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オヤスミナサイ

「……おい、力が弱いぞ」


「言葉には気ィ付けろよ

今度文句垂れやがったら命はないと思え」


「分かった分かった

ほれ、もっと強くやってくれ」


「くそ……ナイフ一本じゃあ釣り合わねーぜ

お前には等価交換という概念がねーのか?」


「……奪ってばかりの殺人鬼が等価交換か……

何か知らんが、お前も苦労してるんだなぁ」


「当たり前だろ、敵は世間サマだ

しくじればすぐに首が飛ぶスリリングな戦いの真っ最中なんだぜ

そこまで危機を感じたことはねーけどな

お前だって、マフィアなんだったら分かるだろ?」


「……まあ、首が飛ばない程度にやってるからな

正直お前の苦労は分からん

ただの『ワル』じゃないってことさ

ちゃんと世界の歯車の一部として動いている」


「……『必要悪』ってやつか?」


「正義とか善とか悪とか、そんなチンケなものの言い方はよせよキャシィ

お前だってただの殺人鬼だ、善人でも悪人でもないんだ

下らんモノサシなんてなくても、世の中は上手く回っていくんだ」


「分かってらァ、皮肉で言ってんだ

善悪なんざてめえの都合次第で引っくり返るもんだ

端からアテにしちゃいねーよ、そんなクソつまんねーものは」


「なら良いが、もう少し強くやってくれ」


「これで限界だっつーのッ!!

つーかてめぇ……これで一時間ぶっ通しかよ……!

何のための『休暇』だ!?」


「だって、『休暇』はいらないんだろう?」


「うぐ……!」


「ははは、言い返せよ殺人鬼

世の中、ナイフだけじゃ駄目だ

言葉でも人を殺せるようになれ」


「あの……ローレントさん……

キャシィを更に凶悪な殺人鬼に仕立て上げるのはまずいんじゃないかな?」


「問題ない、コイツが選んだ道だ

そして喜ぶのも怒るのもコイツの自由だ

だがまあ、そろそろやめにして良いぞ

部屋はそれなりに広い

一人一部屋だ、自由に使え

ただし汚物の類いはNGだ、リフォームもするなよ」


「アタシらは赤子じゃねーっつーの……

じゃ、先に寝てるぜフレイラ、次はおめーの番だ」


「えッ!?」


フレイラがローレントの方を見ると、ローレントは呆れながら首を横に振っていた

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