拒絶 ④
「心配しなくても……あなたは裁かれるわ……!
歪んだ信仰を他人に押しつけるような男は……」
「お前は私の餌だ……黙っていろ
……いや、『悲鳴』だけをあげていろ……私の好物だ」
フレイラは既にたくさんの血液を吸われ、立っているのがやっとの状態だ
ただでさえ強い吸血鬼に、この状態で勝つのは絶対に不可能と言える
ソーニャも、破壊兵器と言えどその体は幼い少女のもの
かなりの痛みを感じているはずだ
神父が攻撃しないのを見ると、ソーニャに対してダメージを与えられるわけではなさそうだが……
「抵抗は無意味だと分かっただろう
人間と吸血鬼とでは種族としての差がある……」
余裕をかます神父の背中にナイフが刺さる
「……オイオイ、ボスを残して勝った気になってんじゃねーよ
てめーのお気に入りは沈めてやったぜ……」
「……ようやく来たか、キャシィ……
お前ならばどうにかすると思っていた……」
「……キャシィ!?」
「人の餌に手ェ出しやがって……殺すぞ」
「……お前がずっと私を殺したがっていたというのは承知済みだ……
人から恨みを買うのには慣れているからな……」
キャシィは神父の背中からナイフを引き抜き、首に突き刺す
「ハハハハ、さっきまで刺せねーヤツと殺り合ってたからよォ
この肉の感覚が堪らなくそそるぜ、オイ糞神父!」
「キャシィ!
そいつに攻撃しても……」
「そんなの知ってらァ!
この人外……世界を裏から牛耳ってたとしても驚かねーよ!」




