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拒絶 終
煙と静寂に包まれた建物の中
神父は肉体の再生を終えていた
「……キャシィ一人ならば……確実に仕留められた……
あの褐色の女が厄介だ……キャシィにない……『引き際』を理解している……
殺すことに長けたキャシィ……生き残ることに長けたあの女
そして今の私では破壊出来そうもないあのソーニャという兵器……
……前途多難……しかし私はやり遂げる……そういう運命だ」
手をかざす
煙はその手の直線上を避けるように動く
吸血鬼たる神父が隠していた能力
「吸血鬼とは……人の領分を越えた怪物だ
その力は禁忌……生態系の頂点として全てを支配するに相応しい能力……!」
生命を覆し、
死者を操り、
万物を支配する
吸血鬼の本質
地球の真の王者
神父は既にその域に達してしまっていた




