脳天に銃弾をめり込ませた
「……ローレントの方も終わってるかな?」
「さあな、アタシらに出来ることは何もない
神に祈ったって無駄だ、云十億人の先客がいる
あの人はお忙しいからな……予約必須のサービスさ」




