Dirty Vacation
「……で、戦いで負った傷を癒すために『休暇』ってさ……
ローレント……太っ腹なのは良いけどキャシィは不満そうよ」
「ッたりめーだ……
こんなところでのんびりやってられっかよ」
キャシィとフレイラとソーニャは、戦いのあと半強制的にローレントの別荘地に連れて来られた
ソーニャは別荘に着いてからずっと眠ったままだ
さて、この休暇は数日間続くだろう
ローレントは少なくともそのつもりでいる
教会の場所については、ローレントが様々な手段を駆使して調査した結果、大まかな位置を炙り出せた
が、神父に関する情報は一向に得られない
まるで「存在していない」かのように、神父の情報は一切手に入らない
ウズウズするキャシィをローレントが諭す
「戦って傷ついてまた戦って……
そんなザマでは神父に出逢う頃には『遺体』だぞ
人には休息が必要だ……己の身の丈に合った行動をとれ」
「……チッ……つまんねーの」
「しかし……その神父ってのは何者なんだ?
我々がどれだけ調べても情報ひとつ入ってこない
死んでいるにしても、ここまで情報が出ないのは不自然すぎる
まるで国家機密レベルだ……なあ、ソイツは実在するのか?」
「あのなぁ……アタシがそんな嘘を扱く理由は何だ?
とりあえず教会に辿り着くことが出来れば良いんだよ
そうすりゃ何か情報を得られるかも知れねーからな」
「……あー、キャシィ
ひとつ頼みがあるんだが」
「んだよ、頼みってよォ……
お股にナイフでも入れたくなったか?
幸せになりてーなら、神父と会うまでは清潔にしといた方が良いぜ
それにコイツは新品なんだ」
「誰がお前みたいな下品なことを頼むものか
マッサージをしろ、全身隈無く丁寧にな」
「……は、そんなにしてほしいならソーニャに頼めよ
天にも昇るような気持ちにしてもらえるぜ
運が悪けりゃマジで昇天するけどな」
「それよりももっと良い品質のナイフをくれてやる」
「……ったく……も、モノで釣るのはナシだろーが……」